布マスク2枚の謎

総理が4月1日に
「国民に布マスク2枚を送りつけます」
というまるでエイプリルフールのようなことを言い出しました
正直私、本当にフェイクニュースだと思いましたよ

だって、信じられます?
こんな珍妙な策を本気で言うなんて

こんなもの誰に聞いても
全員「いらねぇ!」って言うと思います

なぜこんなことになったのか?
真剣に考えてみました

そんな中、1つの情報を知りました
「この案は経済産業省の官僚が提案したもので、1ヶ月前から始動していたものでした」

最初これを聞いて
「1ヶ月間、誰もこのポンコツ案にツッコまなかっただと?!」
と驚きましたが
ちょっとして、考えを改めました


さぁ。これが私が考える
【布マスク2枚の謎】の謎解きです
正解かどうかはわかりませんが、お付き合いください

ーーーーー

まず、1ヶ月前
これがどんな時期だったかを考えてみます

この新型ウイルスの騒ぎは最初武漢で騒がれていましたが
日本で騒ぎ出したのは
ダイヤモンドプリンセス号からです
つまり2月20日頃です

この頃から徐々に日本でも蔓延し始めていると騒がれ
世の中からマスクが消えました

マスクは新型ウイルス対策だけでなく
花粉症対策でも世の中の人は使います
この品不足はとても困りました

そして世の中から使い捨てマスクがなくなった頃に流行ったのが
【洗ってくり返し使える布製マスク】です
これが手元にあればくり返し使えるわけですから
マスク問題はある程度解消できます
当然、みんなが食いつき
布マスクもあっという間になくなりました

この時期
これが今から1ヶ月前じゃないですか?

ちなみにこの時期はちょうど政府が大きく動いた時期でもあります
全国一斉休校などが発せられたのもこの時期です

多分この時期に政府は様々な角度からのプロジェクトを進めたのでしょう
その1つが
【国民全員に繰り返し使える布マスクを無料配布する】
です

あれ?
悪くない案です

この時に一斉に配られていたのであれば
「政府すげー!」「対応早すぎ!」ってなっていたはずです
だって、みんなが布マスクを欲しがっていたんですから

たとえ1人1枚でも無いよりマシです
特別混雑する場に行く時に使ったり
もう1枚は個人で手に入れて、交換用にあてたり
利用価値はありました

「この時に配られていたならば」
の話です

今は状況が違います

この当時はマスクの重要性が
「ウイルスの侵入を防ぐ」
というイメージでした

しかしご存知のように
現在では
「マスクではウイルスは防げない」
と、みんなが知っています

じゃあなぜ必要なのかというと
手が口に触れないようにするため
つまり接触感染防止のためです

用途が違えば形態は変わります
以前は衛生マスクが必要とされていましたが
現在は単に手が口に触れるのを防げればよいのです
このためデニムのマスクやブラジャーのマスクなんてものまで出てきました

簡易的なものならば
ハンカチを折りたたみ、その両脇にヘアゴムをつけるという
小学生でも手作り可能なマスクも出てきました

この状況ではすでに
「いちいち洗う」
という布マスクの需要は下がってきてしまったのです

現在の需要は、もう一度最初のもの
「気軽に使って使い捨てできるマスクの充分なストック」
に変わってきてしまったのです

このタイミングで
【布マスク2枚】!!!
ってドヤ顔されても・・・ねぇ?

エアコンが普及している家に
うちわを配るようなものです

いらねぇ・・・。

このタイミングの悪さが、この問題の要です


さて
なんでこんなにもタイミングがずれてしまったのでしょう?

話は1ヶ月前に戻ります

政府は新しくマスク工場を作ることにしました
マスクを作るのに
現在ある工場に発注してしまえば
その工場が発送するはずだったマスクの提供を圧迫してしまいます
つまり従来の工場以外に新設しなくてはいけなかったのです

まぁ、幸い複雑な機能のものではありません
10日もあれば設備と作業員を集めることはできたでしょう

この段階で政府はこの工場に
少なくとも日本の人口分
つまり1億枚を作ることを指示しました
そしてあとを任せました

政府は他にも忙しいのです
現金給付問題
緊急事態宣言問題
医療体制問題など
対応案件が山積みです

「1億枚出来上がったら教えてくれ」
ってことで、現場を離れたのでしょう

さて、言っても1億枚です
なかなかの量ですよ
しかも急造した施設です
効率が良いかも微妙です

それでも現場は頑張りました
1日に500万枚というハイペースで作ったのです
そしてたった20日間で1億枚が出来上がりました

すごいことでです
簡易な設備で急にやらされて
休む間もなく作り続けたことでしょう
他のことには目を配る暇もなかったでしょう
とにかく20日間フル回転です
とてつもない偉業でしょう

そして出来上がった1億枚のマスクを抱えて
工場長は総理に言うのです

「総理!1億枚出来上がりました!」

総理は思います

『あ・・・そんな話もあったな・・・』

世の中の流れは早いものです
製造に20日間は早いのですが
世間の関心はそれ以上に早かった

たった20日でニーズが変わってしまったのです

でも言えますか?

20日間頑張って
国民のために寝る間も惜しんで作った
1億枚のマスクを持ち
目をキラキラさせている工場長に対して

「あぁ。それ、もういらないわ」

言えますか?!

どんな人ならそんなセリフを言えるのですか?!
人の心があるのですか?!

その場で言えることは1つです

「ありがとう。これで日本は救われるよ」

これしか言えなかったのでしょう

そして
エイプリルフールに
この政策は発表されました

こんな日でもなければ冗談でも言えません

布マスク2枚を送りつけるなんて・・・。

ーーーーー

さて
とりあえずこれが私が想像した舞台裏です

まぁ、だいぶ脚色しましたが
「かつてはあったニーズが、タイミングを逃して変わった」
っていうのが今回の問題にありそうだなとは思いました

でもだからといって
1ヶ月前に瞬時にマスクを1億枚揃えることも不可能だったでしょう
それでいて途中で企画を止めるほどでもなかったと思います

1ヶ月前の状況で
「マスクが要らない言われる」
「マスクを作ったお金が無駄と言われる」
っていうのはちょっと想像しづらかったのではないでしょうか?

考えてみれば
「必ず一家に1枚マスクがある」
というのはかなり大きな効果を生みます

「マスクは邪魔だからしない」
という人をこの世から消すことができるからです
これはすごい予防効果です

今までは
「売って無かった」
と言い訳できましたが
これからはそうはいきません

「マスクをしない」=「あるのにしない」
と言い切ることができてしまうのです

「日本中の人にマスクを強制する」
これはなかなかできることではありません

国民全員にマスクを配るというのは
今もなお想像以上に効果的な政策ではあるのです


ただし、問題は配り方ですね
封筒に2枚ずつ入れて
郵便で渡すらしいですよね

それは流石に労力と費用が無駄だと思います

こんなのはどうでしょう?

選挙などのときには有権者1人1人に
ハガキが配られます
このシステムを使い
有権者全員にハガキを送ります

ハガキをもらったら市役所などにいけば
【ハガキと引き換えでマスクが1枚もらえる】
という感じです

国は役所にまとめて送りつければ良いのですから
封筒詰めの作業も、配達作業も軽減できます


ただ、こうしてしまうと取りに行かない人も出てきてしまうでしょう
日本人は選挙ですら半数は行かないのです
そうなると、せっかくのこの政策も効果半減です

大切なことは
国民からマスクをしない理由を奪うことです

結果的に
ずぼらな国民のせいで
無駄とも思える経費がかかってしまうのかもしれません


なんにしても
少なくともこのマスクを一生懸命作った人はいるのです
大切に使ってあげて欲しいものです

そして
この騒ぎが1日も早く終息することを願っています

【チナミニ】

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