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トレーナー活動日記 引退編

こんばんは。
今回のノートではいつもと打って変わって自分のトレーナー活動について書いていきます。と言ってもトレーナーで何をしているかというよりは帯同チームに何があったかを書いていくような感じになると思います。
よければ最後まで読んでいってください。

私の帯同しているチームについて

そもそもこのnoteの中で自分のことについて書いたことはほとんどないと思います。

改めてここで簡単に自己紹介しておくと、

僕は現在医療系の学科を専攻している国立大学の4年生であり、大学にあるハンドボール部に(男女ともに)個人的な活動の一環としてトレーナー帯同させてもらっています。

国立大学の部活と聞くと強いイメージはないかもしれませんが、僕の大学のハンドボール部はかなり強く、インカレにも出場するほどのレベルです。(僕はハンドボールをやったことがないので僕の主観ですが)

今年はコロナの影響で大学スポーツもほとんどの大会が中止・延期になりました。ハンドボールに関して言えば一番大きな大会であるインカレ・またその予選も中止になってしまい、4年生としては目標にしてきた大会がなくなってしまった状態です。

先日そのような状況になってしまい、一番大きな大会には出れないまま引退を余儀なくされる4年生の最後となる試合(大会)がありました。

男子は4チーム、女子は2チームしか出場していなかったため、女子は1試合、男子は2試合しかありませんでしたが、両方とも勝利で最終的には優勝という形で4年生は引退を迎えることができました。

今日のnoteはその引退試合を見て思ったことを書いていきます。

4年生の引退から学んだこと

この試合で引退となる4年生からは直接本人と会話したものもありますが、試合を見てトレーナーとして帯同していた僕も学ぶものがありました。

まずは覚悟です。久しぶりに4年生主体の試合を見たというのもあるとは思いますが、改めて4年生の強さ確認しました。

男子の決勝戦は序盤接戦だったものの後半にはある程度の点差をつけ、余裕を持って勝利することができました。
相手チームとの間にあった差としては実力ももちろんあったとは思いますが、「覚悟」が大きかったのかなと僕は思っています。

僕の通っている国立大学の運動部に所属している人に関して次のステップでそのスポーツを仕事にすることはほとんどないです。つまり、簡単に言ってしまえば「プロになる程上手い選手はどの部活にもいない」ということです。

なので大学で運動部に所属している人の大半が大学4年時のラストゲームでそのスポーツと区ぎりをつけます。

ハンドボール部の4年生もその例外ではありません。ほとんどの人が「ハンドボールに打ち込む」ということに終止符を打ちます。

今回の試合では今までの10数年にわたるハンドボール生活を背負いながらも失うものは何もないというような4年生の強い覚悟があったと思います。覚悟があった故に試合中に主導権を握られそうになった場面でも冷静に得点を重ね、相手を上回ることができたのではないでしょうか。
普段は精神論で結果を語るのがあまり好きではない僕ですが、今回に至ってはそう考えざるを得ないほどの「強さ」を感じました。

また、ほとんどの人がハンドボール人生に終止符を打つ試合だったからこそ、4年生のハンドボール哲学も感じることができました。

4年生は普段あまり、ハンドボールに対する思いを表に出すようなタイプではないように思いますが、実は各々かなり熱い思いを持っています。そのうちに秘めた思いが今試合ではヒシヒシと伝わってきました。そして、それぞれ個人が思う「ハンドボールとは」「このチームにおいて自分のポジションの果たすべき役割とは」という哲学的な思考がうまくマッチしていたように思います。

いわゆる「気持ちが1つになっている状態」ですかね。そのような状態になるとチームとして発揮できるパフォーマンスが格段に上がるんだなということを学ばせてもらいました。

正直、今まで見たどの試合よりも強く見えました。

トレーナーの知識としてはチームビルディング・チームマネジメントというものがありますが、その重要性を身をもって体感することができました。

最後に大学でスポーツを続ける意義についてです。先ほども書いたように僕の大学は国立大学で、大学卒業後にそのスポーツで飯を食っていくような・食っていけるような選手はほとんどいません。

僕は高校まで野球をやっていたのですが、その時点でこのスポーツで飯を食べれる実力はないとわかっていたので野球を続ける気はさらさらありませんでした。専攻する学部も医療系にして選手をサポートする側に回ろうと決めていたし、トレーナーという仕事に興味を持っていたので大学入学後に見つけたトレーナー部というのに所属しました。僕は今までこの判断を賢明だと考えていました。(今も間違っているとは思ってはいません)
加えて僕は「国立大学で運動部に入ることって意味なくね?」ってずっと思っていました。

でも今回の試合を見てその考えは違うことに気がつきました。

ハンドボールという1つのスポーツに対して4年間本気で打ち込むことにこそ意味があるんだなと気付かされました。

何かを本気で打ち込む過程では時間を費やす代わりに必ず信念や哲学を対価として得ることができます。

将来そのスポーツで飯を食っていけなくても、飯を食って行くつもりはなくてもハンドボールというスポーツに4年間の大半を捧げたことで仲間や自分の中の信念・哲学が得られます。これが得られるだけでも大学でスポーツを続ける理由には十分なりますね。

今までなんでみんなはこんな意味のないこと(将来やらないであろうスポーツに時間を費やすこと)をしているのだろう、将来に活きることを大学ではすれば良いのにと思っていた僕ですが、その思いをガラッと変えてくれました。

ある選手は、高校までそこそこの強豪校で陸上をやっており、自分の成績にも自信を持っていたと言います。
大学では心機一転今までやったことのないハンドボールを始めたわけですが、そこで初めて「できない自分」と向き合ったと言っていました。

この選手は大学からハンドボールを始めたにもかかわらず、最後の試合でもサイドで見事にシュートを決めていました。

おそらくこのシュートを決めるまでには数え切れない悔しさと涙と汗があったのだと思います。

僕もこれを書きながら「大学で本気でスポーツしてもよかったな〜」と若干後悔しています。笑

トレーナーとしての後悔

今回の試合で4年生は引退となるのですが、僕は色々な理由があり、まだしばらく同部活に帯同します。

強さがあり、今回の試合でも多くのことを学ばせてくれた4年生に対して僕はトレーナーとして後悔していることがあります。

もっと僕がトレーナーとしてのキャリアを積んで、もっと知識も技術もあった状態で今の4年生を見たかったということです。

これに関してはどうしようもないので後悔しても仕方ない部分でもありますが、悔やまれる部分です。

僕の腕があったからといってチームの成績が必ず変わるとは思いませんが、どこまでパフォーマンスが高くなっただろうと純粋に疑問として頭に浮かぶことがあります。

僕のトレーナーとしての腕がもっとあった状態で、このチームはインカレでどれくらい戦えたのだろうか

この疑問はもう解決することはできません。

今後はこのような思いをしないように、僕自身継続してレベルアップし、選手に還元していけるように再スタートを切りたいと思います。


途中からであったにも関わらず、アットホームな雰囲気で僕ともう一人のトレーナーを迎えてくれて、トレーナーとしてさらにレベルアップしたいという思いを持たせてくれた4年生には感謝してもしきれません。

トレーナーを含めマネージャーなどの裏方仕事は基本的に選手に「ありがとう」と言ってもらえます。僕もそれをやりがいにやっているところもあります。

いつもはありがとうと言ってもらえる立場だからこそ、今回は僕から4年生にありがとうと伝えたいです。

一応noteでも言っておきます。

4年生のみんな、ありがとう

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