第54回細胞検査士資格認定試験⑩
【体腔液・尿・その他3】6〜10問
6.中皮腫の細胞像について誤っているものはどれですか.
A.多数の中皮由来の細胞
B.好中球を主体とした炎症性背景
C.Giemsa 染色で好酸性を呈する細胞質
D.hump 様細胞質突起を有する相互封入
E.二核以上の多核細胞
悪性中皮腫
中皮への分化を示す上皮様あるいは紡錘形/間葉系腫瘍細胞が中皮腔にびまん性に広がるタイプと肉眼的に明瞭に限局化された結節病変の稀なタイプがある。
上皮型:50〜60%→体腔液中に多く出現
肉腫型:20%→予後不良、体腔液中に出現しにくい
二相型:20〜25%→予後不良、体腔液中に出現しにくい
発生部位は壁側胸膜からが圧倒的に多く、次いで腹膜。心囊膜や精巣鞘膜にも発生する。
Giemsa染色では好塩基性を示す。
7.リンパ節良性病変と細胞診所見の組合せについて誤っているのはどれですか.
A.サルコイドーシス ――――――――― 球状硝子体
B.猫ひっかき病 ――――――――――― 星状小体
C.皮膚病性リンパ節症 ―――――――― メラニン顆粒貪食組織球
D.結核性リンパ節炎 ――――――――― 乾酪壊死
E.組織球性壊死性リンパ節炎 ――――― 免疫芽球様大型リンパ球
8.悪性リンパ腫について誤っているものはどれですか.
A.濾胞性リンパ腫は CD10 陽性を示す.
B.未分化大細胞型リンパ腫は CD30 陽性を示す.
C.本邦のバーキットリンパ腫は高頻度に Epstein-Barr ウイルス(EBV)陽性である.
D.原発性体腔液リンパ腫はヒトヘルペスウイルス 6(HHV6)感染を認める.
E.膿胸関連リンパ腫は Epstein-Barr ウイルス(EBV)感染を認める.
日本で発生するバーキットリンパ腫はほとんどEBVは関与していないとされる。
原発性体腔液リンパ腫はHHV8が関与する非常に稀な悪性リンパ腫
9.骨腫瘍について誤っているものはどれですか.
A.Ewing 肉腫細胞は Alcian blue 染色陽性である.
B.軟骨肉腫の悪性度は細胞異型や細胞密度などで判定する.
C.脊索腫の背景は粘液様である.
D.骨肉腫の判定では類骨の存在を確認する必要がある.
E.骨巨細胞腫では腫瘍性破骨細胞が出現する.
骨巨細胞腫では破骨細胞でなく、破骨細胞に類似した多核巨細胞が見られる。
脊索腫
仙骨斜台部に好発
PAS(+)の粘液性物質
星状細胞や担空胞細胞を認める
Ewing 肉腫
10代、男児に多い
多形性に乏しい小円形細胞
EWSR-FLI1遺伝子
PAS(+)グリコーゲンが細胞質に存在
10.脳腫瘍について誤っているものはどれですか.
A.髄芽腫は Homer Wright ロゼットを示す.
B.下垂体腺腫は単調な細胞像を示す.
C.膠芽腫は微小血管増殖や壊死を伴う.
D.星細胞腫は渦巻状配列を示す.
E.頭蓋咽頭腫は two cell パターンを示す.
渦巻状配列を示すのは髄膜腫
two cellパターンを示すのは胚腫
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