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clusterを利用したリアルライブシミュレーション


はじめに

大仰なタイトルですが、やったことはリアル会場と同じ寸法のワールドを作成し、ステージの見え方を確認したという、とてもシンプルなものです。

#VRide ! Vol.6 参加

VRアイドルグループの えのぐ のみなさまが主催するリアルライブイベント、VRide! 。このライブにダンサーのりりぃさん、ピアニストのおまるさんが活動をしているパフォーマンス集団 踊楽-ODORAKU- が出演するということでVR空間clusterから現地会場への映像送出を担当しました。

踊楽-ODORAKU-については紹介し始めたらほんとに終わらなくなってしまうのでここでは割愛します。
メンバーのおまるさんからカメラ送出のお話をいただいたのが2023年12月の中頃、Vol.5の少し前だったのでちょうどいいタイミングと思い、実際に会場の様子を見に行ってみました。
で、えのぐさんはもちろん、ゲストの皆様のパフォーマンスが素晴らしく、またえのぐサポーター「えのぐみ」の皆様のゲストを精いっぱい盛り上げようという姿勢にも当てられてしまい、「これは中途半端なことはできないなぁ」と思ったのが今回のワールド制作のキッカケでした。

Vol.5 見て行きました。

”そこにいる”感のある映像にするには

会場は渋谷道玄坂の"GRIT at SHIBUYA"というライブハウス。近くにBunkamuraやO-EASTなどのホールやライブハウスが立ち並ぶエリアで、こちらのGRITもワイド5mの大型LEDビジョンや、音響機器へのこだわりが感じられる上質空間。2021年10月にオープンした比較的新しいライブハウスですがいずれ「渋谷といえばGRITだよね」と言われるようになるでしょう…いや、そういうレポートをしたいわけではないので話を戻します。(とにかく音も照明演出もめちゃくちゃいいので推しのイベントがあったら是非行ってみて!)

さておき、この熱気の中でステージ(LEDビジョン)がどう見えるか、「出演者がそこにいる」撮り方ができるか、というのが僕の課題となったわけです。
反対に、VRide!のような「同じ空間にいることを楽しめる」イベントであれば下手なカメラワークでの演出はいらない、ほぼ固定でいけるなと確信を持てたのは大きな収穫でした。

制約を踏まえた画角調整

ネックになるのはカメラの画角です。
LEDビジョンはホリゾント全面を覆う大型のもので、上端はムービングライトなどの照明器具と被っています。
下側は上記写真のように、少なく見積もっても1/4ほどは前にいるお客さんで隠れます。
出演者が立つcluster側のワールドを現地会場と地続きにしたい。カメラ位置の調整をどうしようかなぁと頭の隅で考えながら「この会場、clusterで作ろう…」と思い至りました。

会場と地続きの…うーん…ウワアア!シュネーサーン!!シュネーサーン!!!

モデリング

超絶シンプルモデリングです。Blender上に会場の平面図を置き、Cubeを配置しただけ。z-fightなんて気にしません。

日付は12/17 Vol.5から帰ってすぐ作ったらしい…

ライブ会場やイベントホールは利用者向けに図面、設備の仕様などを公開していることが多く、GRITのモデリングもウェブサイトで公開されている平面図を利用しました。
これをUnityに取り込み、clusterのスクリーン、ムービングライト、観客に見立てたオブジェクトを配置して「バーチャル現地」の完成です。

観客の身長は170㎝くらい

運用してみる

cluster側の会場はイカめしさんの「イカさんの音楽室」。スチームパンクのイカしたワールドをVRide向け特別仕様にしていただきました。

こちらは通常ワールド

このステージにバンドメンバー5名・ダンサー5名が並びます。(しかも全員揃うのは本番当日!)
画角はかなりシビアになりそうです。

会場を中継し、りりぃさん、おまるさんと打ち合わせ

踊楽リーダーのりりぃさん、おまるさんに実際の映像を確認してもらい画角を決めていきます。
cluster会場である「イカさんの音楽室(VRide特設)」と検証用ワールド「バーチャル現地」を中継し確認することでメンバーの立ち位置とカメラ位置がおおよそ決まりました。

テープで覆って目印にします

会場後方のお客さんからも見える画角となると、やはり当初の目算通り1/4ほどはデッドスペースになりそうです。この画角をベースにソロパートの位置調整をしました。
最終的には当日のリハーサルで現地映像を確認していただけるとのことだったので、他にもいくつかパターンを考えてはいました。

当日リハーサル

いよいよ本番当日。会場へ映像を送出し、現地でVRide!運営スタッフさんにチェックしていただきました。
予想していたよりもカメラ位置が低かったらしく(出演者の位置が高い)、わずかですがメンバーを大きく映せることになりました。

ちょっとわかりにくいですがカメラ位置修正しました

2/4追記 もともと使用していた人物モデルはピクトグラムだったので現実の人間よりも頭部が大きく、肩幅も広いものでした。そのため画面下側は実際よりも大幅に見えにくくなっていたのかもしれません。また、実際のお客さんはそれぞれ自分の見やすい位置に都度動くだろうから、ある程度は攻めた画角でもよかったかもしれないと思いました。

人物モデルをリアルなものにしたらスクリーンの視認性がアップしました

本番を終えて

カメラコントローラを握る手は大体いつも緊張の汗でヌルヌルです。
あっという間の10分間でしたが無事に終えることができました。

Vol.5で現地を下見した際のメモを見返すと、こんな風に書き留めていました。

一番重要だと思ったこと
 お客さんが「こっちを見てくれている」と感じられること
 同じ空間にお客さんがいて、そちらに意識が向いていると感じられれば
 最低限、カメラは完全固定でも成立はする
 会場の雰囲気がすごくいいので、回線さえつながっていれば何とかなる
 (それだけだと自分が不安なのでカメラワークは何か考える必要アリ)

komatsuのVRide下見メモ

これ、さらっと思いついたことを書いたんですが、もの凄いことなんだと後になって気づきました。
あの会場の空気感を作るためにえのぐ運営の皆様が積み重ねてこられた時間を思うと震えが止まりません。そして何よりめちゃくちゃ楽しかった!
最高の時間をありがとうございました!
やはり音楽って最強なのでは?


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