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KRYラジオ「大人の音楽堂」:テデスキ・トラックス・バンド「レイラ」(2023.10.14OA)

驚きのアルバムです。カバーとかトリュビュートって山ほどありますが、これほどのハイクオリティなものに出会うのはそうそう無い。テデスキ・トラックス・バンドがデレク・アンド・ザ・ドミノスの「いとしのレイラ」を全曲カバーと聞いたとき非常にワクワクしました。期待以上のその演奏に感動さえ覚えましたね。オリジナルと共にこれからの人生で聴き続けることは間違いないですね。

ご存知のとおりロックシーンが大きく変化しようとする1969年、いろんな悩みを抱えたクラプトンはスーパーグループ「ブラインド・フェイス」を解散し、ブラインド・フェイスのライブで知り合ったデラニー&ボニーと合流、イギリスからアメリカ南部に渡り、それまでのサウンドと異なるデルタブルースやアメリカのルーツミュージックに傾倒します。そのメンバーのカール・レイドル、ボビー・ウィットロック、ジム・ゴードンとデレク・アンド・ザ・ドミノスを結成。オールマン・ブラザーズ・バンドのデュアン・オールマンが全面的にゲスト参加。歴史的超名盤「LAYLA」が完成。

何度もいいますが最高のアルバムです。私が思うに、なんとなく雰囲気でセッション的に演奏していて自然発生的に曲が増えた…化学反応みたいなのがあったのではないかと感じます。トム・ダウトというエンジニア/プロデューサーの力もすごい(『いとしのレイラをミックスした男』という映画にもなっています)。しかし当初この作品は売れませんでした。そしてこのアルバムに収録されている「リトル・ウイング」の作者ジミ・ヘンドリックスが突然死去…デュアン・オールマンがオートバイ事故で死去…売れないアルバム、酷評等が重なりクラプトンは落ち込んでしまい、バンドは解散。そしてアルコール依存…悲劇ですね。

しかしその数年後に評価は180度変わります。評論家という人のレベルが追いついていなかったのか分かりませんが、とにかく評価はうなぎのぼり。何はともかく「レイラ」は代表作になります。そのサウンドの正統派継承者が今回のテデスキ・トラックス・バンド。デレク・トラックスの名前はここからと聞いています。運命です。今回はスペシャル・ゲストにトレイ・アナスタシアを加え最高のライブパフォーマンスを聴かせてくれました。嬉しい限りです。動画も大満足です。

さて次回はハードロック救世主「グレタ・ヴァン・フリート」登場。お楽しみに。
今回オンエア
I LOOKED AWAY
BELL BOTTOM BLUES
LAYLA
TELL THE TRUTH

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