リスク回避の方法と見極め
この記事ではエントリーすべきではない局面の見極めとリスクを回避したエントリー判断について書いていこうと思います。
しっかりと理解できれば逆行やノイズを恐れなくなり、自信を持ったエントリーができるようになります。
リスク回避の方法と見極めに関しては色々な方法がありますが、誰もが使ったことのあるインジケーターを使って説明した方が理解しやすいと思いますので、ここでは移動平均線を使った方法で解説していこうかなと思います。
おそらく移動平均線は誰もが使ったことがあると思いますが、皆さんはどのようなことを意識して移動平均線を使っていますか?
よくあるのは移動平均線の並びや向きやクロスなどを意識する人が多いかと思います。
ただそれだけだと専業になるにはキツイかなと思います。ここに時間的優位性を意識するだけでも大分変ってくるので取り入れてもらえたらなと思います。時間的優位性というのは時間経過とともに強くなる優位性のことです。時間的優位性を味方につけると自信を持ってエントリーができるようになるので多少のノイズではメンタルをかき回されなくなります。
基本的に相場というのは分かりにくい相場の方が圧倒的に多いですよね。
例えば移動平均線を使ってトレードをしている時複数の移動平均線が綺麗に並んでいたり方向が一致してることはそんなに多くはないですよね?大抵は短期線、中期線、長期線の方向がバラバラだったり、クロスしかかっていたりしていて、レートがどちらに引っ張られるのか迷ってしまう人も多いと思います。
初心者の方だと何も考えずにゴールデンクロスだとかデッドクロスでエントリーする人もいると思いますがそれだと大抵はやられます。
例えばこのような場面
![画像1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/85491634/picture_pc_aca1bade37d8c096a24047a331bceca9.png?width=800)
このような場面だと皆さんはどの辺りでエントリーしようとしますか?
例えばこのポイントはどうでしょうか?
![画像2](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/85564800/picture_pc_da02638a3ee65c91060a31b4eb2b9ea2.png?width=800)
チャートの右側が見えない状態だったらこのようなダウ理論の高値切り上げ安値切り上げでエントリーしようとする人もいるかもしれません。
確かにダウ理論的には悪くはないかもしれませんが忘れてはいけないのは長期移動平均線と中期移動平均線の間に挟まれているということです。そしてそれぞれの移動平均線の向きを考えると保ち合いの可能性は大いに捨てきれませんし、長期移動平均線の向きに引っ張られる可能性も大いにあります。どちらにせよ長期の移動平均線と中期の移動平均線の間で推移しているような保ち合い相場でエントリーするのはあまり得策ではないということです。
![画像3](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/85564810/picture_pc_0515ca66a4cf1618bbd9bd92a2dbcb06.png?width=800)
つまりこの区間で推移している間はガチャガチャしない方がいいということですね。
ならどうするか?となると恐らく皆さんブレイクエントリーを狙うと思います。
例えばこういうブレイクポイントだとどうでしょうか?
![画像4](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/85564887/picture_pc_5665eca157dda6d762c7bf1cdbf3c394.png?width=800)
チャートの右側が見えない状態だったらエントリーしてしまう人も多いのではないでしょうか?
確かにダウ理論的にも高値切り上げ安値切り上げの上昇トレンドの定義ですし、レートが長期移動平均線もブレイクしているので根拠としては悪くないように感じるかもしれませんがリスク回避と時間的優位性の点から考えるとまずエントリーすべきではないです。
私が以前書いたグランビルの法則を思い出してください。
そうです。売りシグナルのパターン2の部分です。長期移動平均線の向きが下向きである以上一旦ブレイクしても再び下に引っ張られる傾向があるということです。
相場の大原則の1つでもあるグランビルの法則がしっかりと頭に入っていればこういうポイントではエントリーしようとは思わなくなります。
ではこれらのブレイクポイントはどうでしょうか?
![画像5](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/85565020/picture_pc_b0abce1000e145fc30d19fc846a57849.png?width=800)
これらもさっきと同じですね。レートが長期移動平均線をブレイクしていますが長期移動平均線の向きは下を向いている以上再びグランビルで下に引っ張られるリスクがあるのと、最高値直前の安値割れ(トレンド否定の定義)からの高値切り下げ(トレンド転換の定義)でダウ理論的にも優位性が崩れてしまっています。ということでエントリーすべきではないです。
ではこのポイントはどうでしょうか?
![画像6](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/85565099/picture_pc_0f12953ed19af43feba584da7db64875.png?width=800)
長期移動平均線をブレイクし前回の高値を更新し、その後に中期移動平均線付近まで戻ってきて中期移動平均線に支えられるような形になっています。
これは中期移動平均線レベルではグランビルの法則の買いパターン3でエントリーしたくなるとは思いますが、長期移動平均線レベルの向きはまだ下向きのままだということも忘れてはいけません。またダウ理論的にもまだこの時点ではトレンド否定の定義の段階です。直前の高値つまり赤の点線を超えて初めて押し安値が確定するので、移動平均線に触れた段階では押し安値ではありません。
![画像7](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/85565331/picture_pc_301c85df05d2ef6a21b2ed772f2bb953.png?width=800)
赤の点線を超えて初めて押し安値確定の高値更新で高値切り上げの安値切り上げで上昇トレンドの定義になります。
私が以前書いたダウ理論の記事をまだ読んでない方は読んでみてください。どこよりも詳しく解説していますので。
ではこのポイントはどうでしょうか?
![画像8](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/85565487/picture_pc_58b0619d1edca2090e1602c3b1e1e287.png?width=800)
このポイントだと先程の安値が押し安値確定となり、高値更新なのでダウ理論的にも上昇トレンドの定義にはなります。ただ移動平均線と離れ過ぎているということも忘れてはいけません。基本的に移動平均線と離れてる位置からのエントリーというのはリスクリワードの観点からもエントリーすべきではありません。高値掴みとなり損切位置が深くなってしまうからです。また忘れてはいけないのは長期移動平均線も下向きのままになっていることからもエントリーすべきポイントではないと言えます。
ではこのポイントはどうでしょうか?
![画像9](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/85565640/picture_pc_ad94f58615863a46fc30efbdca212df9.png?width=800)
レートが移動平均線を割っているのでチャートの右側が見えない状態だったとしたら買うのを躊躇する人も多いかもしれません。ですがグランビルの法則を思い出してください。そうですグランビルの法則の買いパターン2です。
移動平均線を一旦下回ったとしても移動平均線が上を向いている以上再び上に引っ張られる傾向があります。またダウ理論の観点からも優位性は崩れていません。ちなみに移動平均線というのは期間外の終値は新しい終値が確定すると古い終値から消えていくようになっています。つまり一見相場があまり動いてないような保ち合い相場だとしても時間経過とともに新しい終値が確定していくと古い終値が消え平均値がどんどんレートに近づいてきます。つまりこの頃になると今まで下向いていた長期の移動平均線も水平からやや上向きになりレートを支えるような形になってきています。こうなるともう完全に買いが優勢になってくるのでエントリーをするならこういうポイントがこの画像の中では最もリスクを回避できるエントリーだと言えます。
時間経過とともに強くなる優位性。時間的優位性を意識できるようになると焦らなくなります。そして時間的優位性を意識できるようになると自信を持ってエントリーができるようになるので多少のノイズではメンタルをかき回されなくなります。
時間的優位性を意識する方法は他にもありますが。誰もが使ったことのあるインジケーターを使って説明した方が理解しやすいと思いましたので、ここでは移動平均線を使った方法で説明させていていただきました。
他のやり方はまたの機会に書こうと思います。
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