2023.10.18 金木犀の地図
本当は7時40分に起きなくてはいけないのにいつも7時55分に起きてしまう。冷蔵庫で冷やしてあるペットボトルのコーヒーと、余ってた牛乳をコップの中で混ぜて朝食として飲む。8時25分に家を出て8時40分に会社に着く。本当は全部10分ずつくらい前倒しでやってくのが理想なんだけどなぁ。
バイクに乗って外回りの営業に出る仕事を続けて2年半になるけども、この時期が1年間で一番気分が良いので嬉しい。公園で食べるためのサンドイッチとかを前の日の夜にたまに作っちゃうくらい嬉しい。
金木犀の香りがそこら中で炸裂してて、秋以外はあの木もこの木も金木犀だったということを忘れてるけど、秋になると金木犀を楽しめる場所のマップみたいなのが自然と頭の中で出来上がってて、これまでの体験と記憶の紐付けがくっきりしてきて季節の移ろいを体が感じて喜んでる。保坂和志の猫の散歩道というエッセイ集に「桜の地図に導かれ」という話があって、まんまその通りだなって思う。
こないだの週末、シンデレラボーイズの3人と俺の車でドライブに出かけた。風を入れるために窓を開けてて、外から金木犀の匂いがした時に俺が「金木犀の匂いやねぇ」と言うと、ギターの西園寺君が「そうやっちゃ、これが金木犀の香りやっちゃなぁ」とつぶやいてた。西園寺君の中の認知の一つとして「金木犀の香り」が増え、そのきっかけが俺であることが結構嬉しい。その週末に過ごした時間のことも金木犀の匂いがするたびに思い出すんだろうな。そんなことをバイク運転しながら考えてたらなぜか心が動いて涙が出た。悲しくなくとも心が動くと泣けてくるのはなぜなんだろう。
16時に外回りを終えて会社に戻る。最近、俺を含めた営業のみんな売り上げが奮わず、支店長からの数字のプレッシャーに日々耐えきれなくなってきている。事務所の雰囲気が暗い。今の支店長が転勤で宮崎に来てからと言うもの会話がなくなってしまい、いつも空気が重たい。全員が全員、疲弊し切っている。支店長が営業のみんなに明日の売り上げがどれだけあるのかを不機嫌そうに問いかける。その問いかけの順番が俺に回ってきて、俺は怒られない程度に少しだけふざけた回答をする。支店長が笑い、事務所の雰囲気がちょっと良くなった気がする。その瞬間ホッとしたけども、俺がこれまで育んできたユーモアとか言葉のセンスは大切な人を喜ばせたり、友達と良い時間を過ごすために培ってきたものやのに、何でこんな環境でこんな人間のために駆使してるんや…と考えて落ち込んでしまう。
20時に退社。家に帰りついて夜ご飯を温めて食べる。22時に会社の飲み会終わりのれなぽんを迎えに行く。家に帰りついて風呂を済ませて23時から晩酌。最近れなぽんがハンターハンターにハマってるので一緒にNetflixをつける。ハンター試験でレオリオがヒソカにぶん殴られるシーンでれなぽんが寝落ち。いろんな人らに連絡を入れて日記を書く。書き終えて寝室を覗くと、れなぽんがボブサップにノックアウトされた時の曙状態で寝てた。今は去年の今頃大晴にもらったベトナムお土産のタバコを吸いながらアプリで漫画読んでる。台所でゴキブリが増えてて最近本当に退治がダルい。
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