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東京ジャンプステークス全頭見解


いよいよ今週は上半期最後の障害戦『東京ジャンプステークス』

このレースには二つの顔が存在する。
まずは『出世』
2009年に東京ジャンプステークス変わってから、過去の勝ち馬にマジェスティバイオ・アポロマーベリック・オースミムーン・オジュウチョウサン・シングンマイケルといった活躍馬を輩出している。
もう一つの顔が『波乱』
過去10年で10万を超える万馬券が6回出ており、さらに2011年、2018年、前年2020年は100万馬券を超える大波乱。特に2011年は上位3頭が人気薄で258万馬券となっている。

そんな二つの顔を持つ東京ジャンプステークス、果たして今年の結果は如何に⁉︎

今年のこのレースに登録馬は15頭と頭数割れしたが、昨年以上に好メンバーが揃った。
今年の登録馬は以下の15頭(収得賞金順)
スマートアペックス
ヒロシゲセブン
フォイヤーヴェルク
マイネルプロンプト
マイブルーヘブン
スマートボムシェル
グローブシアター
コウユーヌレエフ
キャプテンペリー
トゥルボー
ホッコーメヴィウス
メイショウウチデ
ビッグスモーキー
マイティウェイ
ザメイダン(除外対象馬)

重賞ウイナーが2頭、オープン勝ち馬が11頭、オープン未勝利馬がマイティウェイとザメイダンのみ。新興勢力組VS常連組の争いというメンバー構成。上半期を締め括るに相応しいと言っても過言ではない。今から登録馬15頭を私目線で分析していきます。
※登録馬が直前で回避したり、鞍上が変わる場合もありますのであしからず。


スマートアペックス(中村将之)
障害デビューして早1年。この1年の活躍っぷりは本当に目覚ましく、2戦目で即座に結果を出し、3戦目で未勝利勝ち。昇級戦も②着と好走し、3歳の冬にオープンを勝利。年明けの中山新春ジャンプsも快勝し、強豪揃いの阪神スプリングジャンプ・中山グランドジャンプも善戦。連戦の疲れが不安された京都ハイジャンプも馬券圏内に来る辺り力がある証拠だろう。
短期放牧を挟み再び重賞挑戦へ。東京コースは初めてだが、コースは問わないので問題ないだろう。待望の重賞制覇なるか。
中村将之騎手は東京ハイジャンプは制してるが、このレースは未勝利。


ヒロシゲセブン(西谷誠)
東京コースで好走をあげており、昨年の秋陽ジャンプsで今回対戦するコウユーヌレエフ・スマートアペックスと後に重賞で好走をあげるケンホファヴァルト・マーニ相手に勝利し、東京ハイジャンプでもメイショウダッサイの②着と好走した。
年明けの牛若丸ジャンプsを勝利するも、ここ2戦がやや物足りない内容。前走の中山グランドジャンプは目を瞑れるが、ペガサスジャンプsが意外に伸びきれなかったのが気になる。実績あるコースに戻るのはプラスになりそう。
西谷誠騎手は東京ジャンプsは2勝をマーク。(2009年エイシンボストン、2014年メイショウヨウドウ)


フォイヤーヴェルク(白浜雄造)
昨年の新潟ジャンプs覇者。ここ2戦は馬券圏内どころか掲示板を外してはいるが、レコードが出る速い流れ、荒れ馬場と敗因はハッキリしている。固定障害のコースは前走の春麗ジャンプsで苦にしてなかったので問題ないはず。東京コースは平地時代に好走歴もある。
道悪で勝ち鞍はあるものの、前走はかなり馬場が荒れておりかなり苦しんだ模様。最終週の馬場に週末の雨予報、加えてテン乗りが不安材料か。
白浜雄造騎手は東京オータムジャンプ時代を含め当レースは未勝利。


マイネルプロンプト(北沢伸也)
一昨年の当レースでシングンマイケルの②着。そのレースを最後に約2年近い休養を挟み、今年1月に平地のレースで復帰。春麗ジャンプsで④着と好走し、中山グランドジャンプも最終障害手前までは見せ場たっぷりの内容で力のある所を見せてくれた。
順調に使える点は好感を持てるし、唯一このレースで結果を出してる点も大きな強み。JG1で③着2回の実績を考えれば当然上位争い。
北沢伸也騎手は東京ジャンプsは2勝をマーク。(2012年デンコウオクトパス、2018年サーストンコラルド)


マイブルーヘヴン(難波剛健)
一昨年の新潟ジャンプsの覇者。そこから1年の休養を経て、昨年の東京ハイジャンプでは初の固定障害、初の東京コースと初物尽くしだったにも関わらずメイショウダッサイ、ヒロシゲセブンに続く③着と好走。
その後は2戦続けて⑧着だが、コース形態が合わなかったのかも。置き障害に成績が偏ってしまうように新潟・中京向きではあるが、順回りで好走歴がある東京に変わるのは少しでもプラスに働くのでは。
難波剛健騎手は東京ハイジャンプは制してるが、当レースは未勝利。


スマートボムシェル(植野貴也)
未勝利を含め新潟で3勝を挙げている典型的な新潟巧者。昨年新潟でオープン2勝をマークし、10月のオープンではスマートアペックスに先着。東京コースは昨年の秋陽ジャンプsでヒロシゲセブンから1.1秒差⑦着と大きく負けてる訳ではない。
半年ぶりの実戦だった前走の京都ハイジャンプでは+26キロ増だったが、後方から脚を使い⑥着。前走の敗因はハッキリしてるが、こちらも置き障害コースに成績が偏ってしまっているので固定障害コースで同じ走りが出来るかどうかだろう。
植野貴也騎手は東京の障害重賞は未勝利。


グローブシアター(高田潤)
近親にサートゥルナーリアやリオンディーズがいる良血馬が昨年障害デビュー。初戦は流石の平地力で快勝。オープン勝ちにやや時間は掛かったが、ブリンカーをつけた前走の三木ホースランドパークJSは遊びながら走っていたのも関わらず逃げ切り勝ち。
遊びながらという事はまだ本気で走っていないのかも。平地力が存分に活きそうな東京コースは間違いなく合ってるはず。道悪で結果を出した事があるので週末の雨も問題なし。
高田潤騎手は2015年にオースミムーンで当レースを勝利。東京オータムジャンプ時代では2001年にギフデッドクラウンで勝利。


コウユーヌレエフ(森一馬)
重賞はこれで3度目。一昨年の新潟ジャンプsでマイブルーヘヴンの②着、昨年の東京ハイジャンプは⑤着。東京コースは前述の重賞⑤着に加え、未勝利勝ち、秋陽ジャンプsで2年連続で②着に入ったりと得意としているコース。
今回は一頓挫明けての出走。休み明けはあまり良くないし、道悪も正直微妙。5月後半に帰厩し、ここを目標に調整はしてきているので全く無視までは出来ないが。。。
森一馬騎手は東京ジャンプsは未勝利。

キャプテンペリー(五十嵐雄祐)
昨年夏に障害デビュー。3戦目で勝ち上がると次走のオープンを連勝。休み明けの阪神スプリングジャンプは流石に距離が長く相手も強すぎた。固定障害を経験出来たのは大きく、距離短縮はプラス。
東京コースは平地時代に勝ち星があり力は発揮出来そうだが、今回も骨っぽい相手と戦う上、同型がいるメンバー構成。厳しいかもしれないが、平地力を活かす形になれば面白い存在かも。
五十嵐雄祐騎手は東京オータムジャンプ時代にベストグランチャで2007年に勝利。東京ジャンプsに変わってからは未勝利。


トゥルボー(石神深一)
昨年末、初障害ながら初戦を勝利。昇級2戦目の前走は後にオープンを勝つダイシンクローバー・ホッコーメヴィウス相手にオープン勝ちを収め、今回障害キャリア4戦目で重賞に挑戦。
初戦で勝つだけでも凄いが、キャリア3戦目でオープンも勝利してしまうのでかなり奥はありそうか。ただ前走は頭数も手頃で恵まれた感があり、明らかに前走よりメンバーが強すぎる。
キャリアの浅さが出てしまいそうだが、前走の勢いに乗ってどこまでやれるか。
石神深一騎手は東京ジャンプsは2勝をマーク。(2016年オジュウチョウサン、2019年シングンマイケル)


ホッコーメヴィウス(黒岩悠)
昨年秋に障害デビューし、3戦目で勝ち上がり。昇級後はコースを問わず堅実に走っており、前走は1.9秒差の大差をつけて待望のオープン勝ち。置き障害の新潟と中京で勝ち鞍をあげているが、固定障害の小倉・阪神・中山でも崩れずに好走。
順回りの東京もこなせるはずだし、最近は早めに先頭に立つ競馬で結果が出ているので重賞でも充分やれそうだが、コンスタントに使われているのでその疲れがあるかだけが気になる。
黒岩悠騎手は勝てばデビュー20年目で初の重賞制覇。


メイショウウチデ(小坂忠士)
今年1月に障害デビューし、3戦目で未勝利勝ち。昇級戦の前々走は不利を2度喰らうも、直線で鋭い脚を使って好走。続く前走はスムーズに立ち回りオープン勝ち。
初障害から掲示板を外した事がなく、2戦目以降は全て馬券圏内。障害に入ってから輸送は初めてだが、直線が長く、しぶとく脚が使える東京は向いていそう。相手は前走より強くなるが、今の充実っぷりからは目が離せない。
小坂忠士騎手は東京オータムジャンプ時代にコウエイトライ(2006年)で勝利。東京ジャンプsに変わってからは未勝利。


ビッグスモーキー(平沢健治)
昨年9月にオープンの清秋ジャンプsを勝利。京都ジャンプsもタガノエスプレッソ・ブライトクォーツ・オジュウチョウサンと差のない④着と好走し、続く中山大障害も勝負所までは見せ場を作った。阪神スプリングジャンプ⑤着後に三木ホースランドパークJSを予定してたが、捻挫で回避。
東京コースは今回が初めて。前走からの距離短縮はプラスだが、先行勢が多いメンバー構成。控えても大丈夫だと思うが、その点がレースに行ってどうか。
平沢健治騎手は東京の重賞は未勝利。


マイティウェイ(草野太郎)
昨年夏に障害デビュー。今年の春に待望の未勝利勝ちを収めた。昇級戦の前走は直線で追い上げ、勝ったダイシンクローバーから0.1秒差の③着といきなり好走。
飛越が上手いのが長所で、それがここ最近の安定感に繋がっている。直線が芝になるのはプラスになりそうで今回は重賞でメンバーは強くなるが、鞍上が鞍上なので一発の可能性は充分。
その鞍上は連覇がかかる草野太郎騎手。東京ジャンプsは2勝をマークし、昨年は人気薄の馬を勝利に導いたので今年も要注目。


ザメイダン(金子光希)※除外対象ですが、一応書きます。
1年前に東京で未勝利勝ち。昇級後はなかなか苦戦を強いられたが、差す競馬に脚質転換した3走前から復調を感じられる内容。
前走のペガサスジャンプsは⑥着だが、勝ったマイネルレオーネから1.3秒差と大きく負けてない。そういった意味では東京コースはプラスになるのに無念の除外対象。もし出てくれば不気味な存在になるであろう。
金子光希騎手は当レースは2017年にシンキングダンサーで勝利。



以上です。少しでも皆様の参考になってくれれば嬉しいです。





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