30歳、面白すぎて一瞬で終わった

30歳は最高だった。
30歳になる前は、「30歳って、何かが終わる感じがするなあ。区切りな感じするなあ」と思っていました。しかし、私にとっての30歳は、区切りどころか始まりばかりの一年でした。

まず、レオパードゲッコーのエマさんをお迎えしました。全く異なる生態の生き物と共に暮らすことの大変さを知りました。黒沢清監督の映画に出てきそうな家に住みました、毎日怖いです。大好きなケーポの方々に憧れるあまり、髪色を思い切ってブリーチ、駅で人にぶつかられなくなりました。腹筋を割ったら強くなれる気がしてトレーニングと運動をして7キロ痩せました。体が軽い! 半年前に沼落ちしたばかりの推し女子レスラーにひょんなことから会ってしまいました、もっともっと好きになりました。10年近くファンでいた女性俳優に、思い切って連絡をして、自分の担当編集本をお渡してお話ししました、うああ好きだあああとなりましたが、バレていないはず。

そして。
泣きながら読んだ本を書いた人と仕事をしはじめました。尾崎ムギ子さん。激しく衝突してしまいましたが、一緒に進んでいく決意をしました。またぶつかってしまうこともあるかもしれないけれど、ムギ子さんとなら面白いことができる!

20代の終わりには、「そろそろ人生のまとめのシークエンスに入ったほうがいいかな? 結婚とか出産とか、考えないといけないかね。もう大人なんだし、まとめに入ろうかね」そんな風に思ってしまったのですが、うまくできないし、やろうとすると息苦しかった。ですので、まとめに入らなくていっかあ、やーめた、と自分を自由にしてあげることにしました。最高に自由に30歳を過ごせた、おめでとう私! 急に結婚・出産・育児等することになろうとも、「人生のまとめ」に入る必要はないですよね、なんであんなに思い詰めていたんだか。今となっては、面白いことです。

これから31歳。
また悩んで、情けなくなって、調子乗って、失敗して、でもまたオラアと気持ち昂って突っ走りたくなって、突っ走って、顔面から転んで、泣いて、その繰り返し。

逃げないぞ! ダサくても、生きることから逃げないぞ!

毎日「本っていつまであるのかなあ」と思いながら本をつくっています。私が高齢者になったら、なくなっているかなあ。介護士さんに「昔、本をつくっていたよ」と言ったら、「博物館で見たことある!」って言われちゃったらどうしよう。そもそも、介護ケアロボットとの会話になるかもしれません。介護ケアロボットの語彙を増やすために、いっぱい話しかけるようにしなきゃな! すべては、未来のために。

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