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秘密主義はそこそこに

こんにちは。高校5年生です。

今回のテーマは「秘密主義」です。

私は昔、自分のことを語りたがりませんでした。小学校低学年から中学年の頃は特に。理由としては、自分の家が変わっているのだとだんだん認識するようになり、家のことを話して変な子だと思われるのが嫌だったからです。「秘密主義」と言ってしまえばかっこよく聞こえますが、ただ恥ずかしくて隠していただけでした。高校生になるとむしろ面白がられると気づき、変わった家庭事情を話すことに抵抗がなくなっていくのですが、それは10年後のお話です。

しかし最近遭遇したある出来事を機に、「自分のことをあまりにも語らないのは相手を困らせることもあるのか」と気づきました。

それは文通でのこと。高校2年生からお手紙のやり取りをしているペンフレンドさんの1人に、ご自身のことを全く書かない方がいらっしゃいます。もう5年ほど手紙交換を続けていますが、私が知っているのはその方の住所と名前だけ。名前からして女性なのかなと予想しておりますが、あくまでも予想でしかありません。年齢もご職業も趣味も全く知りません。

最初に私が自己紹介したとき、お相手のお返事で自己紹介の文がなかったため「あれ?」と思ったのですが、「あまりプライベートは語らない方なのかな。聞かれたくないこともあるだろうし、手紙をやり取りする中で知れることもあるかもしれない」と考え、自己紹介がなかったことには触れずにここまできました。とは言えお相手がどんな方なのか分からないので、話す内容は季節の話や天気の話ばかり。勝手に社会人だと決めつけて「お仕事は何をされているんですか?」と聞いたらもしも無職の方だった場合に失礼だなどと思い、プライベートに踏み込んだ質問ができないからです。
ゆえに5年間、「寒くなりましたね」「暖かくなりましたね」とありきたりな時候の挨拶を交わすばかりでした。

ただ、5年も手紙交換を続けていると、さすがにいつもいつも同じようなことを書くのは飽きてしまいます。好きでやっている趣味なので何か進展が欲しいなと最近、思うようになりました。そこで悩んだ末、先月のお手紙でご年齢を聞いてみることにしました。お相手に嫌な思いをさせないよう、「今まで学生さんだと思ってお話ししてきたのですが、年上の方でいらっしゃったら申し訳ないので教えてください」というスタンスで文を書き、最後には「もちろんプライベートな情報なので、伝えたくなかったら言わなくても大丈夫です」という一言を添えて。教えていただきたい気持ちはやまやまですが、お相手が嫌がっているのに聞き出すのは違いますからね。

ひそかにお返事を期待して待っていた私。先週、届きました。果たしてお返事は……?

触れられておりませんでした。

年齢を聞いたことについては、なかったかのようにスルーされており、いつも通り「春になりましたね」という季節のお話が綴られておりました。お返事を返してくださったということは怒ってはいないのでしょうか。今まで一切触れてこなかったので、教えていただけないかもなと思ってはいました。ただその場合も、「恥ずかしいので、秘密です」とか「年齢差関係なくお話ししたいので内緒にさせてください」みたいに理由を教えてくださるのではないかと少し期待しておりました。理由が分かればこれ以上踏み込むことはしませんし、「聞いてしまってごめんなさい」で終わるかなと考えておりましたが、そもそもスルーされるとは。話題に触れることすら嫌だったのでしょうか。それとも、警戒されているのでしょうか。

意気地なしの私はそれ以上プライベートな質問はできず、いつも通りありきたりな季節のご挨拶を書き、返事を出しました。確かに顔を知らない間柄なので、プライベートに踏み込まれたくないと思う気持ちは私も分かります。なぜなら私も最初、文通を始めたばかりの頃は、この方とは別の方ですが誕生日を聞かれ、スルーしたことがあるからです。「文通始めたばかりなのに何で誕生日聞くんだろう……。なんか怖い……」と思いました。その後、もう1度誕生日を聞かれ、断りきれず教えました。悪用されたらどうしようなどと考えておりましたが、後にバースデーカードを送るためだったと分かり、安心するとともに悪い想像をはたらかせてしまって申し訳なかったです。

こうした経緯からプライベートな情報は一切教えたくないと考えるお相手の気持ちも分かります。教えたくないと思う気持ちは尊重すべきです。ただ一方で、年齢や所属など基本的なプロフィール情報を隠しすぎると書ける内容の幅がぐんと狭まり、会話が続かないのだということも知りました。
自分への反省を込めて、秘密主義はそこそこに。

以上、「秘密主義はそこそこに」でした。
最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。

また次の投稿でお会いしましょう!