颯太往復書簡五回:軽トラの鳥居でなんとか結ぶ
颯太様
お返事ありがとうございます。
′苦悩の詩歌′、恥ずかしいさの苦悩と、その正体が一つの詩として詠まれている良い詩ですね。
もっと人の為に動きたい、役に立ちたいなんて、私はどこでそんな欲が深くなってしまったのでしょう。いつの間にこんな物の怪に取り憑かれたのでしょう。物の怪は、正義の仮面を被っているから気をつけないと簡単に騙されてしまいますね。
あなたの詩歌はどうやら心の薬の様です。
しかし、不条理が自らに襲いかかってくることは常です。どうすれば良いか分りませんが、ただ道を平らにし、心安らかにすることだけ実践してみようと思います。
さて、今日は、ローリータンクと軽トラを使って水を運びます。
ローリータンクのローリーとは、英語のlorryで、トラックの意味です。「トラック用のタンク」ですから、トラックに積んで液体を運びます。私の場合は水を運びます。育苗用の圃場は水脈がなく井戸が打てません。仕方がないので、JAの共用井戸でローリータンクに水を汲み、軽トラで育苗用の圃場まで運びます。
軽トラで運んできた水は、エンジンポンプで貯水タンクに移します。その時、ローリータンのホ―スとエンジンポンプを繋ぐ為、軽トラのアオリは自由に開け閉めできないとダメなのです。
これが問題です。アオリの荷掛けフックにロープを引っ掛けてしまうとアオリを開けることができません。仕方がないので、軽トラの鳥居を使ってロープを括れないかやってみます。
「馬つなぎ」をヒントにします。馬つなぎは、馬を杭や柵につなぐ際の結び方です。このつなぎ方は、力の強い馬をつないでおけるほど丈夫であり、なおかつ使用後に解くのが簡単な結び方です。
一般的な馬つなぎの手順を見てみましょう。
ロープを柱の左から巻きつけ、先端が上になるように交差させます。
輪の右側を時計回りに半回転させて輪を作ります。
ロープの端を2つ折りにし、輪に通して引き締めます。
もう一度、端を2つ折りにし、先ほど作った輪に通します。
先端と輪の部分を引き締めて完成です。
しかし今回の問題もいつもと同じで、ロープが長いので、ロープの途中でなんとか括るしかないという問題です。
まず、ロープの片方を鳥居に通します。
通したロープの端をローリー夕ンクの取っ手の穴に通し、反対側のアオリの荷掛けフックに引っかけます。
鳥居とローリータンクの間のロープで輪を作ります。
ロープの端を2つ折りにし、輪に通して引き締めます。
もう一度、端を2つ折りにし、先ほど作った輪に通します。
先端と輪の部分を引き締めて完成です。
解く時も簡単に解けます。