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自由律俳句

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自由律俳句と言うただの言葉あそび。
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2022年5月の記事一覧

【自由律俳句】

一人で楽しめる事を二人でも楽しめるって素敵

人殺しには人殺しの苦しみがある事を僕らは分かってあげられない

古都の朱い門が燃え上がったときぞくぞくしたのは秘密

昼間のラジオの綺麗事を剥ぎ取りたい衝動

気怠くて軽率で知能指数の低い奴らが騒ぐ夏がやってくる恐怖

【自由律俳句】

壊れたギター短すぎる靴ひも見えない明日

届いたのは出て行った妻宛のカタログでワロタ

自分で自分の機嫌を取れるほどの嘘つきじゃないんだ

トイレのタイミングが一緒の人とは一緒に住めない文句ある?

性欲目盛りと食欲目盛りを十下げて創作目盛りを二十上げるイメージ

【自由律俳句】

我慢の限界を超えたらもう平気と強がる膀胱

憂鬱って言うよりメランコリーって言う方が楽しそうだもん♡

思い込んだら何でも出来ると言って奴はビルから飛んだんだ

人見知り付き合い下手食べ残しのカップメン紙屑についたザーメン

紋白蝶と紋白蝶と紋白蝶が互い奪い舞う

【自由律俳句】

あの人の為は自分の為なんて言わないで悲しくなるから

深夜二時五十五分は俺の中の乙女が目覚める時間

目薬を刺す文字通りに刺す

ふらっと立ち寄れる小さな本屋のない街よさらば

欠けて尖った奥歯が舌を刺すようにお前を愛す

痰が付いたマスクの裏地見るプーチン

【自由律俳句】
IQの高い二人の距離はそれが恋だと気付かない

破綻したセンスを持つ美容師の店に火を放つセンス

低所得者に笑われるのが仕事の高所得者がテレビで笑っている

風俗嬢と風俗獣が月夜の晩に小粋なダンス

あの人は体だけの関係その人はお金だけの関係あなたは想うだけの関係

【自由律俳句】

コンセントに何か挿し込むと肛門が痒くなりますな

桃色の胡蝶蘭と花言葉の本をあの人の誕生日に贈るの

おまんこという言葉が美しさの代名詞になる未来から来ました

私怨が詰まったTwitterの下書きを一つずつ消してゆく日曜日

【自由律俳句】

春の匂いは秋とは違った淋しさがあるねと言うイケメン園児

ネガティヴのいい所は死にたい人を否定できることだね

死んだ蟻を運ぶ蟻のかわりに泣く蟻喰い

パワーストーンいらないじゃんだって地球があるじゃない

書いちゃいけない自由律俳句を思いついた僕に鉄拳の裁きを

【自由律俳句】


来年は何を贈ろうかと考える三月十五日


死にたくなったら僕の手首を借りてあげて下さい


人の不幸は悲しんで自分の不幸をけらけら笑うあの子の涙


言葉使いに会った翌日は言葉が動きだすから手を動かす


自由律俳句を思いついてスマホにメモったのが事故った理由

【自由律俳句】

新しい眼鏡をかけて夜見上げたら昨日は無かった星二つ三つ

鏡に向かって誰だお前と百回も言うお前は誰だ

小麦粉砂糖米油はちみつ水あめ食塩着色料やせる気はある

嘘七割本当三割思いつき八割が自由律俳句の配分

母が想像妊娠して想像出産で産まれたのが私

【自由律俳句】


ちゃんと死にたいって思っている今日の私はちゃんと健全


阿修羅ちゃんを聴きながら踊っているのを父に見られたShall We Dance?


ペンキを塗っていたら止まった蝿ごめんね黒く塗り潰す


椅子をひっくり返すと服従させた気になると言う男

【自由律俳句】

茹でた孫と祖父が笑って言ったあの日から食べられない茹で卵

夜の匂いの淋しさと犬の遠吠えと手のひらに百円玉ひとつ

悲しくてもサイレンの音を聞けば元気

引き寄せの法則でも何でもいいからとりあえず働いてお願い

飛び降りた人と目が合ったけど無視したらトイレに!!