合奏 〜フレーズを振る〜

叩きが出来てきたら、フレーズが振れるようになると一段階ステップアップ出来るんじゃないかと思います。

叩きで音楽に安定を。
フレーズを振ることで音楽に彩りを。

フレーズを振ることの大事さは、主語述語修飾語みたいなものを先に見せていくことにあると思っています。
ただただ基本の絵を描き続けるだけでは、どこがどう大事なのか、エネルギーはどう詰まっていくのか、どういうドライブ感なのかとかが分かりにくいんですよね。仮に同じテンポ指定だとしても、フレーズの中で詰まっていく部分とか抜けていく部分とかがあるはずで、そういうものとかを振れるといいなと。

そうするとメリハリが大分ついてきますと。指揮者が音楽をどう捉えているかという意図が見えてきます。そこに行けるといいなと。

意図があれば、特別な技術は要らなくて、叩きを駆使して大概のことはできます。足りないことは左手と顔とか使っていけば。

例えば8小節で一つのパッセージだと思うなら、その中でのピークはどこで、そこに向かってどうドライブしてくのか、詰まっていくなら絵を大きくして行って、抜けてくなら絵を小さくしてく。そんなところから始めれば良いと思います。ちょっとテンポも早めたければ左手も使ってせきたててみたり。
最初の4小節は暗いままだけど、次の4小節で少し明るい色が見えるなら、表情もおのずとそうなっていくとかってのもやり方としてはあると思うし(やり方っていう言い方は正しくないですね、それは内から滲むべきものとして)。

色々なものを駆使してフレーズを振る。
同じ絵を同じレベルでずっと振り続けてると、本当につまらないものになってしまうので。何となく振ってるつもりかもだけど、他人から見るとただただ同じ指揮にしか見えなかったりします。そういうのも奏者に意見聞いてフィードバックもらっても良いと思います。ほどほどに参考にする。ほどほどに。

フレーズを振ることが出来れば、奏者も、そしてお客さんも意図を感じることが出来て退屈しないんじゃ無いかと思います。

(続く)

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