低周波音による「建具や家具のガタツキ現象」

深刻な低周波音被害発生した場合、建具や家具のガタツキ現象を伴うといわれています。
汐見文隆「隠された健康被害」(1999)にて、建具や家具のガタツキ現象を解説した箇所がありますので、当該箇所を転載いたします。

低周波音の被害には、建具や家具のガタツキがあります。
低周波音症候群を狭義の低周波音公害とすれば、広義の低周波音公害にはこのガタツキが加わります。
このガタツキ音によって、地震かとびっくりさせられたとか、頻繁であればその音が耳について寝られないとか、それで翌日気分がすぐれないとか、睡眠薬のためにボーッとしているとかの苦情が発生します。

低周波音症候群が人間への直接被害であるのに対し、ガタツキは物質への被害ですが、ガタガタ音によって、二次的な被害を人間に与えるわけです。被害そのものは低周波音ではなく、騒音による被害ですから、低周波音症候群ほどの深刻さはありません。ガタガタする戸やふすまを取り外すとか(冬は困りますが)、ガタツキを来さないように詰め物をするとか、被害現場の対策である程度緩和できる点が、発生源対策を必須とする低周波音症候群(狭義の低周波音公害)との違いです。
ガタツキは低周波音が70デシベルを超えると発生しますから、低周波音症候群の連続音55デシベルよりも大きな値です。
また周波数が低いひど発生しやすく、50ヘルツを超える周波数の高い空気振動ではまず発生しません。
ガタツキ音は騒音ですから誰にも分かりやすいため、低周波空気振動とはガタツキのことだとすり替えて、本当の身体被害の存在を否定ないし無視する行政も稀ではありません。だまされてはなりません。

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