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KRYラジオ「大人の音楽堂」:デレク・アンド・ザ・ドミノス(2022.9.24OA)

「大人の音楽堂~ういろう、ひねってみました」
山口放送KRYラジオで毎週土曜日よる9時半~10時放送中!
パーソナリティ・山根由紀夫がリアルタイムで観た、聴いた、演奏してきた体験を生かした、洋楽中心の音楽番組です。

1970年リリース、彼らの唯一のスタジオアルバム「いとしのレイラ」…ロック史上最も重要なアルバムです。クリーム、ブラインドフェイス後のエリック・クラプトンが参加したのはアメリカ南部の「デラニー&ボニー」。クラプトンは今までに自分の中にあまりなかった、ミシシッピあたりのサウンドを吸収しその幅を広げました。そのメンバーのボビー・ウイットロックジム・ゴードンカール・レイドルをメンバーに「デレク・アンド・ザ・ドミノス」を結成。その四人にもう一人、オールマンブラザーズ・バンドの看板ギタリスト、デュアン・オールマンがゲスト的に全面参加。強烈であります(始めはあのデイブ・メイスンも参加している)。

ただ1枚のスタジオアルバムですが、せめてもの…2枚組というのは嬉しい。クラプトンのキャリアの中でも非常に重要な作品で、いろんなことに悩み、それを乗り越えようとある意味必死にもがいていた時期かもしれません。しかし、デュアン・オールマンの参加でものすごい化学反応が出ます。聴けば分かるのです。全ての楽曲の素晴らしさ。ピアニスト、ジミー・コックスのカバー「ノーバディ・ノウズ・ユー・ホエン・ユア・ダウン・アンド・アウト」、ビリー・マイルズの「愛の経験」、ジミ・ヘンドリックスの「リトル・ウイング」、チャック・ウィリスの「イッツ・ツー・レイト」、ウイリー・ブルーンジーの「キー・トウ・ザ・ハイウェイ」のカバーは極上のアレンジで、今のクラプトンのライブでも演奏されます。そしてオリジナルはクラプトンとウイットロックの共作が多いのですが、どの曲もとにかく存在感が半端ないのであります。

ロック界で最も人気があり強烈な曲「いとしのレイラ」はクラプトンが親友ジョージ・ハリソンの妻パティ・ボイドへの思いを込めた曲として有名ですが、そんなことはどうでもよいことで、後半のジム・ゴードンのピアノとの組み合わせはたまりません。みんなが真似したいのですが誰も手を出しませんね。それだけ完成されたアレンジなのだと思います。それとこの曲のベースライン…おそるべきタイム感と素晴らしいフレーズです。さすがカール・レイドルさんです。この方ドラッグで早くに亡くなっていますが、元気でいたら…と思うととても残念です。まあそんな方いっぱいいますが…。とにかく一家に一枚「いとしのレイラ」なのです。最高の作品です。

バンドは短命に終わりましたが、いくつかのライブアルバムが出ています。これも強烈です。駆け抜けたデレク・アンド・ザ・ドミノス、いつか映像が出てくればと願います。そしてこのレコーディングのミックスをしたトム・ダウトに感謝です。次回はこの流れで、オールマンブラザーズ・バンドで活躍したウォーレン・ヘインズの「ガヴァメント・ミュール」です。期待してください。ものすごいかっこいいブルース・ロックです。

今回オンエア
I LOOKED AWAY 
BELL BOTTOM BLUES 
LAYLA 
WHY DOES LOVE GOT TO BE SO SAD?
NOBODY KNOWS YOU WHEN YOU'RE DOWN AND OUT
TELL THE TRUTH

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