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ベルッチオがしんどい -巌窟王 Le théâtre 観劇メモ-

初めに

・タイトル通りな感想メモです。
・加藤靖久さんというかベルッチオしんどいしか書いてないと言っても過言ではありません。
・舞台は2回しか見てないので不正確なところのほうが多いです。
・アニメ全話視聴済みです。
・今回の舞台きっかけでむしろアニメ好きってなっている始末です。
・ネタバレはガンガンに書いていきます。
以上、念頭に置いた上で下記御覧ください。

ベルッチオしんどいに至った経緯

巌窟王については、そもそも原作のモンテ・クリスト伯自体を知りませんでした。これを書いている今も、モンテ・クリスト伯という作品が存在していること、アニメ巌窟王の原作であるということくらいしか知りません。
アニメ巌窟王も、今回加藤靖久さんご出演ということで知ったくらいでした。そんな状況で、wikipedia のキャラクター情報と、画像検索で出たビジュアルとが気になりすぎて気になりすぎてしょうがなかったので、アニメ巌窟王を一気に履修したところ、二言目に口を開けばベルッチオしんどいになっていました……。
正直なことを言えば、ビジュアルだけ見たら好みではなかったわけなんですよ……。でもお客様や貴族様に接するときの正統派な家令としての口調と、復讐に加担しているときの少し砕けだやりとりと、巌窟王に侵食されていく伯爵を心から気遣っている様と……ビジュアルのマイナス点がどうでもよくなるくらいには好みどストライクで好き……!しんどい……!!ってなっていました。そりゃ出会いのシーンが描かれていると噂の漫画版も買いますよ!!!!読みましたよ!!!!っていうくらいの……(そのうち小説もファンブックもモンテ・クリスト伯原作も買います読みます……)
と、なっていたところに、さらに加藤さんのビジュアルが公開され、あまりにも原作再現されたビジュアルに期待しかありませんでした。
というわけで、アニメを踏まえつつ、舞台版のしんどいベルッチオさんについて書いていこうと思います。

ベルッチオのしんどいポイントを列挙していくコーナー

・「ベルッチオ!」からの飛び蹴り。舞台版はフランツの語りで基本進んでいくという形をとっていたので、ぶっちゃけルナでの出来事はほぼカットでした。アルベールと伯爵がすれ違った、と思ったらアルベールがペッポを含めた盗賊たちに襲われるのですが、その際に伯爵が一言、「ベルッチオ!」と呼ぶんですよね。かーらーのー、飛び蹴りを決めてベルッチオ登場!盗賊共をフルボッコにしつつ、華麗な縦開脚回し蹴りを決めていきつつ、腹にパンチをくらっても全然堪えないシックスパックアピールをしていくスタイル。再び伯爵から「ベルッチオ!…下がれ」って呼ばれて、「はい」と素直に従って、脇(舞台下手側階段上部)にすっと控えてすっと跪くところまで、ベルッチオ最高でした。

・伯爵とアルベールが会話してOPに入るまで、ずっっっっっと跪いて動かないで控えているベルッチオまじで家令でめちゃくちゃ眺めてました。1回最前列だったときが、ちょうど舞台下手側だったので、そりゃもうがっつりと。動かないなー本当に動かないなー。静止してるなー。本当に静止してるなー。

・OPで伯爵でお辞儀するベルッチオがとてもいいのでまずは公開されているCMという名前のOP映像を御覧ください。

・伯爵とアルベールがやりとりしている間にも映ってるベルッチオはもちろんだし、その流れも込みだからなおのこと納得ではありますが、キャラクター紹介パートで一番最初に出てくるベルッチオが、伯爵にお辞儀してニコって笑ってるっていうのがもう最高です。伯爵が一番最初にマントばさって翻して見る人がベルッチオっていうのが個人的にとても好きなのでもっとやってくださいっていう気持ちです。

・「金の勘定なんで面倒なこと、途中でやめちまいましたよ」というセリフは全ガチャ、全ランダムグッズなどの、全課金コンテンツに触れる民に広めていきたい所存。
アニメ巌窟王では伯爵の家令の一人であるバティスタンが言うセリフですね。舞台版は伯爵の家令としてはベルッチオ一人が登場だったので、役どころとしてはバティスタンの部分もベルッチオが担当している感じでした。このセリフを言うとき、アルベールたちを案内して控えていたベルッチオが、リュシアンからの言葉を聞いてすくっと立ち上がり、若干芝居がかったように両手を広げて言うんですが、砕けた口調になるのはあくまで対平民のときだけっていうあたり、さり気なく身分制度当たり前っていうのが見えてきますよね。今思えば、舞台版はバティスタンの役割も持っていたからこそ、後半に向かうにつれて、ベルッチオがより葛藤していたり、悩んだりしている様が顕著に出てくるようになっていたのかなと思ったりします。ちなみにアニメ巌窟王ではポーシャンが「目が覚めるような質問を…」ってことで尋ねてくるわけなのですが、そこからも察せる通りで、舞台版はポーシャンの部分をリュシアンが担当していました。

・伯爵のことしか見てないベルッチオ
特にこの、シャンゼリゼの伯爵の邸宅にアルベールなどなどをご招待して、決闘が始まるまでの間、他の人には目もくれず、ずーーーーーーーーっと伯爵のほう見てるんですよね。ベルッチオ。というか伯爵しか見てないんですよねきっと。初日がどうだったかはもはやうろ覚えでしかないんですけど。家令ってそういうもんだっけか。いや伯爵の命令は絶対だし伯爵に忠実だしそういうもんなのかな。うむ……。

・ダングラール銀行への口座作成
伯爵なんも言ってないしアイコンタクトとか頷きとかそういうのなにもしてないのに、会話のタイミングを見計らってすすっと前に出て、すすっとアタッシュケースを開いて伯爵の交渉をつつがなく進めるサポートをするベルッチオがまじ有能な家令過ぎて好き。……あんなビジュアルな癖して!!!!!くそう!!!!!(すでに陥落している私が何を言ってもだめです好きです)

・伯爵の別邸にて
ユージェニーの演奏を終えて、伯爵が「皆様大きな拍手を!」って言ってるときに控えて跪いていたベルッチオがすって立ち上がって拍手するのが個人的にとても好き。拍手の仕方が大きいのが。

・巌窟王とベルッチオが呼ぶ重要シーン
ここですよここ。しんどいポイントがまず来るのがここですよね。本筋の宝探しとヴィルフォールとヴィルトリアの不貞が匂わされるところであり、フランツが伯爵がうめき苦しんでるところ、巌窟王の文様を目撃してしまうところですがそこに現れるのはベルッチオなんですよねーーーーー。アニメ巌窟王も同じですが。ここちゃんと舞台でもやってくれてありがとうございますうううううううううと平伏しておりました(フランツが目撃した場面っていうより、フランツが語り部として言ってる感じだったから、フランツの言葉に合わせて、巌窟王の文様を見せている感がすごくてそこだけちょっとなぁって思ったりもしましたが)
「ご無理は…!まぁ、言っても無駄でしょうが……」っていうのが、舞台のを見ている限りだと、心配しているけれど、無理してでも成し遂げたいことがあるのを知っているから、止めても聞きはしないだろうっていう深刻めな諦め……諦めっていうとなんか違う気がするんですけど、そういうふうに聞こえました。(アニメ版ももちろんそうなんだろうけど、ちょっと茶化してるというか、深刻っぽくは言ってない気がするんですよね。この人しょーがねーなーみたいな。それはそれでとても好き)この辺のベルッチオの表情が見れない席だったのだけが今回の観劇での心残りでしたーーーーーーくそーーーーDVD買わないとなーーーーーー(予約しそびれた)
その後のやりとりも基本アニメ巌窟王準拠で、ベルッチオが伯爵の腕をとって、肩を貸して部屋へと戻っていきました。この二人っきりというか、伯爵の前では敬語と普段使っているだろう砕けた言葉が混ざってるベルッチオとても好きなんだよな……。

・唯一ベルッチオが高台に出るシーンはアルベールとともに伯爵が宇宙に行った際の「パリで動きがあったようです」っていうところでしたね。

・伯爵と一緒にパリに戻ってきたところ
こことかも、それまでもそうなんですけど、該当するシーンのメインは、基本的に伯爵なんですよね。スポットライトが集中するのも、話すことも、基本伯爵がしている。パリに戻ってきたところも、ベルッチオが先導してるんですが、全然気にならないんですよね。あんなビジュアルのry……他の役者を引き立てるとか、気配を消すとかって、こういうところなのかな。などと思いました。

・メルセデスと伯爵との対面
ここ、アニメだと、伯爵の私室に対して「モンデゴの奥様がお見えです」って一声かけるんですよねベルッチオ。その後伯爵の許可とかも何もない状態でメルセデスが私室の前まで来てるしメルセデスが声かけちゃってるから、ここまで通したのはベルッチオの独断なんだよね。っていうのと同じ効果が、舞台上でも。
舞台ではむしろはっきり対面してるわけですが、伯爵が苦しみ呻いて俯いていたところにメルセデスがやってきて、その後数瞬置いてからベルッチオがすっと現れて跪くんですよね。声を聞いて驚いている伯爵の様子から察するに、ここも、ベルッチオの独断でメルセデスを連れてきたことになる。
ベルッチオはこの段階で、もう伯爵の復讐を止める……止めるに至らなくても、伯爵が命を投げ打つまではやりすぎないように、その生命を落とさせないように、伯爵が失われないように、自分に何ができるかっていうのを考えて動いてるんじゃないかなって思わされました……。しんどい……。舞台見て、あれ?アニメだとメルセデスと伯爵対面してたっけ?って思って見直すくらいには、ここでのベルッチオの立ち位置が気になったんですよね……。

・アルベール(フランツ)と伯爵の決闘パート
で、メルセデスを止めるところが客席通路のところで行われていたんですよねーーーーーー。ここのやりとりもほぼまんまだったので、すごい好きです。長台詞!って思いながら聞いてました。メルセデスの伯爵を止めたい気持ちに負けないようにメルセデスを止めようとしてるところが、感情のせめぎあいみたいな感じで、めちゃくちゃ好きです。そして気絶したメルセデスをお姫様抱っこして連れて行くベルッチオかっこよかったああああああ。

・「アルベール様のことd」「聞こえなかったか?……売りを浴びせろ」
「……承知」
ここがねーーーーーーーここもさーーーーーーだいぶ千穐楽でベルッチオが葛藤しているというか感情出てきてるというかやっぱり伯爵の復讐を…復讐は止めないけどそれ以外への攻撃はやりすぎだと思ってるし伯爵の身を案じてる感がほんとにすごいんですよーーーーー。株のこと報告し終わったあと、舞台客席側のほうに駆け寄ってきて「アルベール様のことで…!」ってちょっと逼迫した感じに言うところと、「聞こえなかったか?」を聞いて、ぐぬってそれを抑えつつ、跪いて「承知」って言うところが本当に家令いいいいいいいいいってなっているのでとてもしんどいです。

・エデに対してベルッチオが優しい
「エデが、話をしたいと…」って言ったあと、舞台袖に向かって頷いてエデを呼ぶのから始まって、エデの言葉を固唾を呑んで見守っているところも、その言葉が届いていないそぶりであえてベルッチオに対して「不要な駒は容赦なく捨てろ!」って言い放った伯爵に対して、すごく間を開けつつ葛藤をしつつも「はい」って頷いて、結局はエデを連れて行っちゃうわけなんですが、連れて行くのにも迷ってるベルッチオがほんとにね……ああ、加藤さん演じてくれてありがとうって思いましたね……。アニメ巌窟王のベルッチオが24話かけて描いていた葛藤を、かなり圧縮された中で表現してくださってたと感じることができて……本当に……ありがとうございます…。

・メルセデスのことを治療したと思ってるけどどうなんですかベルッチオ
フェルナンに撃たれたメルセデスに駆け寄ってるアルベールの後ろに、場面転換直前くらいにベルッチオが現れるわけなんですよ。この後の展開上、ベルッチオはアルベールを伯爵の元に連れて行くためにやってきた。みたいに最初は解釈していたんですけど、撃たれたメルセデスはEDでも生きてるっぽいんですよね……。ということは、アニメ本編と同様で、ベルッチオはメルセデスを助けつつ治療していたのかなと思いました。
ただ、そうなってくると、フェルナンと伯爵と鎧戦直後、伯爵が「お前の息子が到着したぞ」って言ったタイミングで、ベルッチオがアルベールをホールドしながら出てくるのが、なんか腑に落ちない。
あくまで伯爵の命令でアルベールを拉致りにきたってだけなら、この流れは腑に落ちるんですけど……メルセデスの生存がうまく噛み合わない。
ということで、伯爵が「お前の息子が到着したぞ」って言ったタイミングまでは、アニメと同様にアルベールが先行して駆け寄ろうとしていたけど、それを言った直後くらいに、状況を察したベルッチオがアルベールを押さえようとした。という解釈に私個人としては落ち着きました。つまりベルッチオいい人……(推しをいい人にしていきたい症候群であることは否定しません)

・地獄までお供できたんだなって後から気づいて号泣しました。
舞台では、バティスタンの役割もベルッチオは兼ねていると書きました。つまり、なんとなく察していたとおりな感じで……凶刃を向けようとしていた伯爵からアルベールを守るために、ベルッチオがその身を投げ出したんですよね……。
「ベルッチオ!」
「アルベールさん……泣かないでください」
ベルッチオは伯爵に向けて言う。
「この方を!手にかけてはいけません!」
「そこをどけ!」
「どきません!」
伯爵がベルッチオに剣を突き立てて、そんな伯爵にも、軽く笑いながら。
「地獄まで、お供しますぜ……」
その言葉を聞いて、伯爵は剣を引き抜き、またより苦しみだす……
っていう初日だったんですよ。
アニメ巌窟王でも、地獄までお供しますと、むしろ巌窟王の名を呼びながら言っていたこの発言ですが、アニメは最終的には優しく拒絶されていたんですよね。一緒に死ぬことはないと。自分自身のために私の財産を使えと。
舞台では……そこでいなくなってしまうことは正直、かなりショックだったけれど、でも、アニメ巌窟王と違って、本当に地獄までついていくことができたんだな、という考えに帰りの電車内で思い至って、号泣してしまいました……。
と、思っていたところで、千穐楽ですよ。谷口賢志さんやってくれました。あいつやりやがったっていう感じです本当にありがとうございます。
地獄までお供する、というベルッチオの言葉に。
「ベルッチオ……っ、ついてまいれ……!」
って返したんですよ……。言葉を……。
ベルッチオの名前を呼ぶところは、公演期間中頃くらいに追加したっぽいんですが……ついてまいれ、って言ったのは千穐楽だけだった、らしい、です。
ベルッチオが地獄までついてくることを許した、むしろ付いて来いと言った。明言した。してくれた。アニメ巌窟王では手向けた白薔薇に込めただろうベルッチオの様々な思いが、その言葉で全部報われたんじゃないだろうかという妄想というか、想像というか、そんなことが頭をぐるぐると巡ってしまう、そんなシーンになってました……。千穐楽でのベルッチオも、伯爵に対しての言葉が、どこか柔らかいものになっていたし……やっぱり笑っていたらしいし……(私の席からだとほんとうに表情が見えないしんどい)
伯爵を演じてくれて、ベルッチオからの思いを受け止めてくれてありがとう谷口賢志さんんんんんんんん!!!

・カーテンコール
キャラクターとしてのお辞儀になってたところと、エデと二人で一回階段真ん中くらいに上がるところで、エデと頷きあってたりGJポーズしてたりしててとても伯爵組尊いってなりました。
あとカーテンコールのお辞儀、初日は頭をしっかり下げるお辞儀になってましたが、千穐楽はダブルコールまで、ベルッチオとしてのお辞儀になってたし、他キャストの挨拶のときも基本的にはベルッチオとしての立方になってた(谷口さんの挨拶でのツッコミで「まぁたやってるよ~」って感じに指差してたとき以外)ので、キャラクター重視で本当にありがとうございましたという気持ちでいっぱいです。

終わりに

いろんなところで書いたり友達に言ったりしているんですが、
ベルッチオというキャラクターに出会わせてくれて本当にありがとう加藤靖久さんんんんんんんんんんんんんんんんん!!!!!!!!!!!!
という感謝の気持ちと
体作りや、公演期間中の指摘に対しても柔軟に反応してよりベルッチオに寄せていくところから始まって、千穐楽に向かうにつれてベルッチオとしての熱量が高まっていってより良くなっていくところまで、加藤靖久さんのお芝居がめっっっっっっっっっっっっちゃ好きです!!!!!!
という気持ちでいっぱいです。
巌窟王本編に対して言いたいことも書きたいこともじつはあるんですが……オンラインアンケートがあるっていうことを千穐楽終わってから思い出した体たらくなので、またこちらで書こうかなと思っていたりします。……書けるかな……書かなかったらお察しください。
ということで、ベルッチオがしんどいということを言いたいだけの感想でした。


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