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鴨川源流の集落、雲ケ畑で番茶づくりを体験。暮らしの知恵を楽しく学ぶ

 古材文化の会のメンバー4名で京都市北区雲ケ畑の久保清美さんを訪ね、番茶づくりの体験会を行いました。雲ケ畑は、京都市の東の端を流れる鴨川の源流にある山間の集落です。昔は、5月の下旬になると雲ケ畑の家々では、お茶づくりが行われていました。庭先にむしろが干され、お茶が干されというのが雲ヶ畑の初夏の風景だったそうです。

お茶摘み2013

 清美さんが雲ケ畑お嫁に来た頃は、久保家のお茶づくりは6月でしたが、「6月のお茶はよくない」と人に聞いてからは、5月下旬の晴れた日を選んで、1週間ほどかけて自家用の1年分の番茶を作っておられます。

 お茶の木は、家の周囲のあちらこちらにあります。いつもは、刈り取った葉がそのまま袋に入る特別なハサミを使って、古い葉も一緒に新芽をおおまかに刈り取ります。刈り取った葉から古い葉、枯れ葉などを取り除き、新しい葉をまとめます。

お茶掃除

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 今回の体験会では、新しい葉を茎ごと(一芯三葉)摘み取りました。集まった葉を蒸し器(蒸籠)につめて蒸します。20~30分ぐらいして、葉の色が変われば蒸し上がりです。蒸し上がったお茶の葉をむしろの上にあけて、熱いうちに揉むようにしてまとめます。

押し切り

 押し切りでまとめた茶葉を2~3センチに切り、あとは、むしろに広げて天日で干します。お嫁に来た頃は、おじいちゃん、おばあちゃんと、ここ数年は、集落内のお友達や山仕事のボランティアグループの学生さんらが手伝ったり、市内に住む娘さんご夫婦もお仕事がお休みの日に手伝いに来られています。だいたい1日にむしろ10枚分を作られるそうですが、今回の体験会では、むしろ3枚分ができました。自然いっぱいの中で、自分達が楽しんだお茶づくり体験会でしたが、少しだけでもお役に立てたらという思いもあります。楽しみながら体験を共有し、お手伝いにもなれればなお良しということで、また来年も雲ケ畑で集まれるよう企画を考えます。

ほっこり

 雲ケ畑は、地下鉄北大路駅からもくもくバスで30分で着きます。まちなかとは温度も2~3℃は低いので、初夏はとくに気持ち良く過ごせます。バスは2往復しかないですが、自転車で通う人がいるくらいの距離です。

文:企画部会 吉岡真弓