日常の、じわじわ面白かった話

歯科衛生士の私が、患者様の歯をクリーニングしていたときの話です。

その方はとても「紳士」っぽく見える、口数も少なくちょっとこちらが緊張するような感じの男性でした。

その方のクリーニング中、いつも医院には有線が流れているんですけど、たまたま星野源さんの「恋」が流れていました。

タオルで隠れているのでその方の表情は見えませんが、もちろんクリーニング中なので、無言、無表情のはずなのですが。

あの歌、サビで

「胸の中にある〜も〜の〜」
のあと、

チャチャっ てなるじゃないですか。

あの、チャチャっのときに、
両手を膝に、タイミングに合わせて

ぽんぽんってリズムに乗っていたんです。

え… いま、リズムに乗ったよね?

それまで微動だにしなかったのに。

もう、私の興味は止まりません。
次のサビでもやってくれるのだろうか。

次のサビのタイミングがきました。

するとやっぱりそのタイミングだけ、

ポポン!と太腿を、寝ている両手でリズムをとって叩くんです。

あ、絶対この人おもしろい。

にやにやが止まりません。

でも、やっぱりクリーニングが終わってもその方はクールで、なにもなかったかのように終わったのです。

無意識だったのか、意識的だったのかはわかりませんが、

なんか、有線で恋が流れるたびにそのことをじわじわ思い出すので、ここに書き留めておくことにしました。

個性たっぷりの患者さんと接することも多いこの仕事が私は大好きです。

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