竹内結子へ捧ぐ映画「おいハンサム!!」

映画のクライマックスで源太郎は
「ふつうに生きなさい」
「生き続けなさい」
と伝える。
BGMはサラ・ヴォーンの「ラヴァーズコンチェルト」―そう、山口雅俊監督プロデュース・竹内結子主演「不機嫌なジーン」のメインテーマだ。
「竹内結子に捧げる」という言葉が腑に落ちた。

断っておくけど、これは表面的な話ではない。
このドラマって支離滅裂に話がとんでいくように見えて、
源太郎がクライマックスに宣うハンサムに集約されている。
つまり、この映画は「ふつうに生きなさい」「生き続けなさい」を根拠づけるエピソードが、説教臭くない日常のコメディとして描かれた稀有な映画なんだ。

メインは里香の「恋愛疎開」
(パンフレットに載ってたこの言葉、言い得て妙!)
原への思いを断ち切るために、疎開した京都の和菓子屋で幼馴染のたかお(ぶう)と再会する。たかおは里香に、不倫がよくないことを伝えようと水溶き片栗粉を入れるタイミングが違う2種類の春雨の炒め物をつくる。
出会う順番が違うとおいしさが違うと説明するためだ。
それなのに…試食した里香は「両方おいしい」…
こういうところだよね、ハンサムが面白いのって。
それに続けて、作ったたかおも「ほんとだ」って納得する。
ドラマ版でもあったけれど、
「不倫はいけない」なんてことを言わないのがハンサム。
もちろん不倫礼賛ではない。
「不倫するなら、余計な手札を取らない」とか
「自分が選択した責任は自分で負う」っていうハンサムの教えが私は好き。

里香とぶうの大切な思い出である
「アスファルトの白線から落ちたら海に落ちてサメに食べられる」遊び。
大人になった里香とたかおが同じように遊ぶシーンがある。
たかおが何気なく言った
「今でも自分で決めたルールに振り回されているんじゃないか?」
これを聞いてハッとした。
私達は、毎日どれほど多くの自分ルールにしばられているのか。
それも無意識に。
私の場合だったら「自分は我慢すべし」って無意識ルールかも。
ドラマ版で千鶴母さんが月1回お寿司の出前を頼むのを見て
目から鱗だったもん。

長くなりそうなので…
②に続く。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?