【購買道】品質問題が起きたとき

製造業のバイヤー歴バイヤー歴20年のKFです。本日は調達品の品質問題が発生した時のお話をしたいと思います。

調達購買の仕事をしているといると調達品の品質が規格に合わないということが稀に発生します。品質問題といっても重篤なものから些細なものまで様々に分類されますが、ことの大小に関わらず関連部門とのコミュニケーションが重要になります。その為にも各調達品についてどの部門に連絡すべきかを把握しておくことが必要です。

品質問題が発生した時に最も優先すべきは顧客への影響です。その品質不良の資材を使用してしまっていた場合、自社の製品の出荷可否判断を品質管理部門と実施します。すでに生産に使用され客先に出荷されている場合はそこから引き戻す必要があるかどうかも合わせて検討します。

次に安定供給(生産継続)を考える必要があります。まずは品質課題があったものを良品に差し替えることができるのか、例えば良品を追加で調達できるか、在庫や代替品で凌ぐことができるのか、などの検討をします。もし良品に差し替えることが難しい場合は、生産の優先順位を組み替えるなど自社で対応できることを探します。

次に品質不良品の処理をどうするかを検討します。返品や処分することが多いと思いますが、品質不良の内容によっては関連部門と協議し特別採用するということもあるかもしれません。例えば品質といっても最終製品に影響はなく自社の生産性に影響がある項目などがあり、そこは自社の生産性を犠牲にすることで使いこなせる可能性がある場合もあるからです。その場合は品質管理部門や製造部門と協議し使用するかどうかを検討します。

最後に資材サプライヤー様に対して要因分析と再発防止要請を実施します。書面で要請するだけでなく、実際に製造現場を訪れ、従業員に品質不良が起きた事実と改善作業周知が徹底されているかを確認します。必要によっては該当の品質問題を抽象化しナレッジとして他社に周知し同様の品質問題の発生を抑制することも有用です。

また最も重要なのは品質問題発生を予防することですので、通常から品質のポリシーやサプライヤー様の現場での品質意識を確認しておくようにします。自社では定期的にサプライヤー様に品質ポリシーや弊社の品質課題発生状況をフィードバックするようにしています。場合によっては品質改善が見られたサプライヤー様を表彰することも実施しています。

品質問題が発生した時には社内外の関係者が緊急状態となり、調達購買部門として各部門との調整が必要になる「底力」を試されるシチュエーションですが、このような対応を積み重ねることでサプライヤー様からも社内からも信用を積み上げる事につながります。ぜひ自分ごととして取り組んでください。

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