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ENHYPEN Heeseungのアドリブ考

とても面白い動画を見つけた。
Heeseung, falsetto, head voiceとか、heeseung, vocal analysis等で検索をかけていたら、Given - Takenにおけるヒスンのアドリブだけを取り出した動画がいくつか見つかった。

つまり、音声編集ツールで他のメンバーの声をかなり取り除いて、ヒスンのアドリブだけを残す処理を行ったもの。

時々Youtubeでライブ収録から録音部分を除いて、リップシンクかどうかを見分ける動画が出回ってるけど、同じ原理のようだ。

それを聴くと、ヒスンのアドリブが掛け合いか重唱のように聴こえる。
ヒスンがアドリブをやってるってことは知ってたけど、ハーモニー程度だと思ってた。
こんなに技巧的な内容だったとは。

ジェイクはヒスンと並んでバックボーカルに名を連ねているので、いずれ彼のも聴いてみたい。
いやはや、Given - Takenには、豊かで華やかで蠢くような地下鉱脈が眠っている。


(RJ):リップシンクって何?

(KB):口パクってやつよ。

ライブ音源を音楽編集ソフトにかけて、録音音源を消去、あるいは音量を絞って、実際の生声を取り出す動画が、海外ではたくさん出回っている。
で、口パクかどうかがわかるようだ。

もっとも、精度がどの程度なのかはよくわからないけれど。
生声と録音音源の声に差がないときは、生声まで消去されるという人もいる。
実際のところはよくわからない。

ただ、口パク=悪という図式は、個人的には好きでない。
ENHYPENなど、ハードなダンスが売りの場合、生声で歌うのは、特に高音域のテノールにとっては厳しい。

バリトンやバス声域だって、首をぐるぐる回したり、飛んだり跳ねたりしていたら、それはもう困難至極だろう。

(RJ):うん。私も生歌にはこだわらない。ステージの完成度がもっとも大切だと思う。

ENHYPENで、ボーカルのアドリブを入れているのはヒスンだけ。
バックボーカルを入れているのはヒスンとジェイクだけ。

ヒスンは高難度のダンスに加え、歌&声においてもボーカル、バックボーカル、アドリブ、ハイノート、ラップと八面六臂の活躍している。

(RJ):聞こえたー!!!
こんなに重層的に作られてたんだねえ、Given-Taken!
感動的だわ!
高いところで響くヒスンのアドリブの美しさたるや!
高音が空の上で鳴り響いているよう……!

(KB):そうなのよ。
こんなに音を重ねて、おまけにこんなに美しいのに、普通に聴いてる限り、アドリブは聴こえてこないという……もったいないったらありゃしない。

でも、ハーモニーの作り方とか、ものすごく美しいし、すごく自由な感じで大好き。
ささやかな希望として、スタンドマイク、もしくはヒスンがButterflyの時に持ったようなハンドマイクで、生歌に挑戦するENHYPENも見たいかも。

'Not For Sale'のスタンドマイクver.
わりと早いうちに、ラジオ録音のときに望みが叶った。

ここでもヒスンは、言葉と歌とで、リズムと音程にのった素敵なアドリブを残してくれている。

そして、イルデの際のオンラインショーケースでは、'Forget Me Not'でも、圧倒的な歌唱力を示してくれた。
ああ、あの'Forget Me Not'のMVもあったらなあ……!

(RJ)そういや、水音が聞こえなかったね。
日本の音楽番組で、水を張ったステージでのダンスが超難しそうな、ハイレベルのGiven-Taken Japanese ver.。
個人的にこれ、照明も映えてて凄い好きなんだけど、口パク疑惑再燃の原因はこれだったりして(笑)

(KB)ま、ENHYPENの口パクとビッヒのAutotune好きは、ボーカルに関する二大炎上テーマだから(笑)

これはさ、オペラ歌手好きが巨大ホール公演でマイクを嫌う理由と同じなんだと思ってる。

つまり、生声じゃない=能力の低いヤツ。
まあ、一理はある。

でも、私が生歌を評価する一方で(韓国のラジオ番組でのヒスンのNot for Saleは忘れられない)、口パクにそこまで拘らない理由は4つ。

ひとつ。彼ら自身が生歌グループだと自称してる訳じゃないこと。

ふたつ。ダンスが超ハードで生歌に向かないこと。

みっつ。Autotuneのレベルを超えて、効果をつけまくった声に編集したい意図があること。例えば、Drunk Dazedなんか典型。

よっつ。彼らは、役割が固定されたグループじゃないこと。
多少の得手不得手はあるけど、固定のボーカリストも固定のダンサーも固定のラッパーも、固定のセンターすらいない。

全員がボーカリスト兼ダンサー兼ラッパー兼センターであり、役割をくるくるかえていくのがENHYPENのスタイル。

以上。
だから、生歌はイチゴのショートケーキのラズベリーみたいなものかな。
イチゴがあればいいの。ラズベリーはあくまで嬉しいおまけ効果なのよ‼️

そう考えてきたとき、最近すごく思うことがある。
上で書いた4つ目の補足とも言えるけど、I-LANDの裏コンセプトは、オールラウンダー7人でグループをつくったら面白そうだ、ではなかったかと。

ヒスンありきのI-LANDとか、ヒスン+6人とかよく言われるけど、6人は誰でもよかった訳じゃなくて、僕は歌手とか僕はダンサーとか、固定した役割に自分を留め置こうとせず、自分の可能性を常に広げて、何でもやりたい&やれるメンバーを最後まで残していた気がする。

ヒスンをピースのひとつ目として置いたとき、次にヒスンと交代でセンターを張るメンバーは、ヒスンとは異なる味わいを付加してファンを魅了し、その次のセンターはさらに別の魅力を放つ。

ENHYPENは、全員が大なり小なりセンター人材であり、オールラウンダー人材だと思う。

そういう意味で、ヒスンありきだったというのも、一理あると思う。

ヒスンが決まっていたという意味ではなく、ヒスンの存在がプロデューサー陣に、「オールラウンダー、それもエース格のオールラウンダー人材だけでグループをつくったら成立するのか?」を思い付かせたのだとすると、これはこれで、これからがとてつもなく楽しいことになるように思えてしかたがない。
(KB)


圧巻のFake Love。
いま観ても素晴らしいこのレベルを、デビュー前のメンバーが頑張ってやり抜いたことに驚く。
やり抜いたあとの、ヒスン、ソヌ、ソンフンの実に柔らかで清々しい表情。
ここに、ENHYPENの原始の姿を見る思いがする。

このときの彼らのケミは、本当に素晴らしかった。
ケミって、普段のわちゃわちゃで見えるのも、そりゃあ面白いんだけど、パフォーマンスで見えるケミは最高だから。

かつて、パリ・オペラ座バレエ団のルグリ&ルディエールで観たように。
まあ、これは男女のカップルとしてのケミだけど、Fake Loveの三人だってケミを起こしてた。

熱く、I don't know whyと歌うヒスンのあとで、冷ややかに、I just know whyと歌うソヌ。
この二人の際立つ対照が、時間差のケミを起こしていた。

ヒスンとソンフンの、腕を絡めながらつくりあげたポーズは、個人的には、I-LAND史上最高に美しいパ・ド・ドゥだと思ってる(ステップじゃないけどね)。

その後、Flickerでソヌは抜けたものの、ジェイクとジョンウォンが集った。
そして、Chamber5でENHYPENの基礎ができ、よりハードでシリアスなカッコ良さの強化、ダンスの技巧と幅の強化という観点でジェイとニキが加わって、どんな演目にでも対処できるようになったんだなあ。
(KB)


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