今だから知ってほしい、好き嫌いが分かれ過ぎるアイドル桐生つかさについて

 桐生つかさにボイスがつきます。

 はじめに申し上げておくと私は本当に桐生つかさPの中では末端も末端、推し始めて3年足らず、そもそもアイドルマスターシンデレラガールズを知ったのもアニメからという間違っても古参の人間ではない上、今回のボイスアイドルオーディションにしても、「桐生つかさPの戦略勝ち」という話にはぶんぶん頷きますがでは私は参加していたのかと言われればそういうわけでもないし(たくさん課金したというわけでも、めちゃくちゃダイマしたというわけでもないし……)要は偉そうに「今回ボイスが確定した桐生つかさ担当です、ドヤ」って感じでいられるような有力Pでは無いのだけれども、しかし桐生つかさはボイスがついたらゴールというアイドルではない! という思いは強く持っていて、「刺さる人には激刺さるアイドル桐生つかさ」の「刺さる人」の範囲はもっと広げていける、いや広げていかなければならないという気持ちで今こうして筆を取った(比喩)次第であります。
 というのも、「桐生つかさって苦手」「桐生つかさ、えらそうで嫌い」「発言がイキリだから声ついたら余計苦手になりそう」などの意見がちらほら見られるのを、桐生つかさPとして、私はこう思いながら眺めているんですね。

 分かる。
 超・分かるよ、その気持ち……。

 分かります。桐生つかさ、ファーストインプレッションが絶望的にオタクと相性最悪。かくいう私も最初、桐生つかさは苦手なアイドル筆頭でした。初手から「お前」呼びだからね。口調もイキりまくってるからね。いや分かるよ……。
 分かるからこそ解いておきたい、「桐生つかさは生意気JK」という誤解。

①桐生つかさのビックマウスは己へと向けたもの

 まずはここから。
 何かと大口を叩く印象がある桐生つかさ。彼女は良さが分かるまでに時間のかかるアイドルだなぁというのは担当していても思うのですが(出てすぐのことろは批判殺到だったと聞いています)、この代名詞とも言えるビッグマウスのせいで「苦手」という印象しか残らず、敬遠されてしまうため、なかなかその肝心の「時間」をかけてもらえない。しかしこれ、決して驕っているわけでも自信過剰なわけでもなく、基本的には己に向けたものなんです。分かりやすいセリフがこちら。

「虚勢張って悪い? お前が分かってくれるんなら、十分だろ」

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 そう、彼女には自分が「大口叩いている」という自覚があります。かつ、それが「虚勢である」ということも分かっているんですね。自信満々な態度は「そうだよな?」と自分に言い聞かせているものなんです。
 ではなんでそんなビッグマウスをわざわざ言うのかといえば、これは彼女のキャラクター性の根幹である「社長」というところが効いているんです。つまり、「プロ意識が高い」。

「ショーのランウェイを歩くなら、本気になるしかないだろ。アタシは商品だし、衣装の魅力を引き出すのが仕事なわけ。だからこそ、今のアタシは世界で一番輝いてるって信じて歩くんだよ。それが嘘でもな」

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 もっとも、「顔がいい」同様、つかさ以外のアイドルだってプロ意識が高いのは承知ですが、その中でも桐生つかさの特徴としてこれが大きいのは、「嘘」と自覚しながらステージに立ってしまえるところがあるからです。悩んで、克服して、ステージに立つ、多くのアイドルコミュはこの流れが王道であり、やはり「克服したあとのステージ」こそ醍醐味であることは間違いないのですが、桐生つかさは最初からフルスロットルです。「余裕」「いける」「当たり前」。基本的に、あまり悩みません。でもこれが彼女なりの「克服」の仕方なんです。
 個人的な意見なんですが、桐生つかさの仕事への徹底した姿勢と、本来の彼女が持つ勇気の許容量はたぶん、釣り合ってないんですよね。「フロコンボ目前でワンミスする派」というのはデレステ内で結構知られた話かなと思うんですが、割と緊張しいで、それに引きずられてしまうところがある。が、しかしつかさの意識の高さはそれを許さない。というわけで、「自分は最強のギャルJK社長アイドルだ」と言い聞かせている、というのが、彼女のビッグマウスの真相ではないかと担当は考えるわけです。

「アタシは、最高の被写体……最高。……うぉっ!? 声かけろよお前!」

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 これなんかめちゃくちゃ分かりやすいですよね。リアルに言い聞かせてます。
 ただ桐生つかさが面白い女なのは、こういう内面と「でもメンタルは強い」が両立しているところなんですよね……。

「あるよ失敗談。山ほど。今だって」
「世の中、できるやつはいるもんだな……はー。悔しいわー。だけど、見てろよ。今に超えてくから」

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 失敗も挫折もあるけれど、それでも無条件に前を向く気持ちの強さ。これが桐生つかさの真骨頂です。
 
②他アイドルのことはめちゃくちゃ褒める

 どうなんだろうこれ、結構勘違いされてしまっているんじゃないかな……と思うんですが、自分の意識が高い桐生つかさ、じゃあ他を馬鹿にしがちなんじゃないの? と思われているのでは……という感じが……違うんです。桐生つかさは他アイドルのことはめちゃくちゃ褒めます。それはもう。めちゃくちゃ褒めます。

「しなやかで健康的。独創的で、何より自由……。ヨガで一番大事なリラックスってやつが、息をするのと同じ自然さでできてる。リスペクトに値するわ、マジで」
「智香と太陽のシナジー、ハンパねぇな。パワーを感じるよ」
「街も自然も本当にキレイだなぁって、感動してて」「いいね、それ。素直に出た言葉って真実だよな」
「そう、真っ直ぐで一途なやつは強いよ。まゆみたいに、な」

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 最近だと、デレポで休みの重要性を訴える杏ちゃんに意識高い絡みをしてしまったりしているんですが、違うんです、本気で言ってるんです桐生つかさは……。
 「他のアイドルの良いところに目を向けられる」というのは桐生つかさの強みのひとつです。意識的にそうしているのかもしれません。彼女は貪欲です。自信たっぷりの大口は叩きますが、必要であれば自分を訂正することは厭いません。

「プライドと頑固は違うんで。そこで躓くの、超もったいねー」

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 この辺りは是非ともデレステの桐生つかさコミュを見ていただけると……Pとの関係性の中でも大事な桐生つかさの特徴です。
 アイドルに限らず、基本的につかさは他者を尊重しています。やっぱりここでも「社長」という根幹の設定が色濃く出ているのではないか、というのが個人的な見解です。桐生つかさの社長論はこんな感じ。

「社長っつーのはさ、究極の裏方だとおもうワケよ」

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 意識が高い桐生つかさですが、意識の高さを振り回したり、それを理由に周囲を見下したりはしません。他者は自分に必要な存在である、ということがかなり強めにインプットされているからです。スタッフに対しても対等な目線です。

「スタッフはビジネスパートナーだろ。当然、大切なわけ」
「本気になるしかないだろ。アタシのステージで、みんなのステージだ」

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 好き。

③Pとは相棒!

 「お前」呼びでやや不評を買っているきらいのある桐生つかさ。その……違うんですよこの「お前」というのは……確かに初めの方はムッとするかもなんですけど、コミュを進めていくうちにこう、気安さ……みたいなものが感じられてくるんです。割と、男友達同士の「お前さ〜」に近いものがあると思うんですよね……。
 まぁこの辺りは好みが分かれるところなんですが、私としては桐生つかさの恋愛な空気とはちょっと違うPへの接し方、すごく好きなんですよね。ただ、恋愛っぽさがないと言うだけで、桐生つかさとPの絆は深まっていくのが、セリフではよく分かります。

「アタシにできないことをお前がやるから組んでんの。ビジネスの基本な」

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 桐生つかさとPは「ビジネスパートナー」なんですね。これはそもそもPがつかさに声をかけたのが、つかさの「アタシと仕事をしたい奴」への呼びかけに答えた結果スカウトに行った、という馴れ初めが根底にあるのではないかと思います。でもこの「ビジネスパートナー」という関係性が、「最強のビジネスパートナー」へと発展していく過程こそがエモい。

「だったら24時間、アタシのこと考えてるべきだろ。ほら、わかったら、返事しろよ。頼むぜマジで」
「今のアタシが世界で一番輝いてる、そう信じさせてくれるヤツがいるからさ。誰のことか察しろよ、そんくらい」

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 桐生つかさとPは対等なんです。恋愛要素こそ薄いですが、「一人でも余裕」と嘯く桐生つかさが全力で信頼を傾けてくれるこの相棒感は、桐生つかさならではの感覚だと思っています。

「必要なこと、全部やった結果がこれ。お前とアタシも、そうありたいね。ま、アタシらならできるってわかってるから、後はやるだけな」

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 ごく当たり前のようにアタシ「ら」とつけてくる桐生つかさ。なんの疑いもなく「できるってわかってる」と言い放つ桐生つかさ。唯一無二のパートナーとしての信頼を、さらなる高みへ連れていくことで応えたいと思わせる、そんな魅力のあるアイドルです。

 と、ここまで長々書いてきましたが、まぁ正直なところ私が桐生つかさが気になったのは育成のためにユニット編成に入れた際の3Dモデルがめちゃくちゃ可愛かったからという理由だったりするので、説得力あるんかと言われれば、その、お察しなところがあります。何を言われても無理という人もいるだろうし、逆にこんだけ意識高いのが自分に刺さってキツいという人もいるでしょう。結局すべてのPに好かれるというのは難しい話で、まして桐生つかさは決して万人受けする王道アイドルでは無いので、こんなのを書くことでかえって「鬱陶しいPがいる」という悪印象を残してしまうのでは……という不安がなくもないんですが、それでもこのタイミングで少しでも知ってもらいたいと思うのは、肝心要の桐生つかさにこういうセリフがあるからです。

「アタシは社長としても、アイドルとしても一流でありたい。アタシを知ってくれたやつ、求めてくれたやつ、これからアタシを知るヤツも全員、幸せにしてやりてぇんだ」

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 ーー不相応は承知の上、それでも「全員」と言い切る桐生つかさのかっこよさが担当として大好きです! ボイスがついた彼女の活躍が、彼女の願い通り、できるだけ多くの人を幸せにしますように。

 桐生つかさPでした。


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