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文章の正しい表記の参考になる資料は何か?

お世話になっております。素人以上作家未満の管野光人です。

小説を執筆する際に、正しい日本語で書くのは当然ですよね。

ところが、この正しい日本語というヤツがくせ者なのですよ。

では、小説を執筆するのに必要な資料があるのか検証してみましょう。


まず「漢字の開き」で頭を悩ませる

初めて小説を書くときに、まず頭を悩ませるのが漢字の使い方ですよね。

たとえば、

「分かる」「判る」「解る」とか

「尋ねる」「訊ねる」とか

「言う」「云う」とか

例を挙げればキリがありません。

他にも悩むのが「漢字の開き」です。漢字で書くか、ひらがなで書くかの二択。

たとえば、

「今に」「いまに」とか

「頷いた」「うなずいた」とか

「必ずや」「かならずや」とか

こちらのほうが例を挙げたらキリキリ舞いになります。

読む人のコトを考えれば、あまり難しい漢字を多用しない方がいい。

それにページを見たとき、真っ黒クロスケみたいでキレイではありません。

編集者が初めて原稿を見る際に、ページの見た目を注視すると聞いていますからね。

一般的には、全体で漢字の含有率が30%以下と言われています。


それでは、正しい表記にするには何を基準にすればいいのでしょうか?

そこでよく引き合いに出されるのが、

共同通信社『記者ハンドブック 第13版 新聞用字用語集』

講談社校閲局編『日本語の正しい表記と用語の辞典 第三版』

さらに、文化庁「国語表記の基準・別紙」

最初の『記者ハンドブック』は新聞用字用語集なので、興味のある方は購入してもよろしいかと。

では、残り2つで検証してみましょう。


文化庁と出版社、どちらを選べばいいの?

はじめに、講談社校閲局編『日本語の正しい表記と用語の事典』の一部を紹介します。

本来の意味が薄れている次のような副詞は、なるべくかな書きにします。

いっそう/一層、いったい/一体、いっぺんに/一片に、きわめて/極めて

次に、文化庁「国語表記の基準・別紙」の一部を紹介しましょう。

次のような副詞及び連体詞は、原則として、漢字で書く。

余り、至って、大いに、恐らく、概して、必ず、辛うじて、少なくても

すみません。

かな書きと漢字で比較しましたが、講談社の「なるべく」に対して、文化庁は「原則として」と断っているのが、いかにもな感じですね。

さて、問題です。

講談社と文化庁を比べたとき、いささかの相違点がありました。

講談社のかな書き表記のススメ 「きわめて、ことに、すでに、たとえば、むろん、もっとも」
文化庁の漢字表記のススメ 「極めて、殊に、既に、例えば、無論、最も」

はい。同じ文字でも、表記に違いがあるのです。

最近の小説を読み慣れている方は、講談社側のかな書きがシックリきますよね。

自分も講談社の表記を参考にしています。

まあ、有名作家も漢字の開きは様々なので、自分に合ったマイルールを作るのが得策かと思いますよ。

えっ、投げっぱなしだとおっしゃいますか?


では、解決策を教えましょう!

何行か遡ってもらい、講談社と文化庁の前説を比べてください。

はい。どちらも「副詞」というキーワードがありますね。

漢字の開きを減らすとき、問題になるのは「副詞」なのです。

それでは次回、問題の「副詞」を追求していきますね←結局、投げっぱ

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