防音壁と植栽併設による防音効果について

防音壁と植栽併設併設による防音効果を認める文献を紹介します。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/souonseigyo1977/21/3/21_3_175/_pdf/-char/ja

植 物 に よ る騒 音 低 減 効 果 の主 な 特徴現在 明 らかに されてい る基本的 な植物影響 は,次のよ うである。(1)音 の低 減効果 は低 周波 数 では認 め られず,約1,000Hz以 上で周波数 とともに増大す るが,幹,枝,特 に葉 の散乱効果が大 きな要 因である。(2)音 の低 減が始 まる周波数 は葉 の大 きさに反比例する傾 向 にあ るが,そ の関係 は未解 明である。(3)低 減効果 の効率 を最 大にす る最適植栽密度が考えられ る。それは数枚 の葉 が重 ならず に,葉1枚1枚が十二分 に音 を散乱 し得 る植 栽密度であ る。(4)大 規模 な樹 林地等の調査 で1,000Hz以 下 において20dB程 度 の大減 衰が得 られ るが,そ れ は地表面 に因 る超過減衰 であ り植 物の直接的効果で はない。 しか し,植 物 が地表面 を吸音性 に保持 している故 とも言 える。

5.植 樹 帯 と防音 壁 の 併 用 効 果堤 に沿って列植 した樹 木 の葉 の有無 に関 して測定した堤 の防音効果の報告13)に よる と,挿 入損失 は葉が有 る と中周波数 域で増加 し高周波数 域 で減少 し,葉 が ない と樹木 のない堤 と同様 になる。 この一見 した ところ妙 な結果 と測定法等 の記 述が不 明確 なため筆 者 らは結果 を重視 しなか った。しか し,1/10縮 尺模型実験 で幼 木 を利用 した植樹 帯 と防音壁の併用実験 を実施 した ところ,そ の ような場合 も出現す る事実 が判 明 した8)。

5.2測 定 結 果結果の表現 には防音壁 だけの場合の各受音点音圧 レベルから植樹帯を併用 した場合 の音圧 レベル を差 し引いた レベル差,す なわち植 樹帯 と防音壁 を併用 した場合の植樹帯 の効果 を用 いる。結果 の一例 として音源から距離 α6mの 各受音点での レベル差 を検討す る。(1)植 樹帯が 防音壁 の前 方 にあ る場合図一6の(a)に 結果 を示す 。植樹 帯の効果 は10kHz以上 に認 め られ,周 波数20~25kH忽 辺 りに良い効果が出現 している。地上高 さ0.35mは わずか に壁のM影とな らない部分 であるが,植 樹 帯の効果が最 も良い。これは壁 の効 果がない位 置で も壁 の前 にあ る植樹帯を通過 した音 が減衰 してい るこ とを示 す。

.お わ り に音 と植物 との関係 には,上 述 の ように未解明 な点が多 々ある。 また,大 幅 な減音 目的用の高い壁 と植樹帯 の併用 で は,減 音 の狙 い所 によ り併用法が異 なる。 なお,低 い壁 との併用 では壁 が低周波音 を低下させ植樹帯 が高周波音 を低 下 させ るが,こ の件 については別 の機会 に述べ たい。


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