シアワセ比べ。

金曜日だ。明日は休み。

1週間溜めていた書類も、一気に片付ける。多少ミスがあっても、来週の自分に任せよう!なノリ。

終わらせるのが一番大事。

流行りの曲を頭の中で流しながら怒涛の勢いで終わらせて、帰り道を急ぐ。
ロッカーで会う仲良しの後輩と、他愛ない話をしながら、いつもより重めの化粧ポーチを取り出して、装っていく。

あとは寝るだけ?
そんなこと気にしない!

1日働いた前髪だけが気に入らないけど、ピンで誤魔化しちゃおう。

さあ、後輩に見送られながら、待ち合わせの時間。邪魔な荷物は後部座席に放り込み。

待ち合わせの駅。
スマホの画面を暗くして鏡代わり。
よし、ピン外しても大丈夫。

夜の居酒屋は照明くらいだろうけど、後でリップ塗り直そうかな、なんて考えているうちに、待ち合わせ相手のご到着。

空腹限界、と顔に書いてあるから、最初はビールとサラダ。お通しをつまみつつ、気になるメニューを注文しあっていく。

今週も、互いに無事に生き延びられたことを祝って、乾杯。
ビールの苦さも、いつからか苦いと思わなくなったなあ。

時間を塗りつぶすように、惜しむように話をする。ラストオーダーの時に会話が途切れてしまわないように。

もうすぐ閉店なので、の声に見送られて、酔っ払っていることと暗がりに感謝しながら、手を繋ぐ。

月が綺麗だね、って思いながら、1週間の終わりに感謝するように、鞄の中の歯磨きセットの存在を思い出しながら、
君の部屋に向かう。

なんて、今まで当たり前に毎週あったような、結婚前の夜を懐かしむ夜。

今は、旦那になった人の寝顔を眺めながら、お腹の子どもを思いながら、寝付くまでの時間。

サポートありがとうございます。頂いたサポートで、明日カフェに行き、カフェインレスを大事に飲み、また文章にさせて頂きます