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作品批評まとめ

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2022年6月の記事一覧

【MOTHER2批評①】ギーグの考察とMOTHER2で遂行された事

全記事へのリンク MOTHER2のはじまりは、ネスの敵意の芽生え MOTHER2は近所に落ちた隕石を見に行く所から始まります。 この時フィールドに敵は一切出ません。 しかしその日の夜中に隣人であるポーキーのノックによって起こされ、自分勝手な理由で仲間になり再度隕石が落ちた地点へと一緒に行く時に初めて敵が出現するようになります。 そしてこの時出てくる敵はヘビ・イヌ・カラスと言った、まぁ山道や田舎ならその辺に居てもおかしくないよなという動物達です。 が、名前がちょっと変わっ

【MOTHER2批評&考察②】何故ネスはギーグを倒せたんだろう?

前回の記事ではギーグの正体と役割について書きました。 今回の記事は「じゃあどうしてネスがそのギーグを倒せたの?」というお話です。 パワースポットから得られた力  ギーグを倒す為に必要な事として提示されたのは「パワースポット」と呼ばれる8つの場所に行く事でしたね。 ここに行くとネスのパワーを強めてくれるから行って来いというのがブンブーンの遺言でした。 しかしいざ最初のパワースポットに行ってみるとどうでしょう?別に力は貰えず、メロディの一部を入手すると共にネスの幼い時の記

【MOTHER2批評&考察③】おとながこどもになる空間で知り得る事とポーキーについて

これまでの記事で物語の大枠とも言える内容を綴りました。 そしてその内容というのはキャッチコピーで言う「こどもはおとなに」の部分だという事も。 この記事では、同キャッチコピーにある「おとなはこどもに」の部分の解説と、何故それがMOTHER2に必要なのかという点を綴りたいと思います。 誰の心の中にもあるマジカント  8つのパワースポットを巡ると強制的に訪れる事になる国「マジカント」。 ここはネスの心の中に存在する国です。 ネスの感情や思い出、心象などが形を得ているちょっと

【MOTHER2批評&考察④】テーマの統括|誰かがあなたを愛している事を、どうか思い出して欲しい

前回の記事 MOTHER2という物語 両親に愛された少年が大冒険を通してようやく自分は愛されていたんだと知り、その心を以て誰かを憎む気持ちを克服する。 要約するとそんなお話だったのかなと思います。 そしてそんな少年をロールプレイする事で、プレイヤーである私達も「自分も誰かに愛されているのかな」と感じ、あるいは「誰かに愛を伝えてみようか」と思える優しいゲームでした。 多くの人が感じている通り、社会に、身近に、もうどこにでもポーキーみたいな人はいます。確かにいます。 「もう

【MOTHER2感想&批評⓪】ただただ愛されている少年

 少し前にSwitchオンラインの特典としてMOTHER2が最新機器でも遊べるようになったのを切っ掛けに、いつかやろういつかやろうと思っていたMOTHER2をようやくプレイしました。 一応初見ではなくGBA版のリメイクをプレイした事があるのですが、プレイ当時は小学校低学年だったのもあって物語を味わう事までは出来ておらず、同じゲームなのに今回は全く違って見える~~~!!となりながらプレイしていました。 折角なので以下のような批評も行ったのですが すごくシンプルなシンボルやゲ