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公害対策設備追設する際の設計手順

60年前の文書ですが当たり前のことが書いてあります。
当たり前のことですが、環境基準値ギリギリでの機種選定で良いとは書いてません。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/seikatsueisei1957/15/6/15_6_177/_pdf

公害防止施設設置の技術的手順

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 公 害防止装置選定の基本的考え方
(1)公 害防止施 設の基本計画ある公害問題が生 じた場 合,その防止施設設置のための技術的検討 から行なわねばな らない。 その段階か らプラン トメーカー などにまか して しまうケース もあるが,少な くとも基本計画段階は発生源 自らが行 なうべ きであり,相 手に生産工程,生 産施設の内容 を理解 させ,適 切な防止施設 を計画 させ ることは困難である。 その基本計画作成のために必要 な作業は次の通 りである。
i)発 生源の質,量 の把握:
工 場 などで排 ガス,悪臭,廃 水,騒 音 などが発生 してい る場合,そ の発生源が1ケ 所でなく,数 カ所が総合 して問題 となっているケースが多い。 また,発 生源 が特定の装置 であっても,そ の装置の どの部分 か ら発生 しているかを明 らかにしなければならないケースもある。その各発生源 につ いて,公 害源 の質,量,排 出時間 などを綿密 に調査 することか ら,公 害防止計画が出発 しなければならない。排 ガスの場合はその排 ガス量,排 ガス組成,悪 臭の場合 はその悪臭気体量,悪 臭の特性,廃 水の場合 はその廃 水量,水 質,騒 音の場合 はその強度,周波数などを測定する。

途中省略

それ らの調査 によって,各 発生源 ごとの発生濃 度 または強 さ,発 生量,問 題 となる成分,そ の他の最大値,最小値,平 均値 が時間,日,年 別 に明 らかにされることにな り,防 止施設の最 も重要 な設計諸元 がっかめることになる。
ii)処 理 目標値の設定:
自 然環境 に排出 しうる各種公害源の基準値 は法的 に示 されており,地 方 によっては,それに上乗せ した公害防止 条例を定 めている。 したがって,ま ず その基準値以下におさえることを公害防止装置の 目標値 と しなければな らない。

途中省略

したがって,法 的規 制値 よりもさらに きび しい 目標値を設定 して,防 止装置 の計画を進 めることが望 ましい。

途中省略

(2)見 積,発 註,施 工の手順
(1)の検討 によって,公 害防止施 設の基本計画が煮つ まると,実 際の施 設の発註,施 工の段階となる。 そこで,その手順 と注意事項 を解説す る。
i)見 積条件:(1)の 検討事項は防止施設設計上の基本諸元,見 積条件 に相当するものであ り,公 害源の質,量,処 理目標値,装 置の除去能,設 置場所,そ の広 さ,処理方式,フ ローシー ト,使 用機 器や部品の指定 などが行なえることになる。それ らの他 に,各 々の工場 ごとに,種 々な条件 を付加せねばな らないことが多い。

途中省略

第5に は,そ の防止装置の施工 を施工者の全面的責任施 工とするか,部 分 的責任施工(発 註者 自身が一部の責任をとるとか,指 定 した装置を一部 に用いる場合はその部分 をはず し,そ の部分の装置納入者 に責任 を持たせる)と す るか,全 面的に発註者が責任を持つかを指示 しなければならない。発註,契 約時 にもそれは問題 となるが,施 工後,他 の見積 条件 を満 たさなかった場合 に,よ く トラブルを生 じる。従来の事例では責任施 工させたか らといっても,不 完全なまま放置 されている不良防止装置が多く,そ の多 くは見積時や契約時 に充分な条件が示 されていなかった とか,プ ラン トメーカーが相談 を受けた場合の公害源 の試料が実状で違 っていた とかで,責 任 が追及で きないでいる。一般 に,責 任施工の程度 を大 きくするほ ど,見 積額 が大 きくなるので,必 ず しも,責 任施 工が合理的であるとはいえない。保証期間も同時に明示すべ きであ る。第6に は,施 工時および完成時の検収条件を示す必要がある。前記の見積 条件 に対 して,そ れを完全に満 た しているか どうかをチ ェックする方法を見積時 に示 しておくことが,ト ラブルをさけるために必要である。それも,双方協議 によって,検 収条件を定めるのでは何の役にもたたないので,少 なくとも,主 要な問題点は木剣 又条件 を明記すべ きである。 また,土 木工事や完成後は内部のチェック しにくい装置は製作,施 工途中での検査 を行 なえるようにすべ きである。ただ,見 積時には責任,保 証期間,検 収条件,試 運転 調整方法な どをすべて示 さず に交渉 し、発註,契 約時にそれ らの条件 を出 して,実 質値 下げをさせることも賢明で ある。
ii)見 積書の要求:
i)の 見積条件 を示 して,プ ラントメーカーや装置 メー カーの信用で きる数社 から比較見積 をとる。 メーカーの選定は同種の装置の実績があるか,その設計,施 工能力が充分であるか,関 連の研究をよ く実施 しているかを見極めて行 なわねばならない。大 きい企業の中には,中 小 プラン トメーカーや下請 にほ とん どやらせて,名 義だけ出す ものが多いから,そ れをよ く調査 し,企 業の大小 にこだわ りなく,直 接的な技術 力の あるところを相手にす ることが望 ましく,経 済的に有利でもある。 また,発 註時 にはそのメーカーの経営 内容 なども調査 し,施 工中や完成後のアフターサービスに不安のないところを選定せねばならない。

上記の記述を参考とすると、基本設計にあたって、騒音最大値(想定値)、騒音対策工事後の実測最大値、騒音対策機器の(騒音軽減効果に関する)設計値を数字的に明らかにする必要があります。

数式的には
騒音最大値(想定値)- 騒音対策機器の軽減目標値(設計値)< 環境基準値
かつ
騒音対策工事後の実測最大値 <  環境基準値
となることを目標となります。

設計どおりの騒音軽減効果が得られた場合は
騒音最大値(想定値)- 騒音対策機器の軽減目標値(設計値)< 騒音対策工事後の実測最大値 <  環境基準値
となるはずです。


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