スイスイ・マジックライブ感想(2021.6.)

6月某日
立川にある喫茶店『Sweettime−Sweetdays』で
マジックショーがありました

演じましたのは私ですw

いやー。かなり久々のライブでしたね
ご時世的に色々制限がかかる環境でのライブでしたが
対策もしっかりと整え、無事当日をむかえました


今回はワンマンでトータル1時間という持ち時間をいただいたので
せっかくだから色々珍しいことをしてみようと企んでいましたw

まず考えたのは
前半と後半の『二部構成でセットリスト(演順)を組む』ということです

マジックには大きく分けて
現象的な表現とドラマ的な表現があります
手品的とマジック的と言い換えても良いかもしれません

現象的とはその名の通り
不思議な現象の魅力でお客様に楽しんでいただく演じ方です
一般的に日本で演じられるマジックはこのスタイルが多いですね

一方、ドラマ的というのは
【「魔法がある世界」をお芝居で演じる】という演じ方です
不思議な現象自体の魅力ではなく
不思議な出来事が起きたことによって
「それでどうなった?」を見せるものです
まさにドラマのワンシーンを見せるような感じですね

このドラマ的な見せ方はあまり日本では行われていません
昔の水芸や和妻という一部のジャンルであるくらいですかね

私はせっかくだからこちらの方も知っていただきたいと思い
なるべく自分のソロライブでは演じるようにしています

とは言え普段はやはりパブリックイメージ的な需要が多いので
ドラマ的なマジックはショーの中で1作品とか、アンコールだとか
そういった場で演じるのですが
今回はたっぷり時間をいただいているので
ドラマ的な演目を何作か繋げて演じようと思いました


そうした中、
今回、特に大変だったのはセットリスト(演目順)作りです

私は基本的にテーブルマジシャンでして
普段はお客様に道具を触っていただきながら演じることが主流です
しかし
このご時世、あまり物を触らせることは避けたいところです
そうなるとマジシャンお得意の
「カードを引いてください」
「コインを握ってください」
といったことができません
さらにそもそも距離的にあまり近づけません

こういったことをすべて諦めて
中距離系のマジックで構成することも出来ました
(いわゆるマギー司郎さんやナポレオンズさんのようなスタイルです)

でもそれはやはり私の本来の持ち味ではありません

久々にやるライブです
自分でも満足するものを演じたい

そう思い
私のレパートリーの中でも中距離で見せやすいものを選び
更にそれをより中距離で見せられるように変えたものを演じることにしました


さて
そうこうしながら作り上げたセットリストは
以下の通りです

<前半>
シャカノテ
クローズアクロス
アネモネ
トライアンフメッセージ
イノセントデイズ

<後半>
プレゼント
タイニーリンキング
プロローグ

前半は現象的な演じ方を多くし
後半は全てドラマ的な演じ方のものにしています


せっかくですから
それぞれの作品の紹介などをしてみましょう

『シャカノテ』は
1枚のコインの説明から始まるカジュアルなマジックです
途中「コインを触って確かめてみますか?」と言い
手渡そうとするとコインが消えてしまう
という現象は
コミカルなジョークであるとともに
後半への伏線だったりしますw
ご時世的に
「すみません。感染対策のため触れることができませんw」
というジョークも入れました♪

『クローズアクロス』は
シャカノテと続けて演じることが多く
これも私の中では定番です
3枚のコインが片方の手から反対の手へ
見えない移動を行います

このシャカノテとクローズアクロスは
ショーのオープニングで演じることが多く
その理由は初見のお客様に対して
私自身の腕前を知っていただくためです

どこの誰ともわからない人に
いきなりマジックを見せられても
困りますものねw

最低限、ちゃんとテクニックがあるとわかっていただければ
その後も安心してマジックを楽しめることでしょう
自己紹介的な意味があるので
実は普段から3枚のコインは持ち歩いていますw

さて次は
『アネモネ』です
ここからはトランプのマジックになります
この演目の目的は
お客様に私のキャラクターを知っていただくことです
やや人を食ったような、冗談めかした、とぼけたようなキャラクター
コミカルタッチなので老若男女人気のあるマジックです

ちなみに
途中である特定のカードについて語る部分があるのですが
これはお客様に選ばれたカードによって微妙にセリフが違います
機会があれば違うバージョンもお楽しみください♪

前半のトリ前は
『トライアンフ・メッセージ』です
カード当てをしながら
あるトラブルを克服したエピソードを語ります
現象自体はトランプマジックの中でもスタンダードですが
その中に込めたメッセージまで語るのは珍しい演出でしょう
今回はコロナ禍ということもあり
ややそれにちなんだセリフに変えてみました
このあたりからややドラマ的な演出になっていきます

さて、大トリは
『イノセントデイズ』です
赤いカードと黒いカードを混ぜたのに
いつの間にか分離してしまう
オイル&ウォーターというジャンルのマジックです
これは普通のトランプマジックと
私の過去のエピソードが交互に行ったり来たりする
という構成になっています

私はマジックというものを特別なものだと考えていません
実際、我々の身の回りのものごとは
仕組みのわからない不思議なことだらけです
我々はそのことを自覚していないだけ。
でも、あらためて考えてみれば
この世界自体が充分に魔法のような世界だと思うのです

イノセントデイズは
もう一度【童心】に戻ってみよう
というコンセプトのマジックなのです


ここまでで前半終了です
テクニック的なものからコミカルなもの
そしてドラマ的なものへと
徐々にスライドさせていく構成にしました

さて後半
こちらは完全にドラマ的な構成です

実は私はいくつかのシリーズ物のマジックがありまして
今回演じたのはその中で
「おじいちゃんシリーズ」
と呼ばれているものです


まずは『プレゼント』
これは私がマジシャンになったきっかけのエピソードを
1枚のコインを通じて語ったものです
このストーリーの中で私はおじいちゃんとの思い出を語るのですが
このおじいちゃんとのやり取りが魅力的で
おじいちゃんは私のマジックの中でも人気キャラになっていますw
このお店のオーナーさんはもうこのマジックを何度も見ているので
途中、コーヒーの豆を挽く際
音が気にならないように気を使ってくださっていましたw

続いて『タイニーリンキング』
これはおじいちゃんシリーズ第2作目です
金属の輪っかが繋がったり外れたりするマジック

ネタバレになりますが
この作品でおじいちゃんはお亡くなりになっています(?!)
まさかの2作目にして最終回ですw

でも安心してください
現在、おじいちゃんシリーズは9作ほどあります
とりあえず最初と最後を確定させ
その他の作品はその前後のエピソードをどんどん増やしていく形になっています
おじいちゃんは永遠に不滅ですw

私のマジックにしては
しっとりとした、少し切ないマジックでもあります
私は「マジックでも喜怒哀楽は表現できる」と考えていまして
これはその中で『哀』をテーマにしたものでもあります

さて、このライブ最後のマジックは
『プロローグ』です
トランプのマジックですが
トランプらしき別のものに変わってしまいます
個人的に結構好きなマジックです♪

1番最後に「序章」という名前もおかしなものですが
2作目で最終回をむかえているため
これはその後に語るエピソード0みたいな扱いになっています
さらにこの作品は
人生、どこで何が始まるかわからない
「結局、今こそがこれからの人生のプロローグ」
という意味を込めて演じさせていただきました

この3つの作品は
『おじいちゃん3部作』と言われていて
数年に一度演じています(今回で5回目くらいかな)
トータルで30分くらいかかるので
なかなか演じる機会がないものです
今回見れた方はラッキーですよ♪


そんなこんなで
無事に終わった今回のライブ
ライブ終わりにも興奮は続き
アフタートークなどもしばらくしました

ちょっと興味深かったのが
お客様の1人が言った
「マジックって『演じる』って言うんですね」
というセリフです

私は最初これを聞いても意味がわかりませんでした
『演じる』という言葉を使うのは
私にとって当たり前すぎていたからです

しかしよくよく考えると
マジックは普通「見せる」ものですよね?

「次にお見せするマジックは…」
「最後にご覧になっていただくマジックは…」
と言った具合です

確かにコインが1枚消えたことを見せるのに
『演じる』って言い回しはちょっと大仰かもしれません

でも
実際にご覧になっていただいた方はわかると思うのですが
特に後半のものに関しては「見せる」だとどうも不充分に感じるのです
この感覚は流石に直接見ていただかないと
わかりづらいかもしれません

今回のライブの成功により
また今後もこちらではイベントをさせていただけるようになりました

次の機会があった際には
また私が『演じる』マジックを
ご覧になっていただきたくおもいます♪


さて、こちらのお店ではマジック以外にも色々なイベントを行う予定です
次回は8月8日(日曜)
弾き語りミュージシャンの2マンライブを予定しているようです
そちらもお楽しみに♪

ーーーーーー

この喫茶店詳細はこちら↓
Sweettime-Sweetdays

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?