第54回細胞検査士資格認定試験④

【総論1】16~20問

答えは太字です。

16.細胞内小器官と機能の組合せで正しいものはどれですか.


1.ゴルジ体 ――――――――――――― エネルギー産生 
2.滑面小胞体 ―――――――――――― 脂質代謝
3.リソソーム ―――――――――――― 蛋白合成 
4.リボソーム ―――――――――――― 異物の分解 
5.ミトコンドリア ―――――――――― 分泌物合成

細胞内小器官のざっくりまとめ

・リボソーム→蛋白質合成
・小胞体
①滑面小胞体→グリコーゲン,ステロイドホルモン合成,脂質代謝,イオン調節
②粗面小胞体→蛋白質合成
・ミトコンドリア→エネルギー産生
・ゴルジ体→分泌物の産生,濃縮,蓄積,一次ライソゾーム・メラノソーム形成
・ライソゾーム→異物の分解

17.アミロイドについて正しいものはどれですか. 

1.色素変性 
2.糖質変性 
3.脂肪変性 
4.蛋白質変性
5.無機質変性

アミロイド…蛋白質
コンゴ赤で橙赤色に、偏光顕微鏡では緑色の複屈折をする

18.感染症法における分類で二類感染症に属するものとして正しいものはどれですか. 

1.結核症
2.アメーバ赤痢 
3.クラミジア症 
4.単純ヘルペスウイルス(HSV)感染症 
5.ヒトパピローマウイルス(HPV)感染症

今話題のって感じですが
覚えきれないと思ったので最低限

本当はもっとたくさん分類されている

一類が今にも死にそうな疾患(失礼)
二類が呼吸器系(結核とSARSのインパクトが強いだけ)
三類が消化器系
四類は媒介動物がいるもの
五類はSTIがメインかも

こんな大枠でしか覚えられない。

19.病態と疾病の組合せで誤っているものはどれですか.


1.Sézary 症候群 ――――――――――― T 細胞性リンパ腫 
2.Sipple 症候群 ――――――――――― 顆粒細胞腫
3.Stewart-Treves 症候群 ――――――― 血管肉腫 
4.von Hippel-Lindau 症候群 ―――――- 血管芽腫 
5.von Recklinghausen 病 ――――――― 神経線維腫

Sézary 症候群
紅斑・皮疹などの皮膚症状がメインのT/NK細胞性リンパ腫
脳回状の核をもつSézary細胞が抹消血中に見られる

Sipple 症候群
多発性内分泌腫瘍Ⅱ型(MEN2)
甲状腺髄様癌・副腎褐色細胞腫・副甲状腺機能亢進症を中心に多発性に腫瘍を生じる
癌遺伝子RETの変異

Stewart-Treves 症候群
脈管肉腫
乳がんや婦人科がんの術後のリンパ浮腫に続発して発生するリスクがあるとか
必ずしも血管肉腫とは限らないようですが血管肉腫で見られる
予後が悪い

von Hippel-Lindau 症候群
常染色体優性遺伝
染色体3番短腕25,26のVHL癌抑制
腎細胞癌,副腎褐色細胞腫,血管芽管腫,網脈血管腫,膵NETなど

von Recklinghausen 病
聞いたことがなかった
神経線維腫を特徴とし骨、眼、神経などに多彩な症候を呈する母斑症
常染色体優性
NF1遺伝子
カフェ・オ・レ斑

20.ホルモンと産生細胞の組合せで誤っているものはどれですか.


1.プロラクチン ――――――――――― 下垂体前葉細胞 
2.エストロゲン ――――――――――― 顆粒膜細胞 
3.サイロキシン ――――――――――― 甲状腺濾胞上皮細胞 
4.パラソルモン ――――――――――― 副甲状腺主細胞 
5.アルドステロン ―――――――――― 副腎髄質細胞

下垂体後葉から産生されるホルモンは2つ
バソプレシンとオキシトシン

下垂体前葉から産生されるホルモンは6つ
GH,FSH,LH,TSH,PRL,ACTH
余談ですがGH,PRL,ACTHは1日の時間で数値が変動することが有名
ACTHは朝に高値で「朝起きてストレスや嫌な気持ちを振り切るように頑張れ~頑張れ~しているんですね」と言っていた大学時代の教授、可愛かった

顆粒膜細胞
成熟した卵胞のイラストを示す(下手くそ)


顆粒膜細胞は男性ホルモンのテストステロンをエストロゲンへと変換し産生しています。
その周りの莢膜細胞では男性ホルモンのテストステロンを産生しています。これらを作るのに欠かせないものがLHとFSHです。
LHが莢膜細胞を刺激→テストステロンを産生を促進
FSHが顆粒膜細胞を刺激→エストロゲンの産生と卵胞の成熟を促進

甲状腺濾胞上皮細胞
サイロキシンを分泌しています
甲状腺にあるC細胞はカルシトニンを分泌

副甲状腺主細胞
パラソルモンを分泌
パラソルモンは血中カルシウム濃度を上昇させます
①骨吸収の促進→CaをCa²+として血中に遊離
②腎の尿細管でCa²+を再吸収
③腎で活性型ビタミンDにし、活性型ビタミンDが小腸でのCa²+を吸収

副腎髄質
アドレナリンとノルアドレナリンを分泌

副腎皮質
コルチゾール(糖質コルチコイド)とアルドステロン(電解質コルチコイド)を分泌
コルチゾールはグリコーゲン貯留作用がある。ACTHの刺激で産生。
アルドステロンは腎の遠位尿細管におけるNa⁺の再吸収促進

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