![こゆびびび](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/169595/rectangle_large_322fa1aa72144b944c06c33144bb05a8.jpg?width=1200)
よる
よるだった。ぼくらの まわりには にじいろの光が 満ちていて、じぶんの体も、あのこの目も、くっきり 見えた。とても 明るかったんだけど、なんでか『よる』だって わかった。
ぼくらは 水のうえに 浮いていた。きらきらゆれる水から、ほんの少しだけ うえのところに。ならんで、すわって、手をつないでた。ふたりきり。ことばは なにも 出てこなかった。そんなの いらないと思った。
にじいろが 逃げてく。どうやら 朝がきたみたいだ。光がどんどん 黒にぬりつぶされる。『またあした』はじめてきく あのこの声。ふりかえったら、となりにはもう、だれもいなかった。とりのこされた 右の手。ぼくは 水にしずんだ。
かれこれ2年くらい前に書いた文章です。
この世界観がけっこう気に入って、いろいろと関連・派生作品を考えたり、実際に作ったりしています。
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