すずめの戸締まり

今更なんだけど、プライムビデオで新海誠監督の『すずめの戸締まり』を観た。

小学生のころから、今でいうTwitter(今はXか…)みたいな雑多なネット空間に身を投じていたので、新海作品との出逢いは早い方だったと思う。
当時は秒速5センチメートルが新海作品の真骨頂みたいな感じで、ああいったエモーショナルなアニメ、それにあれは子ども向けではないし、なんというかこう、当時は恋愛物語の小さな未知を見つけたような気持ちだった。

その後しばらく時間が経って『言の葉の庭』がリリースされ、サントラを買った。
映像美に感動した記憶がある。すずめの戸締まりもそうだけど、瞳に反射する光や涙の描写がいつものことながら見入ってしまう。

君の名は。は面白かったのだけど作風(というか方向性?)変わったな〜と思っていて、天気の子では個人的に撃チンしていたので、これまではリアルタイムで触れていた新海作品をはじめて「寝かせて」、ようやく観たのがこのあいだのこと。

(ネタバレを含みます。)

全体の構成は、この際どうでもいいと思う。

すずめの戸締りのメッセージは、あの地震の被災者たちへの祈りにも近いエールであることは明らかだし、心痛む悲惨な記憶も、一見美化され過ぎにみえる満ち満ちた希望も、両方とも誠実な描写で、作者の心のこもった等身大の激励が感じられた。

災害で大切な人を亡くしたという経験はないけれど、個人的な経験を重ねるなら、父の死という辛い過去はある。
振り返ってみればあれから十五年ほどの人生は、人並みの苦難もあればかけがえのない思い出も、大切な人との出会いも別れもあり、総じて光の道を歩んできたと思う。これからもそうだと信じたい。

元気が出る、といってしまうと簡潔すぎるかもしれないけど、あえて難しく考察したり言葉をこねくりまわして感想を述べるよりも、感じたことそのまま受け取ればいい、そんな映画だった。

追伸*
ダイジンはうちの子になったらいいよ


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