見出し画像

東北新幹線はアスミちゃんを乗せて

2019.01.05

新青森駅を18:38に出る東北新幹線に乗ったのに、まだ東京には着かない。東京は青森よりもずっと明るくて煌びやかで人がたくさんいて、なにより遠いところだ。
雪が積もっているかどうかの境目はだいたい盛岡を出て仙台に着くまでにある。
街の灯りが多くなっていくかどうかは仙台を出て大宮に着くまでには大きく変わっている。
背の高い建物が増えていくのは、大宮を出てからだ。
さいたまスーパーアリーナ、タワーマンション、埼京線沿いをなぞるようにわたしを乗せた新幹線は突き進んでいく。
上野に着く頃には、すっかり青森のことなんか忘れて明日から始まる都会の日々に想いを馳せてしまう。
ああ、あと5分もしないで東京駅だ。明日からまた満員電車に揺られて8時間の勤務をこなして、たまに友達と飲んだり銭湯に行ったりするんだろうね。

西の方の出身の友達に、東北がすごく好きでたまに遊びに行っていると話を聞かされたことがあるけれど、正直東北のどこがいいのか東北出身のわたしはわからない。
日照時間も少なくて、雪も大量に降るし、寒くて、交通の便も良いとは言えない。好きなバンドも東北を超えて北海道にツアーに行ったりするし、みんながうらやむような著名人も特にいない。(太宰治くらい?)

それでもわたしが東北を好きと思えるのはやはり多感な時期に住んでいて自然を感じることができる四季の綺麗さと、家族の温かさと、友達の優しさを精一杯受けることができた場所だからだと思う。まぁでもこんなことなんて地方出身の人はみんな自分の地方に思うものなんじゃないの、ってことばかりだけど。

日本のいろんな地方に行ってここだ!と思える場所をわたしも見つけてみたいが、まだまだその日は遠そうなのでとりあえず青森県の盆地をこれからも愛していきたいと思います。

これで美味しい詩集を買いますね