【「シン・ウルトラマン」の鑑賞を終えて】(ネタバレ無し)2022年5月17日

 「シン・ゴジラ」があまりに面白かったことから、楽しみにしていた「シン・ウルトラマン」。現在、かなり仕事が忙しく映画館に足を運ぶことができず、このままamazon primeでの公開を待つことになるのだろうなと思っていたところ、ナントYouTubeに映画がまるまるアップされていた。しかも違法なものではなく、正規の映像のようだ。あまりに面白かったので感想を述べよう。

 シン・ウルトラマンの総監督・庵野秀明は「ヱヴァンゲリヲン」という作品で世に知られたが、数々の映像でその才能を発揮してきた天才。監督の樋口真嗣は、平成ガメラシリーズを特技監督として大ヒットさせ、特撮映画界で引っ張りだこになった天才。この2人はプライベートでの親交も深く、「シン・ゴジラ」に続いて総監督、監督というコンビで再び映画を制作することになった。

 やはり特撮好きの2人らしく、初期の「ウルトラマン」そしてその前の「ウルトラQ」に通じる怪しい雰囲気で映画は始まる。副題が「帰ってきたウルトラマン マットアロー1号発進命令」となっていることから、メインはウルトラマンではなく科学特捜隊がメイン。ストーリーの大部分は科学特捜隊の活躍とマットアロー1号の発進シーンとなっている。

 コロナ禍での映画のためか、全体の長さは27分程度と短く、画面も4:3と昭和のサイズ。映像の解像度はかなり低く、デジタルではなくフィルムで作ったことが分かる。製作日を見ると1983年3月完成とあり、庵野秀明が学生の頃に作ったもののようだ。長年温めた作品というのは間違いなかろう。
 マットアロー1号の活躍は全体の2/3に渡り、ここでようやく科学特捜隊隊員の1人がウルトラマンに変身。たしか主演は斎藤工だったはずだが、似ても似つかない。ここにも特撮の技が入っているのだろうか。ちなみに斎藤工は1981年生まれなので、この映画の製作時は2歳。こんな若くから才能を示していたのかと感心しきりだ。

 圧巻は斎藤工のウルトラマンへの変身シーン。おなじみのアイテムを上に掲げるとグングンと大きくなり、巨大な庵野秀明へと変身。

 え? ウルトラマンじゃないの? たぶん予算が少なかったのであろう。ウルトラマンの模様を描いたレインコートのようなものを着ているが、普通に庵野秀明そのもの。予告編やイベントなどに登場したウルトラマンの着ぐるみは本編では一切使われていないようだ。ただ、巨大感は十分に出ている。

 最後、怪獣をスペシウム光線で倒したあとは、掛け声とともに飛び立つ庵野秀明、否、ウルトラマン。公開から2日経過し、数々の評論がなされているが、賛否両論というのも頷ける出来栄えだ。

 以下にYouTubeリンクを貼ったが、映像はいつ消されるか分からないので早めに視聴することをおすすめする。

 ところで長澤まさみはいったいどこに出ていたのだろうか。

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