第54回細胞検査士資格認定試験12

【呼吸器4】1〜10問

答えは太字

段々と解説がおざなりになっている感がある…汗

1.日本人の肺腺癌について正しいものはどれですか.

A.約50%に EGFR 遺伝子変異を認める. 
B.微小乳頭状パターンは予後不良因子である.

C.全体の約50%にドライバー遺伝子異常が認められる.
D.約 25%に ALK 遺伝子の転座を認める. 
E.篩状構造を示す腺癌に BRAF 遺伝子変異が高頻度に認められる.

肺癌遺伝子について
日本人の肺腺癌のドライバー遺伝子は約80%
EGFR 50% 置換型、乳頭状型
K-RAS 15% 浸潤性粘液性
ALK 5% 充実型、篩状、印環細胞型、融合腺管状
ROS1 1〜2% 充実型、篩状、印環細胞型、融合腺管状
RET 2%
BRAF 1% 

2.肺癌について関係がある組み合わせとして正しいものはどれですか. 

A.PD-L1陽性 ―――――――――――― 肉腫様成分 
B.ALK融合遺伝子 ―――――――――― 印環細胞癌 
C.KRAS遺伝子変異 ―――――――――浸潤性粘液性腺癌 

D.EGFR遺伝子変異 ―――――――――腺房型 
E.ROS1融合遺伝子 ―――――――――微小乳頭状集塊

3.反応性再生性変化を起こした気管支上皮細胞でみられる所見のうち正しいものはどれですか. 

A.明瞭な核小体
B.核の大小不同

C.核形不整
D.クロマチン増量
E.核縁の肥厚

反応性再生性気管支上皮
・平面的な配列
・核大型でN/C比高い
・核膜は平滑
・クロマチン顆粒状
・単数〜複数の核小体

4.高度異型扁平上皮細胞について正しいものはどれですか. 

A.集団検診における喀痰細胞診にて, D判定から発見されることが多い. 
B.ほとんどは重喫煙者である.

C.小集塊を形成して出現する. 
D.核クロマチンの不均等分布はみられない. 
E.細胞相互封入像をしばしば認める.

5.扁平上皮癌の喀痰細胞所見について正しいものはどれですか.


A.核小体が目立つ
B.細胞辺縁は明瞭
C.細胞間結合が緩い

D.クロマチンは細顆粒状
E.粘液に沿って配列する

6.微小乳頭型腺癌で正しいものはどれですか.

A.細胞質内粘液 
B.桑実状細胞集塊 
C.小型単調な細胞から構成 

D.構成細胞は 20~30 個程度 
E.緩い細胞間結合

高悪性で予後不良
花冠状やリング状の管状構造
血管間質を欠く

7.誤っているものはどれですか. 

A.気管支上皮下層に弾性線維束が存在する. 
B.ヒトの全気道には刷子細胞が分布している. 
C.Club(旧 Clara)細胞は葉気管支の主たる構成細胞である. 
D.杯細胞は細気管支に多数分布する. 

E.気管の粘膜固有層には混合腺が含まれている.

8.杯細胞が多い部位として誤っているものはどれですか. 

A.鼻前庭
B.前頭洞
C.鼻腔
D.上顎洞
E.呼吸細気管支

9.次の組み合わせで誤っているものはどれですか.

A.莢膜 ――――――――――――――― クリプトコッカス症 
B.硫黄顆粒 ――――――――――――― ノカルジア症 
C.アルタネリア ――――――――――― 放線菌症 

D.シュウ酸カルシウム ―――――――― 肺アスペルギルス症 
E.ラングハンス型巨細胞 ――――――― 肺結核

硫黄顆粒はアクチノマイセス症
アルタネリアは黒色真菌なので真菌症

10.ニューモシスチス肺炎について誤っているものはどれですか. 

A.細胞診検体としては喀痰が最も望ましい. 
B.肺胞洗浄液では検出されにくく, 誘発喀痰で検出度は増強する. 
C.Papanicolaou 染色では菌体が泡沫状の球状集塊として認められる. 
D.Grocott 染色で菌体は黒褐色に染色される.
E.Diff-Quik 染色で栄養型は赤紫色に染色される. 


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