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最期のお別れの時に大事にしている事

お看取りのときに、わたしが大事にしていることがあります。
それは、普段から死を迎えることが近い患者さんとたくさんコミュニケーションをとること、これまで人生の物語を聴くことです。
たくさんお話しを聴かせていただくことで、残されていく家族へ、生前に本人が語っていたことを伝えるためもありますし、ご本人様がお話しが出来なくなり、意思疎通が困難なとき、表情やご協力の仕方、身体の動かし方で、その方が何を訴えているのかが、分かるヒントやきっかけになることがあるからです。

いよいよ、お話しができなり、旅立とうとする時、意識レベルが低下しているときは、ご家族様でご本人様が話していたことを伝えることを大事にしています。

ご遺族の方
へのアンケート結果からも、出ているように、最期、大切な人に大事なことや伝えたいことが伝えられていないという結果がとても低かったのです。

この結果から、自分なりに考えて大切な人に大事なことを伝え合えなかった方、きちんと『さよなら、ありがとう』を伝えられていたら、後悔がもう少し小さくなり、長引くグリーフの回避になるのでないかと考えている。

そして、医師からの死亡確認が終わった後の、清拭や着替えの前に、
横になっている本人の頭側を90度ちかくまで、上体を起こし、自分は患者さんの左側から、本人の身体を支えて、家族の方ひとり1人が本人をハグして抱きしめてもらい、『最期の別れ』のメッセージをひと言でも、おもい思いに本人へ伝えていただくようにしています。

身体がまだ温かい貴重な時間、おとなになってからその人を抱きしめるなんてことは、何年もないし、身体の温かみの温度を感じられるのも、その時だけだから。

そんなこだわりを持って、お看取り看護を行うようにしています。

本日92歳のご高齢女性の患者が亡くなり、最期のお看取りの日だった。
とても可愛らしい方でした。

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