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ferm LIVING Stories vol.6 この広い空の下で
今回ご紹介するのは、ジン・アンの物語です。
韓国のファッションシーンにその身を置いていたジン。
ロンドンに移住して始めたビジネスのことや、あり余るほどの植物への思いなど、彼女の語るストーリーはとても濃密なものでした。
〜 この広い空の下で 〜
数年前、ジン・アンはこの場所へ恋人と、そして数え切れないほどたくさんの植物たちとともに引っ越してきました。
そして今、そこは彼女の成長した植物の帝国である Conservatory Archivesの非公式のオフィスとなっています。
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天井が高くて、古い鉄細工の巨大な天窓があるこの大きな空間を、ジン・アンは自分でリノベーションしました。
ロンドン在住の彼女は、2つの店舗や多くの一流プロジェクトの傍ら、クライアントのために植物を使った空間デコレーションに時間を費やしています。
ジンのエキゾチックな植物やサボテンたちの広大な公園は、周囲の環境に合わせたり反したりしながら成長し、植物が空間をどこまで変化させることができるのか生き生きと示す、非常に珍しい室内の風景になっています。
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植物が混雑しているのは、窓辺だけではありません。
この家で植物は、家具、人間、そして子犬のハックニーよりもはるかにスペースを占領しているのです。
私たち frem Living は、ファッションから園芸へと人生の舵を切ったこと彼女の話や、お手製のジャングルに住むということが一体どんな感じなのか聞きたくて、この小さなファミリーのもとを訪れました。
〜 織り交ぜてゆく 〜
イングランドの自然の中を歩いているとき、ジンは刺激を感じていました。
韓国のファッションシーンからの一年休暇として始まったことが、園芸の勉強とロンドンへの永住という新しい人生のコースに変わったことは、実際、とても刺激的だったのです。
ここロンドンで彼女は自身の会社をスタートさせ、新たな「植物」という夢に生きています。
今日の Conservatory Archives は、イーストロンドンに2店舗を構えるボタニカルショップであり、ジンが店舗やオフィスの空間をより良くし、より多くの緑を育てるためのコンサルティングサービスを提供する会社でもあります。
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彼女はこの古い工場の中に、自分の家を見つけます。
その当時はアトリエとして使われていたため、電気・水道・暖房などの設備は整ってはいませんでした。
しかし、この場所に可能性を感じたジンはこのスペースを、自宅とアトリエを兼ねた小さなビジネス用のスペースに変えたのです。
彼女のジャングルは、小さなアパートの、あまり良いとは言えない日照条件のもとで生きることを強いられた植物たちにとっては、まさにパラダイスであり、彼女のプライベートでの生き方や仕事での生き方を緊密に織り交ぜながら刻々と変化していく、植物の風景でもあるのです。
そして時折、個人で集めた植物たちを大きなイベントや2店舗のうちの1つに移しては、スタイリングにも使っています。
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ジンは仕事と遊びを混ぜることを恐れずに、恋人のジャコモとともに会社を設立しました。
第1号店がオープンしたとき、彼は数学の博士号を取得しながら、たまに彼女の手伝いをしていただけでした。しかし、そうこうしているうちに彼女はジャコモに、正社員になるよう説得したのでした。
"何もかもが濃密なんです "
そんな人生を送るということが一体どういうものなのか、
という私たちの質問に彼女はこう答えました。
「だんだんと忙しくなってきて、カレンダーが予定でびっしりと埋まってしまうときは、時々もの凄いストレスにもなります。仕事からプライベートを切り離すことを考えたりもしますが、ただ単にそれができないだけなんですよ。これが私のやり方であり、生き方だから」
〜 彼女のものがたり 〜
大学を卒業したら庭師になるつもりだったジンですが、都会っ子の彼女にとって雨の多いイギリスの気候や風景は、さほど魅力的ではありませんでした。
だからこそ、室内の観葉植物にフォーカスするというアイデアが生まれたのです。
ようやくお店に完璧な場所を見つけたとき、植物がどのような注目を浴びようとしているのか。この時の彼女は、まだ何も知りませんでした。
当初はファッションとグラフィックデザインという、彼女のこれまでのバックグラウンドをベースに、大きな家具と植物への愛情を組み合わせるというのが、お店のアイデアでした。
しかし、開店して間もなく植物の人気に火がつき、最終的には植物が中心となっていったのです。
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「始まったばかりの頃、お店はすごく空っぽで、私たちは植物よりもたくさんの家具を置いていました。当時は植物がそれほど人気になるとは思いもしませんでした。人々は私の店でちょっとだけクレイジーになったのでしょう」
倉庫にあった、あらゆる形やサイズの植物が最初の週で売り切れてしまった。そんな話をしながら、彼女は笑います。
そして2018年に、彼女たちは2号店を開くことになりました。
(最初の店よりもはるかに大きく、家具とデザインアイテムを置くスペースがあるのです!)
「ビジネスとデザインというバックグラウンドは、私をとても助けてくれたと思います。前までは気づいていなかったと思いますが、今は、これまでの経験がなくてもたくさんのことができるようになりました。私が何かクレイジーなことを提案したときも、自分でも驚くほど信頼されていると思うことがあります」
そして、彼女はその増え続ける聴衆を、今も納得させているのです。
2015年以降、ジンと Conservatory Archives のおかげで植物たちが Instagram で爆発的に注目され、現在までに10万人近くのフォロワーを抱えるまでになりました。
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〜 The Wild and the Natural 〜
Instagram のアイコン的な四角い枠に収まると、すべてが適切な場所にあるように見えます。しかし、ジンは「完璧」のファンではありません。
「私の家は、まるでお店みたいに少しごちゃっとしているんです。
物事がすごく自然であることが好きなので。ここにあるすべての植物にも同じことが言えます。スタンダードフォーム、というものが植物にはないのですから。植物たちは周囲の環境に合わせて成長し続けているのです。
彼らは完璧ではありませんが私はそれら押し付けるのではなく、彼ら自身の持っているもので植物を使いたいのです」
彼女は少し前から、植物が一体いくつあるのか数が把握できなくなっていました。しかも、その中からお気に入りの一つを挙げることさえできません。
しかし、彼女は植物のナチュラルさと自分の好みに忠実であることで、生い茂る緑の間に自分の居場所を見つけたのです。
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「私の美学は、とてもインダストリアルで、とても開放的で、たくさんの光を取り入れたいと思っています。そのような環境で植物を飾るときは、緑の植物の方が効果的。花の咲いた、色とりどりの植物は好きですが、それは私のスタイルではないのです」
"もし、お気に入りに名前を付けなければいけないのなら……"
ジンはそう言うと、こう言葉を続けました。
「私は本当にサボテンが好きだって言いますね。でも、私は種(しゅ)そのものよりも、植物の形に惹かれます。彼らは形が一つ一つ違っているでしょ。ユニークな形に育つ植物が好きなのです。私たちが植物について話すとき、テクスチャと形状は重要な要素です。なぜなら、同じPileaから始めたとしても、時間が経てば全く違った表情になりますからね」
では、植物がトレンドアイテムではなくなると一体どうなるのか、
私たちは質問してみました。
「植物は有限の科学ではありません 」
そう言って、ジンは続けます。
「私は今でも、この道を進みながら学んでいます。本当に旅をしているようだけど、こうなる運命だったのだと思います。でも私は、植物が単なる流行の一つではなく、私たちのライフスタイルになると信じています」
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いかがでしたでしょうか?
翻訳していて頭がクラクラするほど濃密な内容のインタビューでした……。
その内容もさることながら、美しい写真のそこかしこに写っている
ferm LIVING のアイテムたちと壮大なスケールのスタイリングも必見でしたね!
それでは、次回もお楽しみに〜♪
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