勉強を牛乳に例える

ネットの記事に家庭教師の安浪京子先生の記事があって、

「牛乳が健康に良いからと言って、コップに一杯しか飲めない子供に毎日1リットル無理やり飲ませようとすれば、吐き出すか下痢になるか体調壊すか、牛乳が嫌になるかのどれか」という文章がありました。

宿題や課題を本人の許容量以上に詰め込もうとしても良い結果は望めない。という内容でした。

良い例えだなーってしみじみ思ってました。 

寺子屋に来る子は最初の日やる気いっぱいで来ますし、親も寺子屋に来ればたっぷり勉強するって思って来ます。それは良いことなんですが、残念ながら最初からそんなに勉強できませんし、もちろん、すぐに成績も上がりません。私はこんな例えで説明しますが、マラソン選手になろうと思って、初日から40キロ走ろうと思ってもできないですよね、最終的に40キロ以上走る体力をつけることはできますが、最初は短い距離からゆっくりと始めますよね、勉強も少しずつ増やしていきましょう。と説明します。

寺子屋には牛乳がたっぷり用意してあります。本人が飲みたいだけ飲むことができます。ただ、無理やり牛乳を飲ますことはしません。良い結果が望めないからです。

勉強できる量は一人ひとり違います。1年生なら何時間、2年生なら何時間、受験生なら何時間。それは目安でしかありません。まして強制されるノルマでもありません。たくさんできる子もいるし、少ししかできない子もいます。少ししか勉強できない子が怠けているというようには、少なくとも私には見えません。その子なりの一生懸命なんだ、と思うようになりました。

そんな私を「優しすぎる」(これは、甘い、物足りない、もっと勉強させて、なんのためにお金を払っているの、という意味を含んでいるように受け取っていますが)と言う、親もいます。

ただ、急に長く速く走れるようにならないし、どんなに栄養のある牛乳も吸収できない量を超えれば毒にしかなりません。

何時間でも好きなだけ勉強できる環境は揃えて、それ以上できないとすれば、それがその子にとっての許容量ということです。

安心してほしいことがあります。 部活の忙しさや体調や気分で多少上下しますが、長期で見れば、寺子屋ではどの子も勉強時間は伸びますし、学力も向上します。受験生は週に少ない子でも10時間、多い子は20時間以上勉強します。さらに「宿題をください。」と自分から言うようになります。勉強は誰かにやらされるものではなく、自分のためにやるもの、ということを理解できるようになります。これって素晴らしいことだと思います。どの学校に受かるか落ちるかは大切なことですし、私もそこにこだわります。けれど、勉強を嫌いにならなければ、入試の時点で切り取った学力ではなく、継続的に学力を伸ばすことができます。自分の能力は自分自身で高めることができる。ということを経験からみにつけてほしい。

それがどんな学歴以上に生きていくうえで必要なものだと私は考えています。

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