ハッピーエンドを書こう__自己催眠のススメ_

ハッピーエンドを書こう『自己催眠のススメ』その1

お世話になっております。素人以上作家未満の管野光人です。

あなたは、寝る前にYou Tubeなどを聴きながら眠る人を知っていますか?

リラックス音楽や配信者の声を聴きながらだと、なぜか自然と眠りに落ちるんですよね。

かくいう自分も、怪談朗読を聴きながら寝ていた時期がありました。

でも、いまは聴いていません。

それは、これからコラムで説明する「自己催眠」と関係があるからです。


自己催眠とは

自分は以前から「睡眠前に聞く自己啓発の言葉」を探していました。

作家の山口敏太郎さんから、自己啓発方法の一種で「電車の移動時とか睡眠前に願望を録音した言葉をイヤホンで聞く」と漏れ聞こえてきたからです。

そこで閃きました。

これは「自己催眠」を当たれと。

潜在意識に暗示を叩きこむには、催眠が有効だと思っていたからです。

そこで取り寄せたのが、ファーブズ・R・ブレア著『願いがかなうクイック自己催眠』(KKベストセラーズ)でした。

本書ではまず、顕在意識と潜在意識の機能と関係を説明しています。

コンピュータのプログラムが適切なコマンドで作動するのと同じように、心のプログラムも、ある一定の思考、言葉、または出来事によって作動することが、潜在意識のなかで準備して待っているのです。

これは自己啓発における潜在意識の役割と同じ考え方ですね。

そして心のプログラムを変える方法として、催眠療法が役に立つとしています。

では、なぜ催眠が心のプログラムを変えるのでしょうか?

それは「催眠とは非常に暗示にかかりやすい状態」だからです。

あなたの心のコンピュータ、そこにプログラムをインストールするときに働く防御装置(ファイヤーウォール)を無効にして、存在意識へと暗示をインストールできるのが催眠なのです。


自己催眠でたった2つの冴えたやりかた

『願いがかなうクイック自己催眠』の著者である催眠療法士のブレアは、あるとき気付いたそうです。

「催眠暗示文を声に出して読むと、読んだ人は催眠にかかる」

それだけではありません。

「催眠暗示文の文章を書いているうちに、自分も催眠状態にできる」

と、発見したそうです。

この手法を利用したのが「クイック自己催眠」です。

これは催眠療法の暗示文や物語を書いて音読することで、目を開けたまま催眠状態にあることです。

この手法には、従来の催眠より優れたところがあり、催眠の技術や催眠の知識は必要ありません。一人でリラックスできる場所さえあれば、いつでも自己催眠状態を体験できるのです。


自己催眠を執筆に応用しよう

クイック自己催眠は、「自己啓発執筆術」に応用できる手法です。

なぜならば、小説の執筆術では「推敲(すいこう)」という作業が不可欠だからです。

「推敲」とは、書き上げた原稿の文章を、より良い表現や構成になるように何度も練り上げること。つまり、読者が読みやすい文章に直す作業ですね。

この推敲では、書き上げた原稿を声に出して読む作業方法があります。声に出すことで、文章の流れやリズムに淀みがないかを確認します。

言わずもがな、この推敲という作業は「催眠暗示文を声に出して読むと、読んだ人は催眠にかかる」に当てはまりますね。

自分は推敲の一環として、原稿を朗読させた音源を寝る前に聴いて確認しています。

また、「催眠暗示文の文章を書いているうちに、自分も催眠状態にできる」は小説の執筆に丸ごと当てはまる手法ですね。


自己催眠を試す前に

では自己催眠を試す前に準備として、段階的な流れを紹介しましょう。

1、まず段階的リラクゼーションで全身の力を抜いていく。

2,次に「誘導文」を読んで暗示にかかりやすくする。

3,催眠状態になったら、目的の「暗示文」を読む。

4,「覚醒文」を読んで催眠から抜ける。

最初の段階的リラクゼーションでは、一点を見つめる凝視法とか、呼吸に意識を集中する方法、数を逆から数える逆算法などで、自己催眠に入りやすい状態にします。

次で暗示にかかりやすくしますが、具体的な「誘導文」はこんな感じです。

「ほかには誰もいない。楽な気持ちで、ゆっくりと静かに呼吸し、心と体を自分の声で落ち着かせよう。

目の前に階段が見える。城の中の階段を、わたしは一度に一段ずつ下りていく。一歩踏むたびに、深く下りていく。

いま潜在意識の、深い階段を下りていく。下へ、地下へ、深い奥の部屋へと下りていく。

もうすぐ階段の一番下、わたしの城の土台に着く。わたしは部屋の扉をくぐった。わたしはいま、催眠状態に入った」


催眠状態に入ったら目的の「暗示文」を読むわけですが、その具体的な内容は次回に紹介しましょう。

その前に「覚醒文」で催眠から抜ける重要性を説いておきます。

もし覚醒法をおろそかに済ませてしまうと、催眠から覚めてから気分が悪くなったり、頭痛がしたりすることがあるそうです。

ですから、このようなトラブルを避けるためにも、かならず覚醒法で催眠を解除してください。

以下は簡単な「覚醒文」の紹介です。

「これから数を1から10まで数えていくと、わたしは気持ちよく催眠から覚める。

1つ、2つ、3つ、少しずつ覚めてくる。

4つ、5つ、6つ、手足に力が戻ってくる。体の力が戻ってきた。

7つ、8つ、9つ、もうほとんど覚めてきた。さあ、爽やかな気分で覚める。

10つ、ほら催眠から覚めた」


さて次回は、いよいよ「暗示文」を紹介します。そこから自己啓発執筆術への応用へと進む予定です。

では、次回をお楽しみに。

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