「お前」という呼び方は相手を見下しているのか?

ちょっと前の話になるが、

という話があって、まあ賛否あったみたいなんですけど、

ツイ主の主張:「お前」呼びは対等な呼び方。親しくなってもお前呼びを許せないのは相手を見下している証拠。
反対派の主張:「お前」呼びは相手を見下している呼び方。対等な関係で相手に見下される呼称を使われるのは嫌に決まっている。

という感じで、「お前」呼びが対等か見下しか?という部分で価値観がズレていたのでちょっと思ったことを書いていきます。

元ツイが恋人の呼称の話をしているので、男女という観点で話していきますね。

結論から書きますね。

ものすご〜〜く雑にまとめてしまうと、

男性は「お前」を対等だと思っていて、女性は「お前」を対等だと思っていない

ということだとぼくは思います。

もちろん個人レベルでは反例はいくらでもあるんですが、傾向としては確実にあると思います。どういうことかもうちょい詳しく説明しますね。

まず、「お前」という呼び名は、数ある二人称のなかでは、とくに相手に敬意を払わない呼び名であることはまちがいない、ということを前提としておきます。

ここで男女の差が出てくるんですけど、
基本的に男性の世界と女性の世界って、デフォの敬意レベルが違うんですよ。
男性は敬意レベル1の世界で生きています。敬意レベル1は「お前」呼びの世界です。人にもよりますが、「お前」呼びが日常的に飛び交います。
女性は敬意レベル2の世界で生きています。なので、敬意レベル1の「お前」呼びは罵倒です。

なおこれはめちゃめちゃ雑に「男女」というくくりにぶち込んだ結果の話で、実際のところ敬意レベル1の世界で生きている男性は全体の40%ぐらいだと思います。そしてその40%は男性のうち「男性性が強いほうの40%」ですね。治安が悪いほうの40%とも言うかも。残りの60%は、敬意レベル1.5ぐらいの世界で生きています。

どちらにせよ、総じて男性のほうがお互いを雑に扱いあっているんですよね。
女性同士だと誕生日プレゼントとか贈りあったりしてるのをよく見るんですが、男性同士だとそんなことあんまりしないですしおすし。男性同士で飯食いにいくときと、女性同士で飯食いにいくときで店のランク違いませんか?

まあ「お前」呼びが対等か?問題はこれで説明できてしまうわけですが、どうせなのでもう少し掘り下げてみましょうね。

敬意レベルの違いは、

男性は、女性より、価値が低い

という事実が影響しています。

ここでいう価値は、社会的地位とあんまりイコールではないです。我々が無意識的に感じ取る人間としての価値みたいなものですね。
古くからの価値観での話をします。
男性は労働力であり戦闘力であり、言ってしまえば消費する資源です。社会に対する影響力が強いので社会的地位はありますが、消耗品なので一個体として大事にされるわけではないです。男性が丁重に扱われるのは、男性に生物的価値があるからではなく、男性ゆえの社会的地位による部分が大きいです。したがって、社会的地位を無視すると、男性は雑に扱われることになります。
女性は、子を産み育てるという役割がある(あった)ので、生物としての需要が男性よりも大きいです。これは、言ってしまえば性的資源としての需要で、まあ「価値がある」と言っても、「社会的人間として」ではなく「(生き)モノとして」価値があるという話に過ぎないのですが、結果的に「個体として」大事にされます。社会的地位はありません。

まとめます。
男性は社会的地位はあるが、生物的価値はない。
女性は社会的地位はないが、生物的価値がある。

ということになります。
ここで男女それぞれの関係をみてみますね。

対等な関係、というのは、「お互いの社会的地位を無視する関係」ということですね。生物的価値は社会という外的要因とは異なり生物としての根源的なものなので、無視できません。

男性同士では、お互いの社会的地位は同じなので、生物的価値をみます。お互い生物的価値は無いので、お互いがお互いを雑に扱います。男性は競争蹴落としが基本なので、お互い敵同士という価値観も影響しています。
女性同士では、お互いの社会的地位は同じなので、同様に生物的価値を見ますが、こちらはお互い生物的価値があるので、お互いある程度相手を大事にしますね。女性は共存共生が基本なので、お互いを立て合うという価値観も影響していますね。

これが「男性は敬意レベル1で、女性は敬意レベル2で生きている」理由だと思います。

男女の関係については、「対等な関係(ここでは恋人関係など)は社会的地位を無視する」という前提に立つと女性のほうが上になりますし、実際その通りだと思います。女性の対等な関係は前述の通り敬意レベル2なうえ、「生物的価値の差」も加わってくるので実際のところは敬意レベル2.5ぐらいを男性に求めているんじゃないかなという気がしています。
一方の男性はデフォの敬意レベルが1なので、敬意レベル2.5を要求してくる女性は明らかに傲慢に見えますね。
昔は対等な関係がかなり成立しづらい程度には社会的地位の影響が大きかったのでこの差が埋まっていましたが、男女の地位の差が昔ほどではない現代になってこの問題が表面化してきた気がしますね。

この男女差が主に自由恋愛において悲劇を生み出しているというのは常々ぼくが考えてることなんですが、それを語るのはまた別の機会にします。

最後に。

対等にしろ対等じゃないにしろ、「お前」呼びはめんどくさいことになるのでやめたほうがいいですね!



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