ただミーハーなアラフィフが節操なく、好きなエンタメを広く浅く語るだけのノート
始まりはチェッカーズだった。
小学校高学年の時、テレビで「涙のリクエスト」を聞いて、
「この声が好き、この曲が好き!」と思った。
色とりどりのチェックの衣装を着て、前髪の真ん中だけちょっと長いヘアスタイルのお兄さんたちを見て、子供ながらも「なんかすごくかっこいい!」と悶えたのを覚えている。
親が厳しくて、テレビを見るのもままならない状況だった私の味方はラジオだった。当時、ニッポン放送では月〜金曜日の11時半くらいから10分程度、チェッカーズの番組が流れていて、それこっそりと聞いていた。
私は中学受験をしたのだが、毎日12時くらいまで起きている娘を見て、親は「勉強を頑張っている」と思っていたのだろう。「あまり無理しないで」とは言われたけれど、夜更かしを咎められることはなかった。
親に嘘をついていたのだけれど、その番組までは一生懸命勉強をしていたので、罪悪感はなかった。ウィンウィンということで片付けていいと思う。(え?)
私立の中学校に無事合格したことで、私のミーハーは加速した。
もう高校受験はない。大学受験の準備に入る高校3年生までの5年間、好きなことができるのだ!
チェッカーズのライブに行ったり、映画が公開されれば早朝から並んで舞台挨拶を見に行ったり。コピーするためにバンドを組んだりもした。
今から30年以上前のことだと思うと、なかなか早熟な楽しみ方をしていたと思う。
しかし、チェッカーズの活動にも少しずつ変化が現れてくる。
インタビューを読んでいても、アイドル的な人気に疑問を持ち、もっと音楽性をアピールしたいという欲求と、人気の維持や売り上げという現実との間で、もがいているのが伝わってきた。
私はオリジナルソングが一気に増えた「FLOWER」という彼らの4枚目のアルバムが大好きで、本当にずっとそればかり聞いていた。
実際その作品はとても評価されていた記憶がある。
そのアルバムが評価されたからこそ、彼らはアイドルからアーティストへの変貌を渇望し、オリジナルソングにこだわり、でもそれと反比例して少しずつ売り上げは減っていった。
人気と音楽性の間でもがき、葛藤する中、彼らのバンドとしてのパワーは少しずつ削られていったように思う。
当時中高生だった私は、彼らがリリースする曲に少しずつ輝きが失われていくのを感じていた。
もう先は長くないことも、なんとなく理解できた。
そして残酷な話だが、終わりが見えかけたグループを愛することは私にはできなかった。バンドブームが始まり、その人気を牽引したユニコーンがデビューし、私はあっという間に彼らに鞍替えした。
結局チェッカーズは活動10年ほどで、解散を決めた。ソロで活動を始め、成功を収めるメンバーもいたけれど、グループが私にもたらしたほどの熱狂を感じることはなかった。
その後はユニコーン→Mr.Children→AAA→東方神起→BTS→日本のボーイズグループと、私のミーハー人生は続いている。
その対象は当初、バンドだったけれど途中から対象はボーイズグループに変わっていった。(正確にはAAAは男女混合なのですが、私の愛し方はボーイズグループのそれと変わらなかったので)
どのグループもアイドル的な人気から始まり、成長してアーティストと呼ばれるようになる。(またはアーティストと呼ばれることを望むようになる)
大人たちに言われるままに活動を始め、自我が芽生えて自分達の理想を追求していく。
それはある意味、真っ当な成長を遂げているからだと思うし、当たり前の変化だと思う。しかし、それがうまく行くとは限らない。
不器用に四方八方にぶつかりながらも進んでいくグループもあるし、一度は歩みを止めるグループもある。力任せにぶつかって自分達も傷つきながらも、壁を壊していくグループもいるし、まるで波乗りを楽しむように一見世の中と迎合しながらも虎視眈々と自分達らしさを築いていくグループもいる。
結局のところ、私は彼らの生き様をエンターテインメントとして楽しんでいるだけなんだろう。
誰からも見向きもされない厳しい下積みから始まって、成功へと駆け上がっていくルーザーウィンストーリーが人気なのは、全世界共通だ。
その中で生まれる仲間との絆、意図しないすれ違い、大人たちの思惑と自分達の理想の間で生まれる葛藤、壁を越えるために必要なもの、捨てなくてはいけないもの……
ノンフィクションで彼らが体現するそんな姿に、時に共感、応援し、一方で勝手に諦めたり、投げ出したり、無責任に彼らの人生を消費しているだけなのだ。
そう考えるとミーハーって罪深いなあと思う。(他人事みたいに言ってすみません)
40年近く、ミーハーに生きてきた。
21世紀に入ってから、オタクと言う言葉が市民権を得たけれど、
私はオタクではないことは自覚している。
ひとつのものをひたむきに愛し、熱中することができない。
その時々で好きになったものを瞬発的に、短い間熱狂的に好きになるだけだ。
【(ミーハーとは)流行に左右されやすく、もともと興味がなかったのにも関わらずにわかに熱中する者(にわかファン)に対する蔑称として用いられる byウィキべディア】
正直に言うと、アラフィフになってミーハーとなると、感情を分かち合える仲間はいない。割とみんな一途に一つのグループを長く推してたりする。
私はこのミーハーなエネルギーを発散する場所を求めていた。ノートはそれにピッタリだ。私の周りでノートを愛用している人はいない(すまん)。
Twitterやインスタグラムだと、身バレする可能性を感じるけれど、ノートではその危険性は全く感じない。(本当にごめんなさい)
これからは自分勝手に思いのままに、ミーハーな感情を綴ります。
いろんなグループを取り上げる節操のない場所になります。
共感してくれる人がいたら嬉しいけれど、いなくても落胆したりはしません。
やっと、自分の思いを思いのままに綴れる場所を作れたことに
今は喜びしかありません。