脳科学とトリセツ(#ジェンダー)


「妻のトリセツ」「夫のトリセツ」(いずれも黒川伊保子氏執筆の新書本)を読んだ。私の住んでるマンションには住人専用の図書室があり、雑誌と本が定期的に配架される。自分ではすすんで買わない・借りない本とコンタクトできるので気に入っている(普段読まない雑誌でも美容室で渡されるとなんか眺めてしまうアレだ)。

感想としては、対人関係スキルのハウツー本としては納得できる部分もある(ただし目新しいことは言ってない。女の話には余計なアドバイスを挟まずに黙ってうなずいてろとか、そういうネタ)。

…が、主張の論拠にやたら「脳科学では女脳は~、男脳は~」と挙げてくるのが鼻につく。しかも、脳科学うんちくで定番であり本書でも登場する「女の方が脳梁が太い」は、元ネタとなった論文のデータサンプルが少なすぎて昨今の研究者からは眉唾扱いらしい(詳しくはリンク先参照)。

そのほかだと「原始時代は男は狩りに出かけ、女は集落で子育てしながらその帰りを~」としたうえで「だから男脳は~女脳は~」としているが、ここでも根拠とする論文やデータは全く示されない。

小難しいこと書いても売れないという理由かもしれないが、脳科学者を自称するのであれば、根拠や出典をきちんと示すのが最低限のマナーではないか。血液型性格診断や床屋談義との違いを示すためにも。#ジェンダー

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?