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【MBTI】真島誠のENFJ物語【池袋ウエストゲートパーク】

 ニューヨーク (芸人) の企画に触発され、つい先日、池袋ウエストゲートパークを視聴。
 作品が面白かったのは勿論、ENFJとは何たるかを改めて学ぶことができたため、忘れない内に、また熱が冷めない内に考察しておきたい。

 この物語のキモはマコト (ENFJ) の「巻き込まれ体質」と「リーダー性・カリスマ性」にある。
 マコトといえばブクロの ”トラブルシューター” で、要は他人を放っておけないお悩み解決人的キャラクターである。
 MBTI的に言えば、バラバラになっている個人・集団・組織 (Ti) を連携・協調させることで問題を解決する人 (Fe) 。

 マコトの口癖である「めんどくせぇ」も、結局のところ他人を放っておけない自分自身に対する苛立ちとも言え、ドラマも後半になると、このセリフを放つシーンは半ギレ状態であることが多い。
 身も蓋もない言い方だが、そもそも放っておけばそれで済む話なのだ。でも放ってはおけない (主機能Fe) 、だから「めんどくせぇ」。

 マコトがENFJであるという点がポイントで、同じくFeを主機能に持つESFJではここまで不特定多数の人間の問題に首を突っ込むことにはならない。あくまでもENFJだからこそドラマが成立したといっていいだろう。
 その根拠がマコトの「リーダー性・カリスマ性」にある。

 友人のトラブルから始まり、やがて警察やヤクザまで巻き込む規模の大事件に発展し、巻き込まれていったのはマコトの直観型の気質に依る所が大きい。

 例えばマッチングアプリは人と人を結びつけるシステムだが、生身の人間が両者の間を取り持った場合を想像してほしい。
 その場合、両者を引き合わせた仲介人が場を取り仕切ることになるのが自然だろう。すなわち、この仕組みこそが内向直観型にリーダー性、カリスマ性をもたらしているということになる。
 一介の果物屋のせがれが、ギャング・やくざ・警察等の垣根を越えてそれらの問題に深く関わっていき、最後にはブクロの中心人物として一連の事件にケリを付けるという動きは内向直観の働きがあればこそなのだ。

 というより上記のようなムーブがこのタイプにしか有り得ないことだと言ってもよいだろう。
 地に足の着いたESFJであればはここまで事を大きく発展させることはしないだろうし、ENTJやESTPなどは非常に精力的・活動的ではあるが、ドライで冷めたタイプでもあるため、ここまで他人に踏み込んだり巻き込まれることはないだろう。
 結局、マコトのENFJ特有のムーブが際立っているという点にこのドラマの面白さがあるといえる。もちろんMBTI抜きにしても非常に面白いドラマだったのは確かだ。

 コンプラに縛られ良くも悪くも無難な内容の多い昨今のドラマと比べると、とても刺激的で伸び伸びとした良作であったと思う。
 また、援交や引きこもりといった当時の社会問題も多分に盛り込まれており、ある種時代を象徴するようなドラマでもあった。
 さらに優秀なプロデューサー、著名な監督・脚本家、そして豪華なキャスト陣という点も加味すれば名作、少なくとも良作には当たるのではないか。

- 余談的考察 -

 現実の池袋は分からないが、作中の”ブクロ”はかなり荒廃した街となっていた。そんな街を一つにまとめ上げるキーマンとなったのがマコトというキャラクターであった。
 以上をMBTI的にまとめると次のようになると思われる。

 すなわち、ギャングをはじめとする若者・それを取り巻く大人が利己主義に走り (Ti) 、倫理を失った (Fi) 。
 それによって (警察・ギャング・やくざ等の) 権威・システムは歪な形で機能、あるいは機能すらしていないという状況に陥ってしまった (Te)。
 したがって、人と人とのつながりを再認識することでそれらを正常な状態へと戻す動き (Fe) が求められた。
 だからこそ真島誠 (ENFJ) が主人公でなければならなかったのである。

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