安楽亭と焼き肉きんぐ

リーズナブルな焼き肉屋として有名な
安楽亭と焼き肉キング
この二つの売り上げに差が出ているようです

この流れが少し面白いのでご紹介します

そもそも安楽亭のコンセプトは
「高級料理の焼き肉を庶民に!」
って感じです

1980年代
5千円以上すると思われていた焼き肉を
2千円台で食べれるお得感

そのために店構えもチープにして
「安いよ!お手軽だよ!入りやすいよ!」
をテーマにしました

そしてそれは大成功しました

しかしここで問題が起きます
安楽亭が成功してしまったため
「焼き肉が庶民でも食べれることが当たり前」
になっちゃったのです

今では逆に、高級焼き肉店の方が
特別というイメージかもしれませんね

当たり前になったから
店構えもただのチープな見た目になっちゃいました

そこへ登場したのが焼肉きんぐです
焼肉きんぐのコンセプトは
「低価格なのに高品質(っぽい)」
というテーマです

これにより
同じ価格なのに
安っぽく感じる安楽亭と
高級料理と感じる焼肉きんぐ
に差が出てきました

誰だって同じ値段なら
良いものの方が良いに決まっていますからね

さて、ここで重要なのは
焼肉きんぐは
「安楽亭より先にこの戦略をしたらおそらく潰れていた」
ってことです

そもそも焼き肉は高級品のイメージでした
そこへ高級店と同じような見た目で
値段だけ安いお店が出たらどうなるか?

お客様は高級店の見た目でも入るお客様です
つまりお金持ちです
お金持ちに安い肉を食べさせたらクレームです
「なんだここ不味いな!」
「結局。安かろう、まずかろうだな」
って感じです
クレームがなくたって本来5000円払うつもりで来た人が
2000円で満腹になっちゃいます
単に損をしただけです

そして2000円台を好むユーザーは
店構えが高級っぽいので見向きもしません
値段は2000円台なのに
2000円ユーザーが来てくれないんです

つまり
焼肉きんぐが成功するためには
「焼き肉は2000円台で食べれる」
という前提認識が必要なんです

その前提認識を作ったのはどこか
それが安楽亭です

ここが面白いところ
焼肉きんぐは安楽亭が作った常識によって成功した
そして安楽亭は焼肉きんぐができたことで
相対的にチープなイメージになり負けたです

物事の優劣は単にその質自体では決まりません
環境が変われば優劣は変わります
そして環境は常に変化します

大切なとこは
「変化する周りの環境にちゃんと対応できるか?」
ということなのです

【チナミニ】

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