デビット・ワイズ~願い行動するものにしか奇跡は起きない~
だから人生は面白い。
そういうことが生きていると、たまに訪れてくる。
本当にたま~にやってくる。
こちらの動画がまさにその「たま~に」だ。
スーパーファミコンで発売されたスーパードンキーコングというゲームは3Dレンダリング技術を駆使したゲームです。
これは当時、2Dのドット絵表現が主流の時代には、まさにオーパーツのような技術でした。
はじめてプレイ映像を見た時は、映像が飛び出ているように感じました。
小学生だった自分はブラウン管に近づいてドンキーを触れるんじゃないかと試した記憶があります。
また背景にも奥行きがあり、テレビが向こう側まで突き抜けているような不思議な感覚に陥っていました。
いまでこそ、このゲーム画面は飛び出ているような3D感なんて全く感じなくなってしまいましたが、当時みていた映像作品においては、間違いなくトップクオリティでした。
そしてこの素晴らしいゲームに音楽を付けたのがデビット・ワイズです。
彼は今までのゲーム音楽とは違う手法をこのゲームに取り入れました。
アンビエント音楽のような輪郭のぼやけた音楽をベースに、コンガなどを使った民族的なリズムと、鳥のさえずりのような環境音を足していくことで、スーパードンキーコングにしかオリジナリティを生み出しました。
私もその音楽のとりこになった一人で、当時はこの音楽がデビット・ワイズという人が作ったことなどは何も知りませんでした。
時代は進み、ネットの普及などによって個々のクリエイターにより焦点があてられる時代になりました。
すぎやまこういち、下村陽子、光田泰典、伊藤賢治といった有名ゲームの作曲者は、すぐに有名になっていきました。
もちろんその中でデビット・ワイズも超有名になっていき、特にスーパードンキーコング2のとげとげたるめいろで使われた「Stickerbrush Symphony」は、ゲーム音楽ファンの中ではカルト的な人気になっていき、それに伴って、デビット・ワイズも神格化されていきました。
で、その流れとは別のベクトルで人生が歩み始めます。
Youtubeです。
今では全世界、誰もがYoutubeで発信できる時代になりました。
そこで日本のお笑い芸人のカミナリというコンビが自身のチャンネルで、デビット・ワイズの曲を聴く動画を出していったんですね。
一人がプレイして、もう一人が音楽を堪能する。
ミスをすると音楽が途絶えるから、音楽を堪能できなくなるという構成の動画です。
これがカミナリのチャンネルの中では結構人気企画になっていきました。
おそらくなんですけど、カミナリが好きで見ている人と、デビット・ワイズの音楽が好きで見ている人とが混ざっていたと思います。
チャンネル内でかなり人気になっていったこともあり、企画で本人にアポなしでロンドンに会いに行こうという無茶な計画を立てます。
これが奇跡につながってしまうんですね。
偶然、歩道でデビット・ワイズにすれ違った彼らは、そこでインタビューできないかと直接交渉したら、OKが出て、喫茶店で30分ほどお話しすることになりました。
デビットワイズ氏がスーパードンキーコングの音楽的なことを自身で語っている文献はあまり多くないので、かなり貴重なインタビューになりました。
それだけでは終わらずに、カミナリは自身のチャンネルのBGM作成も依頼し、作ってもらうことになります。
そして月日は経って、さらに壮大な計画が企画されます。
それが冒頭にリンクを乗せました動画です。
なんと日本に着てカミナリと一緒にライヴをしてくれたんですね。
ライヴではデビット・ワイズへのファンの質問、デビットワイズが自らスーパードンキーコングをプレイ、そして最後にはライヴ演奏とドップリとデビット・ワイズの世界を堪能できる内容でした。
日本発信の企画で、ここまでデビット・ワイズが取り上げられたこと、そしてそれが企業ではなくお笑い芸人の個人チャンネルだったということは、奇跡以外の何物でもありません。
だから人生は面白い。
そして願い、行動しなければ奇跡はかなわない。
そう感じさせてくれる動画でした。
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