足尾探索記(エスネコ視点)4

どうも皆さんこんにちは、エスネコです。

またまた今回も足尾洞山です。

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 通洞駅からロータリーを抜けて正面の方向に”観光案内むらおこしセンター”と書かれた看板が見える。歩きながらその看板のある建物を観察する。だいぶ近づいたところで窓にある掲示を見ると、中で足尾銅山観光の割引券があるらしいことがわかった。
 相方が割引券に釣られて入ると、中には優しそうな老婦人が二人居らっしゃった。一人は赤い服で、もう一人は青い服だ。軽く挨拶をすると、とても優しい方達で麦茶とお煎餅を出してくださった。有難い。ちょうど飲み物もなくなり一息つきたかったこともあり、ここで休息をとることにした。
 部屋の中を見渡すと、入り口の方にはお土産用に販売されている商品があり、僕が座っている背後の壁に絵がかけてある。右の絵は昔の間藤を描いた物らしい。赤い服のお婆さんの方はここらへんで生まれ育ったそうで、今はない建物でも何がどこにあったのかを説明してくれた。真ん中の絵は、鉱夫たちが鉱山から出てくる様子が描かれている。
 御婦人方と少々雑談をした後、お暇するときに割引券をいただいて、お礼を告げ外に出た。
 さっきとは打って変わって、だいぶ体の調子がよくなった。次来たときにもここに寄りたいと思うほど居心地が良かった。この記事を読んでいる人も、足尾銅山に行く際はぜひ立ち寄って見て欲しい。
 建物を出て左に曲がる。暫く歩くと、左手に続く道が出てきた。その奥にはあまり目立たない足尾銅山の観光施設の入り口があった。駅からそこそこ遠いな。入場券売り場に入る前にトロッコが走る様子を写真に収める。いくつか撮ったところで銅山観光の入場券を買う。
 奥に入り、トロッコを待つ。待合室的な場所には、足尾銅山に関する物品が展示されていた。鉱夫の等身大人形や鉱山で採れた鉱石などがある。
 5分ほど待機して機関車に押されるトロッコがやって来た。トロッコはいくつか連なっており、僕たちは5と書かれたトロッコの一番後ろに乗り込む。トロッコ乗り場は丘の上に建っており、機関車と共に下降して鉱山の手前で一時停車。そこで機関車と切り離され、気動車となっているトロッコが一人でに動き出し、鉱山の中へと入っていく。

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 鉱山の中に入った途端、一気に気温が下がり、湿った空気に変わる。肌に触れ、肺の中に入る空気の冷たさが心地いい。トロッコに揺られながら150mほど進んだところで停車し、下車する。完全に坑道である。見学用のルートが足元に掲示されているので、指示に従って歩く。
 聞いた話によると、坑道の全長は1200kmを超えているとか。坑道の中は観光用に証明が所々に設置され、歩き易いように工事されていた。が、思ったよりも天井が低い箇所があり、思いっきり頭を打つけてしまった。頭をさすりながら歩き続ける。補強されてはいるが、補強用の木材の隙間から水滴が落ちている。時折体に冷んやりとした水滴が落ちてくる。鉱夫の人形と説明書きが一定間隔ごとに置かれ、江戸、明治、大正、昭和と、進むにつれて採掘技術・環境が現代に近づく仕様になっている。偶に坑道の壁が剥き出しになっているところがあり、緑青が吹いている。
 緑青地帯が終わり、博物館の様な空間に出る。色々と書いてあるが、生憎僕の興味は偏っていて、ここらあたりのことには疎い。詳細を知りたい方は、相方のかふぇいんの記事を参照願いたい。展示されているものは、銅インゴットや鉱石(宝石)、足尾本山駅と足尾砂防ダムの模型、そして強い存在感を放つ赤色の電気機関車だ。
 資料としての写真をいくつか撮り展示場(パンフレットには銅(あかがね)資料館と書いてあった)を出る。すると先程トロッコで降ってきた広場に出た。ここにも銅山についての資料が展示されているようだ。
 削岩機を体験できる装置や、実際に使われていたトロッコ。また、広場の端には江戸風な門構えをした鋳銭座がある。鋳銭座とは今でいう造幣局だ。建物の外壁には大きな寛永通宝の模型が着いている。二つのうち一つには”足”と書かれている。足の文字は足尾で作られたものに書かれ、足尾銭と呼ばれている。
 鋳銭座の中に入る。ここでは中に江戸時代に使われていた寛永通宝の作り方を模型で表したものが展示されている。寛永通宝の製法が半分を占めており、もう半分には日本で使われていた様々な硬貨や外国の硬貨まである。
 鋳銭座の見学を終え、再び広場に出る。そこで、トロッコと機関車が降下してくる様子を何回か撮影した。トロッコ乗り場の方向にある階段を昇りお土産屋に行く。店の中は良くある感じのお土産売り場だ。入り口から右手に、寛永通宝や戦時中の貨幣、GHQの占領下にあるときの紙幣が売られていた。どれを買おうか物色していると店番のおばちゃんが豆知識的なことを解説してくれた。このおばちゃんがやけに硬貨に詳しい。きっと営業用の知識を付けているのだろう。聞いていて面白い解説だった。ここですべてを書くことはできないので、興味のある方はお土産屋の貨幣コーナーによってみて欲しい。
 寛永通宝を五枚(内、二枚四文銭、一枚四文銭、一枚一文銭、一枚足尾銭)買い、僕たちは通洞駅に向かうためにお土産屋を後にした。

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