準備とハードル

こちらの準備が整っていようと整っていまいと、バサー委員の作業日程は決定している。最初の作業日までに自分が準備しておかなければならない事をリストアップし、残り日数を逆算しつつ納得いく形にしなければ。クラスの委員としてと共に委員長としての取り纏めも。もうファイルの情報を追いかけながら掴みきれていない部分は同時進行で。

園の保護者全体へ、材料提供協力のお願いのおたよりを発行する。書記が居るので、委員長は昨年までのデータを利用し日付や内容の手直しの指示を出し発行依頼を園にする。…するのだが、書記の持つファイルとUSBが1つしか無い。委員長には書記の持つデータは来ていない。聞けば前年まで書記は無く、委員長が兼任して作成していたとのこと。
前年度のバザー関連のおたよりは全て個人でとってあった為、委員長ファイルと照らし合わせて発行すべきおたよりをチェック、それに基づいて書記にそのデータがあるか確認、手直しと発行依頼という形で結局最後まで進めてしまったが、今思えばUSBだけでも一旦借りてコピーすれば少し確認作業が減っていたはず。

こんな風にちょいちょい、自分はアホなのか?と思う事をやる。PCに詳しいわけでは無いが、データをコピー出来ることくらいは知っているはずなのに。

こんなことにも気が付かないくらいいっぱいいっぱいだったなと今は笑えるが、書記を引き受けてくれたのはしっかりして優秀な方だったしバザーに対して真面目に取り組む気持ちの温度を私と同じくらい持っていてくれたのでとてもやりやすかった。なんだかんだのやりとりが関係も育ててくれたので結果オーライ。一見無駄に見えることだって経験値。

そんな流れで布や紙などの製作物の材料集め、集まったものでどうしても足りないものだけ少ない予算でDAISOなどに探しに行ったりという日々が始まった。不思議なことに材料材料と思いながらお店に行くと、普通の商品ですら材料になるものに見えてくる。
放り込まれたバザー委員であるが、着々とバザー脳になっていた。

自分のクラスで使う予定のペットボトルキャップは、募集の時点できちんと洗って下さいとお願いをしていたが、やはり人によって洗い具合に差が出るのでこのまま使えないなと自宅でザルに入れて再度しっかり洗浄。
工作の日は公民館を借りてクラスの保護者を集めて作業するが、借りられる時間が短時間しか無いためせっかくなら完成の喜びをみんなで味わいたいと材料をそれなりにキット状態にして準備。
手芸の製作物はまず自分が知らなければ人にも教えられないし頼めないと毎日練習。試作。案を詰めていく。

作ることは好きだが敢えて言うなら下手の横好きレベルだ。どれもこれも個人的にはほどほどのレベルだ。でも全てを見渡して全部に手を出していく過程で、自分の中で楽しいという気持ちが育っていった。下手なりに作品にも道具にも愛着が湧いてくるものだ。

洗ったペットボトルキャップを自宅の台所で丁寧に広げて干しながら、その時に映画のスウィングガールズの子たちがジャズの楽しさに目覚めていく流れと自分が何故かふと被り、おばちゃんが高校生に被せていくなんて図々しいな!と思いながらも、矢口史靖さんバザー映画も撮ってくれないかななんてついでに図々しく思うくらい、全ての体当たりと努力を楽しみ始めていた。

まだまだ各クラスバザー委員との関係も名前も覚えきれず手探りの時期ではあった。材料も集まりその全てを並べ全員で話し合い分け合い、布類の裁断までやるという第1回目の作業日は、コミュ障委員長には取りまとめられるかだけでなく時間内に円滑に進めなければというプレッシャーが凄かった。

なんとか揉めることもなく材料配分をし布の裁断。この場にいるのは全員が小さい子どものお母さんなわけで、どうしても発熱でお休みとなる人が居る事もあるわけで。
自分だっていつ当てはまるかわからないわけで。
そもそもバザー委員はボランティア。家庭は優先だしその事で遠慮や申し訳ない気持ちにさせてはいけないと、休みの連絡を貰ったらつとめて明るく優しく思いやりのある言葉でお大事にを伝え、空いた穴は自分が筆頭になって全力でカバーした。出来る限り全員が楽しむことを目指したかったので、これは徹底した。その為に自分が損する役割でもいい、そこには価値があると信じた。

初日からその必要が発生したため、自分のクラス分はある程度で済ませ相棒の許可をもらい手が足りないクラスのフォローへ。
この人も真面目に取り組むきちんとした人だなぁと初期から感じていたが、やはり裁断も寸法きっちり美しくやっており、ま、だいたいこんな感じでいけるでしょ!な私の雑さが激しく露見した。役に立ったのか怪しくてモヤっともした。

真面目さはあるつもりだが、アホな上に雑。
最後まで頑張る気持ちに偽りは無かったが、委員長がこんなので大丈夫かしらという気持ちのまま、まあ取り纏める人が常にキリキリしてるよりはいいっかあ!との両立でこのまま保護者作業日まで突っ走るのである。


#バザー

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