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自由律俳句

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自由律俳句と言うただの言葉あそび。
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2022年6月の記事一覧

【自由律俳句】

可愛い人しか見てないこの目をつぶして下さい

2045年4月26日に孤独死する予定と手帳に書き込む

夜風に乗ってやってくる夏祭りの匂いは三年前の幻

メーターを見ないふりする夜のタクシーの窓ガラスに溶ける三日月

自分の事が嫌いなんて相当ナルシストね貴方

【自由律俳句】

友達が居ないと言えば格好いいと思っている奴

今年四十七になると気づいてまだビックリできる精神に乾杯

オレの事かと一瞬焦る知り合いTwitterの匿名の文句

予定のない休日の天を仰いで雨乞いの儀式の買い物

楽しい事がないと嘆く奴を見るのがとても楽しいと嘆く

【自由律俳句】


友達しかいないのに孤独感友達がいないのに多幸感

歯と歯の間に昨日のデートのカスが残っている

地球の重力に乗れない幽霊が東へぶっ飛んでゆく光景

マジックを見て驚いてあげる猿の優しさに気づくマジシャンの目に涙

汚い世間は見飽きたのでせめて綺麗事を聴かせてよ

【自由律俳句】

ああ遊び疲れたと言って私は死にたい

自分の頭蓋骨を見る事が出来ないなんて悔しいですねと野風が囁く

シャウトしたら痰が飛んだけどマイクどうぞ

面白い人生になるのなら人を殺めても已む無しと思う者だけが作家になれる

お地蔵様に小便を引っ掛けたのに幸せな人生の友