スマートロックQrio LockとSESAMEを実際に使って比較してみた

スマホからカギの開け締めができるスマートロック。
Qrio LockとSESAMEが業界2トップですが、どう違うのか分からない方も多いですよね。

実際に両方を使って比較してみました。

※2020年12月時点の最新機種
 Qrio Lock:Q-SL2
 SESAME:SESAME mini
を比較したものです。


両社の強み:やっぱりスマートロックは便利

この記事を読んでいる方なのでスマートロック自体は買うつもりだと思いますが、あらためて両社に共通した利便性についても整理しておきますね。

リアル鍵をスマホに置き換えるのがなぜそんなに便利なのか具体的に挙げていきましょう。


1. カギを開ける動作が楽。もしくは何もしなくてもいい

リアル鍵は、カギを取り出し、鍵穴に差し込んでグルっと回しますよね。

スマートロックの場合、スマホを取り出すところまでは手間が同じですが、スマホをタップするだけなのでちょっと楽。

また「手ぶら解錠」の機能を使えば、何もせず近づくだけで開けることも可能です。


2. やや遠くから解錠できる

リアル鍵はドアにたどりついてからカギを開けますよね。

でもスマートロックの場合、Bluetoothが届く距離からアクセスできるので、少し離れた距離からカギが開けられるんですね。

これ、何がいいかというと、ドアに向かって歩いている途中でカギが開けられるので、ドアの前に着いた瞬間にドアが開けられるんですよ。
普通は、ドアの前に着く→カギを開ける→ドアを開ける、じゃないですか。それが、ドアの前に着く→ドアを開ける、になる。
つまり、カギを開けるという行為にかかる時間がなくなるんです。


3. オートロックがかけられる

出かける時にはカギをかけますよね。家に帰った後もカギをかける人は多いはず。

でもオートロックの設定ができるので、このカギを閉めるという行為にかかる時間がなくなります
もちろん、カギの閉め忘れもなくなります。「あれ? 今日カギ閉めたかな?」と心配する必要もない。

この動作も心配もなくなるっていうのがメチャクチャ楽。手放せなくなります。


4. 手軽にカギを貸せる

これはあんまり頻繁に使う機能ではないかもしれませんが、誰かゲストに簡単にカギを貸すことが可能です。
使い終わったらすぐにそのカギを無効にすることも可能。

たまに他人が出入りするとか、民泊やる方なんかには便利でしょうね。


補足. リアル鍵も同時使いできる

自分が「便利そうだから使ってみたいな」と思っても、家族がいらっしゃると二の足を踏みますよね。

お子さんは順応が早いから心配いらないかもしれないけど、奥さん・旦那さんは抵抗感があるかもしれないし、ご高齢の方が同居しているとなおさら心配でしょう。

でも大丈夫です。

スマートロックはこんなふうに既存のカギの上にツマミを取り付けるので

画像1

これまで通りツマミを回せばカギがかけられるし、もちろん外から鍵を使って開け締めするのもこれまでと全く同じようにできます。

なので、同じ家の中に「スマートロックを使う人」と「スマートロックを全く使わない人」が混在しても問題ないんですね。

あなた一人が便利だと思えばそれだけで買っちゃって大丈夫なんです。


Qrioの強み1:取付けが楽

ではいよいよ比較に入ります。まずはQrioの強みから。

Qrioの方が取付けは楽です。正確に言うと、取付けのときの調整が楽。


スマートロックって既存のツマミに取り付けるので、どうしてもツマミの幅や高さに合わせて調整が必要になるんですね。

SESAMEはスマートロックのネジを締める位置でこの幅や高さを調整するんですが、Qrioは複数の部品が用意されていてそれを選ぶことによって調整するタイプ。

なのでいちいち、ネジを緩める→ちょうどいい幅や高さを見極める→ネジを締める→確認する→ダメだったらまたやり直す、というSESAMEに比べQrioは調整作業が簡単にすむんです。


Qrioの強み2:ドアが開いた状態ではオートロックがかからない

まずSESAMEのオートロックのメカニズムですが、
「カギを開けた**秒後に自動でカギが閉まる」
という仕組みになっています。
この秒数は自分で変更ができます。

一方Qrioですが、
「カギを開けた後、ドアが開いて再び閉まったら自動でカギが閉まる」
という仕組みになっています。
ドアが開いたり閉まったりする動作を小さなセンサーで判定しています。


SESAMEの仕組みだと、たとえばドアを開けっ放しで大型の荷物を運び入れる場合とか、訪問者と玄関先で話している場合なんかは、ドアが開けっ放しの状態でカギが閉まってしまうことがよくあります

一方でQrioの仕組みであればそういったことはありません。ドアが閉まるまではカギが閉まらない仕組みになっているからです。


SESAMEの強み1:オートロックの秒数が調整できる

ここからはSESAME側の強みです。

これは先程の「Qrioの強み2」の話なんですが、考え方によってはSESAMEの方が優れているという視点です。


Qrioはドアを閉めたあとほんの数秒でカギが閉まります。この「数秒」の時間を「30秒」とか「1分」とかに変えることはできません。

一方SESAMEはカギを開けた後「**秒」で閉まる仕組みになっており、この「**秒」の時間を自由に変えることができます。


SESAMEは何がいいのか。
それは、玄関からほんの数十秒だけ外に出たいケースです。
例えば朝新聞を取りにいくとか、ゴミだけ捨てにいくとか。

Qrioの場合もうまくドアを開けっ放しにするとか、きちんとカギを持って外に出るとかすればいいんですけど、めんどくさいし、もし忘れちゃうと締め出されるので危ないですよね。
一応「一時停止」機能という操作もあるんですが、それも結局 めんどくさい&忘れちゃうかも という問題は解決していないという…。

こういった「玄関からほんの数十秒だけ外に出たい」ケースが多い方は、SESAMEを選んで「カギを開けてから1分」等でオートロックがかかる設定をするととても便利かなと思います。


ドアが閉まった後に好きな秒数で閉まるメカニズムだったら最強なんですが、一見無駄な仕様に見えるのでちょっと実現しないかもしれませんね。


SESAMEの強み2:安い

2020年12月15日、SESAMEは新商品であるSESAME3を発表したので、この最新機種とQrioの最新機種の価格を比較します。

SESAME:SESAME3 5,800円(税別)
Qrio Lock:Q-SL2  23,000円(税別)

価格差は実に4倍近く。

Qrio Lockを擁護しておくと、これは決して高い価格ではないです。普通。むしろちょっとお安めなくらい?
ただSESAMEが安すぎるんです。実際両方の商品をみてもSESAMEがチープな感じは全然しないしアプリも洗練されてるのに・・・・、なんでこんなに安いのか理解できないレベルです。


SESAMEの強み3:手ぶら解錠用の位置情報を自分で調整できる

まず手ぶら解錠(ハンズフリー解錠)の機能と仕組みについて説明します。

手ぶら解錠とは、ドアに近づくだけで自動的にカギが開く機能です。
スマホを操作する手間もないし、荷物で両手がふさがっていてもカギを開けることができるとても便利な機能です。


これだけ聞くと「自宅にいるときドアに近づいただけでもカギが開いてしまうのでは?」と心配する方もいるかしれませんが、そんなことはありません。

実はGPSでスマホの位置情報を取得していて、「スマートロックから一定以上離れた場合に外出したとみなす」「一度外出した状態で再び帰ってきてドアに近づいた場合にだけカギを解錠する」という仕組みなんですね。
だから自宅でじっとしているだけであれば、外出したとみなされないのでカギが開かないんです。


SESAMEの強みはこの手ぶら解錠の設定のとき。
機能を設定するために最初「スマートロックの位置情報を取得」するのですが、Qrioは「スマホの位置を自動取得」することでしかスマートロックの位置情報を設定できないんですね。

つまりQrioはスマホのGPSが不安定だとスマートロックの位置を正確に設定することができないんです。

一方SESAMEは自動取得した上で自分で好きに位置を修正できるので、GPSが不安定でも設定が可能
正確な自宅の位置を設定することで精度の良い設定が可能になります。


両社に改善してほしい点:手ぶら解錠で「外出とみなす距離」を自由に設定させてほしい

さてこの手ぶら解錠、とても便利な機能なんですが私は使っていません。

なぜかというと、夜中に突然カギを開け締めし始めて、その騒音で就寝中にたたき起こされることがあるからです。


どうしてこんなことが起こるのか。
それはスマホのGPSが不安定だからです。

スマホってみなさんいつもどこにおいていますか? 寝る時は枕元に置いたりしていないでしょうか。少なくとも寝るときにスマホをわざわざ窓際に置いたりはしないですよね。

GPSの性質上、窓際から離れれば離れるほど位置情報の精度は悪くなり、位置がフラフラするため、実際の場所から離れた場所にいるとみなされることがあります。
これによって、スマートロックが「外出したと誤解する」ことがたまにあるんですね。

もちろん夜中に毎日何度もカギがガチャガチャ開くわけではないです。私の場合は(気づいたのは)数日に1回程度でした。
でもそれだけの頻度で夜中にたたき起こされるのは正直致命的。
それなら手ぶら解錠の機能はいらないや、ってなったんですね。


もしこれが「外出とみなす距離」を自由に設定することができれば、「GPSの位置情報がふらふらするくらいでは外出を誤解することがありえない距離」に設定することで、こういった問題を避けることができます。

手ぶら解錠の機能自体はとても便利なものなので、ぜひこれが可能になると嬉しいですね。


SESAME3の強み:SESAME botでマンション玄関のオートロックも突破

2020年12月15日、SESAMEが新商品を発表した際、SESAME botという革新的なツールも発表されました。

これなんとマンション玄関のオートロックが突破できるんですよ。

わかります?

一部のマンションってこんなふうに建物の玄関にロックがかかっていて

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リアルのカギを使わないと建物自体に入れないんですね。

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だからスマートロックを導入したところで、マンションの建物自体に入るのに結局はカギが必要。

まあこの玄関のオートロックはリアルのカギが必要ですからね。どうしようもない。私も諦めていました。


ところがなんとSESAMEはこれを解決したんです。
それがSESAME bot。

どうやるかというと

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部屋の中にある解錠ボタンを直接押しちゃうっていうね。


このタイプのオートロックは、来客が玄関で部屋を呼び出してカギを開けてもらうことができるようになってるんですね。
それを利用して開けちゃうという‥‥。

こうして正解を見せてもらえれば分かるけど、それを発想するのも実現するのも本当にすごい。


玄関がオートロックタイプの方はぜひぜひオススメ。価格はたったの1,980円(税別)です。


まとめ

スマートロックの便利ポイント
・カギを開ける動作が楽。もしくは何もしなくてもいい
・やや遠くから解錠できる
・オートロックがかけられる
・手軽にカギを貸せる
・リアル鍵も同時使いできる

Qrioの強み
・取付けが楽
・ドアが開いた状態ではオートロックがかからない

SESAMEの強み
・オートロックの秒数が調整できる
・手ぶら解錠用の位置情報を自分で調整できる
・マンション玄関のオートロックも突破(SESAME bot)
・安い


以上、スマートロックのトップ2社であるQrio LockとSESAMEを比較してみました。

ここで紹介したことが機能のすべてではないので、気になる方はぜひ公式ページでもそれぞれ詳細を見てみてください。


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