第54回細胞検査士資格認定試験11

【体空液・尿・その他3】11〜20問

重複する範囲が多いのでサクッと行きます
答えは太字

11.胸膜中皮腫について正しいものはどれですか. 

1.発症の潜伏期間は石綿曝露後平均 20 年である. 
2.肉腫型中皮腫細胞が胸水中に出現することはまれである. 
3.両側性の胸水貯留を認めることが多い. 
4.胸水中に膠原線維状球状物が出現すれば診断可能である. 
5.臓側胸膜より発生する場合が多い.

臓側胸膜ではなく壁側胸膜から発生することが圧倒的に多い
潜伏期間は数十年らしいのでもっと長いはず

12.体腔液中に出現する悪性細胞について正しいものはどれですか. 

1.PAX8 は甲状腺濾胞癌に対する感度が高い.
2.PAS 反応陽性の悪性細胞は腺癌と判定する. 
3.胃低分化腺癌細胞は核中心性である. 
4.細胞質内に硝子様小体を認めれば腺癌と判定できる. 
5.EMA 陽性であれば肺腺癌と考えてよい.

EMAは上皮に染まり、上皮性腫瘍に染まるマーカーであって肺腺癌のマーカーではない。

13.乳腺悪性腫瘍について正しいものはどれですか. 

1.浸潤性乳管癌の硬性型は腺管形成型より高分化である. 
2.化生癌では角化や紡錘形細胞がみられる.
3.分泌癌の PAS 反応陽性分泌物はジアスターゼ消化性である. 
4.浸潤性微小乳頭癌の細胞集塊で,核は集塊の辺縁部に位置する. 
5.背景に多量の壊死物質を認める場合は浸潤性小葉癌である.

14.古典的ホジキンリンパ腫について正しいものはどれですか. 

1.有痛性のリンパ節腫脹をきたす. 
2.結節性リンパ球優位型に比べて予後良好である. 
3.本邦の全悪性リンパ腫の約 50%を占める. 
4.骨髄浸潤しやすい.
5.CD30 陽性大型異型細胞が出現する.

15.脳腫瘍について正しいものはどれですか. 

1.転移性脳腫瘍の原発巣は胃癌が多い.
2.脳原発悪性リンパ腫は予後良好である. 
3.頭蓋内シュワン細胞腫は聴神経に多い. 
4.髄膜腫は男性に多い. 
5.胚細胞腫瘍は 50 代に多い.

転移性脳腫瘍の原発は肺が多い
髄膜腫は中高年の女性に多い
胚細胞腫は小児に多い

16.泌尿器細胞診について誤っているものはどれですか. 

1.高異型度尿路上皮癌の推定は容易である.
2.低異型度尿路上皮癌細胞は自然尿中に出現しにくい. 
3.尿管カテーテル操作後に尿路上皮細胞の大型集塊を認める. 
4.尿路上皮内癌は高度な核異型を示す. 
5.尿膜管癌では大型空胞を伴う円形の異型細胞が出現する.

17.体腔液細胞診で誤っているものはどれですか. 

1.ラズベリー小体は卵巣漿液性癌に多くみられる. 
2.印環型細胞は胃癌に多くみられる. 
3.高円柱状細胞は大腸腺癌に多くみられる. 
4.腺癌では空胞状細胞質がみられる. 
5.中皮腫ではオレンジ G 好性細胞が出現する.


18.甲状腺悪性腫瘍について誤っているものはどれですか. 

1.髄様癌ではアミロイドを認める. 
2.乳頭癌の頻度が最も高い.
3.リンパ腫の多くは B 細胞性である. 
4.低分化癌細胞の核は乳頭癌と同様の所見を示す. 
5.未分化癌の細胞出現パターンは多彩である.

19.軟部腫瘍について誤っているものはどれですか. 

1.高分化型脂肪肉腫は MDM2 や CDK4 の過剰発現を認める. 
2.胞巣型横紋筋肉腫は小型円形細胞が出現する. 
3.横紋筋肉腫はジアスターゼ抵抗性 PAS 反応陽性である. 
4.平滑筋肉腫細胞は葉巻様核が特徴的である. 
5.脱分化型脂肪肉腫は高分化型脂肪肉腫に由来する.

ジアスターゼ抵抗性 PAS 反応陽性なのは胞巣状軟部肉腫

20.皮膚悪性腫瘍について誤っているものはどれですか. 

1.日光角化症は有棘細胞癌の前癌病変である. 
2.悪性黒色腫は本邦において最も頻度が高い. 
3.メルケル細胞癌は CK20 陽性である. 
4.ボーエン病は浸潤を欠く有棘細胞癌である. 
5.基底細胞癌は顔面に好発する.

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