タバコ吸いの行動パターン

まず最初に言っておきますが
この記事はタバコを推奨するものではありません
私自身はタバコを吸いますが
別に完全禁止にされても特に問題はありません

ここで紹介したいのは
「タバコユーザー独特の行動原理」についてです


タバコを何のために吸うのかと言えばその多くは
「余白の時間を過ごす」
ためかもしれません

たとえばバーで過ごすとします
バーではバーテンダーさんと話したりするのが楽しみです

でも、バーテンダーさんはだいたい1人か2人です
お客様は10人くらいいます

ではバーテンダーさんが他のお客様と話している間
どうやって過ごしますか?
ひたすらお酒を飲み続けますか?
それとも何もせずただじっと空を眺めますか?

タバコユーザーならタバコを吸います
1本で10分くらいは過ごせます
数本分の時間を過ごせれば
バーテンダーさんはまた自分に話しかけてくれます

バーテンダーさんと話す時間
バーテンダーさんを待つ時間
タバコがあればこれを繰り返すことができ
その間にお酒の追加もできます

もしここにタバコがないとどうなるでしょう
誰にも相手をされない時間が数十分
そんな時間に耐えられますか?

そうなったら、もうお店から出るでしょう
お店は追加のオーダーを逃すことになります

バーはひとつの例ですが
これはカフェでも、居酒屋でも同じです

「ある程度の時間を無理なく過ごせる」
というのは経済的に有益な点が多いのです

タバコの特徴は
「何もしていないけど、何かをしている」
「タバコを吸いながら、別行動をしている」
という点です

何もないときには「タバコを吸っている」状態になり
何かをしているときには「タバコを吸いながらしている」状態になります
「他の作業を阻害しない暇つぶし」
というのは珍しいものでしょう

実は人は一つのことに集中するよりかは
ながら行動をしていた方が快適である場合が多いものです

電話中にメモに8の字を書いたり、歩き回ったり
勉強中にラジオを聴いたり
運転中に音楽を聴いたり
コーヒーを飲みながら新聞を読んだり
ポップコーンを食べながら映画を見たり

集中力というものは長くは続かないものなので
途中で息継ぎができるものがあった方が良いものなのです

意外と手術中に音楽をかけるお医者さんとかもいるくらいです

この意味で「長時間1人でいる場所」に
タバコユーザーが多いイメージがあります
パチンコ屋、ゲームセンター、ネットカフェなど

タバコを介することで
「長時間居続けること」
に無理がかからないからでしょう

よく、タバコの代わりのものとして
スマホや本でも見れば良い
という意見がありますが
スマホや本はそれにかかる集中力が強すぎます
スマホを見ながら漫画は読めませんし
本を読みながらゲームはできません

タバコに代わるほどライトな
「ながら行動ができるもの」
というのはなかなかないのです


また、タバコユーザーの時間の使い方は
意図的な余白が多いのが特徴です

たとえば待ち合わせの時間の少し前に着き
喫茶店で一服する

2つの予定の間が数時間あっても
喫茶店で過ごす

これはタバコユーザー独特の行動かもしれません

もちろんこれこそ
スマホや本でも代用できそうですが
実際ドリンクが空になってもその場に居続けることは
居心地が悪かったりします

ドリンクを1杯飲むとするなら
せいぜい居れるのは30分くらいです
その間にタバコが入るとすれば?

ドリンクだけなら30分しか過ごせなかった場所が
ドリンクとタバコを吸うことで1時間過ごせることになるのです

一見これは長居をしてしまうため回転を落とすように思われますが
それは短期的に見た場合です
ある程度長期的にみると別の点が見えてきます

これは私自身が感じたことですが
タバコを吸う場所がない場所に行くときには
私は割と直前に着くように行きます
早く行っても時間をつぶせないからです

逆にタバコが吸える場所があるなら
待ち合わせの1時間前に行くことも珍しくありません
必ずしもタバコを吸って待っているわけではなく
軽く買い物をしたり本屋を巡ったりして時間をつぶし
余った時間を喫茶店で過ごすという形になります

つまり
「いつでもまとまった時間がつぶせる」
ということにより
本来は無かった経済行動が足されるのです

実際
タバコを吸わない人のスケジューリングは
タバコを吸う人よりもタイトにしがちです
空き時間を「タバコでも吸って待っている」という選択肢がないからです

「別に不要な空き時間を作る必要はないだろう」
と思われるかもしれませんが
世の中には
時間を過ごす目的のための商売が多くあります
喫茶店、レストラン、居酒屋、バーなどです

飲食という目的の他に
「時間を過ごす」という目的を持つ場所が多くあります

タバコを吸わない人に
「あなたは何の予定もない余白の時間を【意図的に】作りますか?」
と聞けば、ほとんどの人はNOだと思います

そんな時間は無意味だと思うはずです
偶然できてしまうこと、仕方なくできてしまうことはあるでしょう
しかし、そういう時間を【意図的に】作ることはないでしょう

タバコユーザーは予定と予定の間に
【意図的に】そういう時間を作ります

そして
そういう行動をする人をターゲットとした商売が
この世にはあるのです

もし喫茶店が
「偶然できてしまった空き時間を過ごす人だけ」
しか来なかったとしたら
非常に不安定でしょう

日常生活の中にある程度
「余白を作る人」
これが喫茶店のターゲットです

そして
「長時間の余白を1人で過ごす」
にはやはりタバコのようなものは
便利だと思うのです


もちろん
完全禁煙のカフェも存在します
しかし、そういうお店は
高単価なのではないでしょうか?

なぜ高単価か?
それはユーザーが少ないから単価を上げないと成立できないからです

しかし、高い単価を払うのならばなお
すぐにお店を出るようなことはしたくなくなるでしょう

そこでそういったお店のユーザーは
タバコに代わる
「長くその場で過ごせる何か」
をしているのではないでしょうか?

単純に言えば
友達との会話
ノマドワークや勉強など
こういったことをする人が多いのは
こういった理由ではないかと思います


さて、ここまで来てなんですが
私は喫煙を勧めているわけではありません

「余白を過ごせる何か」
の必要性を示しているだけです

もし、何か
「気軽に余白を過ごせるもの」
があるならば、タバコにこだわる必要はありません

個人的に最有力候補はやはりスマホだと思います

しかしまだスマホは集中力を要求されます

もっとライトに
もっと手軽に
スマホに目を向けることなく
スマホに集中することなく
周りの環境に阻害されない作業

それができれば
もしかしたらそれが「タバコに代わる何か」かもしれません

単純に思い浮かべるとしたら
スロットゲーム
ハクスラゲーム
このあたりが候補でしょうか
画面に目を向けず、単純にタップする程度の作業でできるものです

まだ現在はこういったものを対面している人がやっていると
なんかないがしろにされているような気分になるかもしれません
そのため、気軽にこういったことができない雰囲気があります

そうではなく
こういったものをもっと推奨し
「余白を作っている状態」を多くの人が許容できるようにした方が
良いように思います


現在は禁煙政策が進んでいます

おそらくこれからは
喫茶店の数は減っていくでしょう
これからは
意図的に余白を作る人が減るからです
ファミレス、居酒屋、バーも減るか
もしくは営業スタイルに変化が出るかもしれません

せっかくの文化がなくなるのは
とてももったいないことだと思います

そうなる前に
「余白を作れる何か」
「タバコに代わる何か」
を作り出せれば
それは実はとても有益なことなのです

【チナミニ】

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